仮面卿オン
かめんきょうおん
「星は怒りに満ちている」
「星霊の力をもって帝国を滅ぼせと。現女王のやり方では緩(ぬる)すぎる」
「言うまでもないだろう。百年前、帝国が我々におこなった仕打ちを」
CV:緑川光
星霊使い達の国・ネビュリス皇庁の三王家の一角『ゾア家』参謀にして当主代理。黒い礼服とシルクハットに身を包み、常に鳥のような外観のマスクを着用している紳士。フルネームはオン・ゾア・ネビュリス。
仮面は若い頃に帝国軍の火器を受けて大火傷をした為。
人物像
如何にも冷静沈着で余裕のある紳士的な物腰と口調の持ち主だが、その本質は慇懃無礼で激情家。
純血種の中でも過激派にしてタカ派の代表的存在とされるゾア家でも苛烈なまでの帝国への敵意と怨念が滾らせており、現女王の体制を緩すぎると公言して憚らず、帝国との全面戦争こそが星霊使いの悲願だと断言するなど星霊使いの憎悪を具現化したような男で、たとえ身内でもいかなる理由があろうと帝国と繋がることは許し難い大罪と断じる。
それはシスベルが帝国兵であるイスカを招き入れようとしたことを、政敵であることを考慮したとしても一切の弁明も聞かず裏切りと断定することからも筋金入りである。
またゾア家の秘蔵っ子であるキッシングをアリスをも超える逸材と目を掛け、自殺まがいの殺人的な訓練を施すことも厭わぬほどの冷酷さと残忍さを持ち、後にキッシングと交戦したイスカはそれを感じ取り、敵ながら怒りを露わにしている。
能力
空間を渡る『扉』の星霊を宿すが故に、奇襲と不意打ちを得意としており、武器を右手から左手へと瞬時に入れ替え、逆に敵の不意打ちから逃れることもできる。
なお星紋は顔の右側にある模様(アニメ12話の殲滅物体のセンサーにより判明)だが、その右半分は上記の帝国の火器で大きな火傷を負っている。以後、豪奢な仮面でその傷を隠し、自ら皮肉めいた冗談で仮面卿と名乗っている。
また星霊の力以上に策謀と奸計に富む人物で星脈噴出泉の一件でも敢えて女王への報告を遅らせ、巧妙に言い逃れするなど話術と胆力に富み、シャノロッテなどのスパイを帝国へ士官学校から潜入させて隊長格まで昇格させ、有力なスパイを潜ませるなど気長かつ慎重な策を取り、帝国軍を攪乱させている。
一方で聡明で合理的かつ明晰な分析力を持ちながらも最終的には上記の恩讐を優先するが故に、非合理的な判断や言動による失敗も目立ち、ジンからは「頭の回転は悪くないが空回るタイプ」と批評されている。