「このどうしようもない戦争に終止符を。一年前も今も、僕が考えてるのはそれだけです」
「……諦め……る……だって?」
「ここで諦めたら、誰がこの戦争を止めるんだ!」
概要
CV:小林裕介
本作の主人公。天帝国に属する少年兵。
師匠の名から「黒鋼の後継」と呼ばれ、史上最年少で帝国軍の最高戦力「使徒聖」に上り詰めたが、帝国が捕らえた幼い星霊使いを逃がしたことで称号を剥奪された上に永久幽閉を宣告される。
だが、幽閉から1年後に八大使徒から対処に手を焼く星霊使いの捕縛と引き換えに恩赦を出され、「氷禍の魔女」の異名を持つ星霊使い・アリスリーゼ・ルゥ・ネビュリス9世と対峙する。
人物
平時は穏やかな少年で、オペラや絵画鑑賞といった芸術とパスタを好む。
しかし、戦闘では素早く収めるために容赦しないため、「戦闘嫌いの戦闘狂」とも呼ばれる。
100年以上続く天帝国とネビュリス皇庁による戦争を止めたいと願っており、そのために「純血種」と呼ばれる皇庁の王族を捕らえ、和平交渉の場を作ろうとしており、それに限って言えば非常に頑固で我が強くしつこいため、アリスなどから破格の条件でスカウトされても即答で断っている。
その反面、弱い星霊使いまで捕らえようとする帝国のやり方を見過ごせず、破れかぶれで脱走の手引きをし結果として使徒聖の位を失い終身刑となり上記の理想を叶える道を自ら閉ざすなど、短絡的かつ詰めの甘さが目立ち、お世辞にも大局を見ているとは言い難い面もあり、兄弟子で相棒のジンからも指摘されているが、師匠であるクロスウェルはそれも織り込み済み同然で後継に選んでいる。
アリスとは上記の趣味が合い、中立都市などで幾度も出くわし、なし崩しな共闘を続けていく中で敵同士という意識が薄れかけているというより、完全に異性としての恋愛感情を抱いているが、両国の和平や師から託された黒鋼の後継としての使命を優先しているため、無自覚である。
人間関係
帝国軍内部では最年少の使徒聖でありながら敵国の魔女を脱獄させた大罪人だが、同じ使徒聖や部隊の仲間からはそのあたりに特に言及された様子はない(ただしネームレスからは嫌味を言われている)。
魔人や魔女と呼ばれる星霊使いのことも人間とみなしており、その星紋のことも「ただの痣」と言い切る姿勢が帝国軍人ではあまりにも稀有。加えて、一度請け負った約束を果たそうとする愚直とも取れるその姿勢が一部の皇庁側の人間にも信頼される要因になっている。
女性関係では無自覚ながらアリス一筋。しかし、アリス以外にも上司のミスミス、同僚の音々にも好意を寄せられている節がある。更に、過去に助けたシスベルにも好意を寄せられ、ルゥ家長女のイリーティアも妹たちが執着する男、更に自身の最愛の騎士との比較対象の強さで関心を持つ。
加えて、ゾア家のキッシングには後半のある騒動を発端に懐かれ、ヒュドラ家のミゼルヒビィとも交戦してその粘り強さに怒りさえ抱かれるなど、皇庁の王女全員から恋愛面や強さで興味を抱かれている。
能力
帝国軍の兵士では珍しく剣を使って戦う。師匠のクロスウェルから継承した「星剣」と呼ばれる双剣を使う。
「黒」の星剣は星霊使いのあらゆる星霊術を遮断し、「白」の星剣は黒が最後に遮断した星霊術を一度だけ再現する能力を持つ。
彼を後継者として選んだ師匠クロスウェルから徹底した対星霊使い特化の訓練を受けており、星霊術の発動のタイミングを全感覚で察知し、二つの星剣の力を巧みに使い分け、鍛えぬいた俊敏な機動力で回避と同時に懐へと潜り込んで仕留めることで強力な星霊術を使う純血種とも互角以上に渡り合う強さを誇る。ジン曰く「相手が星霊使いなら負けることはない」。
一方で剣自体の才はあまりなく、師匠には「(弟子の中で)一番見込みがなかった」と言われており、使徒聖との白兵戦になった場合、分が悪くなることを自覚している。