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「忘れるな。その剣が、世界を再星する唯一の希望だ」

概要

イスカが師匠のクロスウェルから継承した黒と白の一対の双剣。刀身は黒が長く白が短いなど双剣にしては不揃いでケルヴィナからは鶍の嘴に例えられている。

『黒鋼』の星剣があらゆる星霊術を遮断し、『白鋼』の星剣がその遮断した分の星霊術を一度だけ再現するという権能を持ち、イスカ以外には機能せず量産もできない唯一の真打《オリジナル》

ただし使いこなすには相当な修練を必要とし、イスカは百錬自得の末に対星霊使い特化という彼ら星霊使いの天敵とも言うべき技量を身に着けたことで継承した。

また、遮断できるのはあくまでも星霊エネルギーのみで星霊術による副次的な攻撃には対応できない上、星霊そのものには通じない

それを見たアリスからは始祖を縛る鎖と酷似しているという印象を受けている。

ネタバレ

ここから先は10巻以降の重要なネタバレが含まれる為、閲覧注意。

現所持者であるイスカは知らされていないが、その正体は、星霊術を蓄える性質を持つ星晶という本来は脆い鉱石を大陸の限界領域に住む星の民によって十分な強度まで――極限にまで純化し鍛え上げられた完成形であり、すべての星霊が星の中枢に帰還するための「器」というのが真実である。

つまり黒鋼の星剣は星霊術を「斬る」のではなく、黒鋼の星剣が星霊エネルギーを「蓄え」て、白鋼の星剣がそのエネルギーを解放するというのが、対星霊特化の星剣の真の絡繰りである。

さらに言えば黒鋼の星剣の材質となった星晶とは人に宿れなかった星霊たちがより集まり何百年もかけて固まってできたもの。その中でもより多くの星霊が集まり最も純度の高い星晶から生み出されたのが、この唯一無二の剣であり、それ故にこれ以上のものは星の民ももはや作れない。

何故なら残る星晶はいずれも純度が低く小さいため造り出せても、見かけだけの複製(レプリカ)ぐらいしか作れない(実際真打(オリジナル)と違いクロスウェルが後に星の民に作らせた複製品では災厄の魔女に傷こそ負わせてもすぐに再生してしまい致命的なダメージを負わせるには至らなかった)。

そして星霊の塊であるこの剣にこの世に散らばったありとあらゆる全ての星霊を集めることで初めて星の中枢に眠る災厄を倒すことができる希望となる。

つまり、星剣の本質とは星霊を斬ることではなく星霊を集めることだったわけである。

途方もないことのように思えるが、星霊を一つでも集めれば、その星霊と同系統に類する星霊達も自ずと集まるので問題はない。

因みに白鋼の星剣はクロスウェルが義姉を止めるために黒に集めた星霊の力を少しだけ使わせて欲しいと星の民に頼んで作らせたもので、言わば星剣の担い手を守るための切り札である。

そもそも星霊が地上に噴出したのは、星の中枢に眠る災厄から逃れて来たためであり、その災厄を倒すということは、星霊使いに宿っている星霊も含めてすべての星霊が例外なく星の中枢に帰還するということに他ならない。

それはすなわちすべての星霊使いが力を失い、普通の人間に戻ることを意味している。

星剣の担い手たる『黒鋼の後継』の真の使命とは正に、百年に渡る争いに正真正銘の終止符を打つことである。

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星剣(キミ戦)
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