概要
立小便に使う便器のこと。性器の構造上、一般的には男性かふたなり用であるが、ふたなり用の場合はペニスソックスを掛ける台が横に配置されていることが多い。
使用者はズボンやスカートを脱ぐことなく、ペニスを社会の窓から出すだけで用を足すことができる。そのため、個室内ではなく男子トイレや男女共用トイレの共用スペースに設置されるのが普通である。まれに、屋外に設置されていることもある。また、女子トイレにも男児用の小さな小便器が置かれていることがある。
用途は男性の小用に限定されるものの、スペースを節約できる上に回転率が高いというメリットが大きいため、広く普及している。一般的に男性用トイレやふたなり用トイレが女性用トイレより少ないスペースでも混雑しにくいのは、小便器のおかげだといえる。
ふたなりと男性向けの使い方
① 小便器の前に立ち、社会の窓を開けて男性器(おちんちん)を出す。ペニスソックスや遺精防止用のコンドームを付けているならばそれを外す。
② 指でペニスを持って向きを定める。仮性包茎の場合は、包皮を剥いて亀頭を露出させる。包皮を剥く際には、ペニスを適度に勃起させると簡単であるが、勃起させすぎると亀頭を露出することが出来ても放尿しにくくなるため、ペニスに与える刺激は控えめにする。
③ 腰を前に突きだして放尿する。仮性包茎の場合は、放尿の最中に包皮が元に戻らないように、手で包皮をしっかりと押さえておく。
④ ペニスをよく振って、残った尿を飛ばす。その際にはペニスを縦に振ると飛ぶ尿が服に付着するため、腰でペニスを上下に振るのではなくて、手でペニスを持って左右に振る。
⑤ ペニスをしまう。ペニスソックスや遺精防止用のコンドームを用いるならば、それらをペニスに付ける。仮性包茎の場合は、包皮を元に戻して亀頭を覆う。
⑥ 水を流す。現在では、その場から離れると自動で流れるタイプが多い。
女性とは異なり、男性は小便器を使った後に亀頭を紙で拭いたり水で洗ったりはしない。(不衛生……?)
プライバシー
小便器の間には小さい仕切りが設けられて男性器が他の人から見えないつくりになっている場合と、男性同士で互いに排尿する男性器が丸見えになっている場合があり、残念ながら後者のプライバシーにあまり配慮されていないトイレも多い。特に、海外で多いアサガオ型や壁型の小便器では、隣の人の性器が自然と視界に入ってしまうレベル。
男性同士、ふたなり同士、お互いに弱点を晒し合うことで信頼関係を築いているのだ……という説もあるが真偽は不明。
女性による使用
サニスタンド以外の一般的な小便器は、女性の使用には向いていない。
女の子のおちんちんであるクリトリスはその先端から尿を飛ばすわけではないが故に、女性の場合は立ちションが困難となる。
それでも使用が不可能というわけではないが、前向きに放尿するべきか後ろ向きに放尿するべきかを知るために女性器の付き方の向きを知ることが必要である。
やり方は立ちション・ずらし放尿・スタイリッシュ放尿の記事にも詳しく解説されているが、少女と小便器というタグがメジャーである。
種類
ストール型
縦長になっているタイプ。現在の日本ではこれが一番多い。
朝顔型
お椀が斜めに置かれているような形状のもの。日本にもあるが、特にヨーロッパなどに多い。
ダダイスト芸術家のマルセル・デュシャンが、このタイプの市販の便器に架空の人物のサインを施して「泉」とタイトルを付け、ニューヨーク・アンデパンダン展(1917年)に美術品として出展し物議を醸した。
壁型
コンクリートや陶器の壁があるだけという、とても簡素なタイプ。複数の人が横に並んで同時に用を足すことができる。
昔は学校や公園、駅、ドライブインなどに多数存在した。特に田舎の学校では、このような壁型の小便器を備えた男女共用トイレが多かったのだが、目線を遮るものが何もないため、男子やふたなりのイチモツが女子からも丸見えであった。
悪臭・汚れ・不衛生感が大変酷いタイプで、衛生的なトイレに慣れた現代人にとっては旅先での一時の使用ですら躊躇わせるタイプ。
このタイプは女子も使うことが出来る小便器である。
現在では減っているが、皆無ではなく、地方の古いトイレに残っていることが多い。
サニスタンド
かつて存在した女性用の小便器。
詳しくは個別記事へ → サニスタンド
屋外設置型
フランスやオランダの一部の都市では、立ちション対策として小便器が街中に何の囲いもなく設置されており、人々が行き交う街路で堂々と用を足す男性たちの姿を見ることができる。
しばしば糞尿が撒き散らされていたという中世都市からの伝統だろうか。