概要
このゲームを一言で言い表すとSF版または宇宙版バイオハザードである。
プレイヤーは26世紀の修理工アイザック・クラークとなって魑魅魍魎の巣窟と化した宇宙採掘船USG Ishimuraから生き延びて脱出することを目指す。
作品ではバイオハザード4へのオマージュが所々見受けられるが、本作の最大の特徴はゲーム的なHUD表示の廃止、中断が無い事と残酷且つ斬新な部位切断である。
本作ではマップのロードやメニュー画面の展開等でゲームが中断(ゲーム内の時間が停止)しないようになっている。
ロードはトラム(いわゆる電車)やエレベーターでの移動中等に行なわれる。
特にエレベーター移動による待ち時間は「絶妙な間」となって緊張感を高めることにも成功している。
常にリアルタイムで進行するためにメニューはホログラムという形でアイザックの周りに展開され、周囲の状況を気にしながら操作を行なう必要がある。
セーブポイントやショップですらそれは例外ではなく、敵の掃討が済んでいないとメニューを開いた状態でダメージを受けてしまうこともある。(残念ながらPS3版では共通のシステムメニューを用いているため、セーブ中はゲームが中断してしまう)
本作の敵であるネクロモーフは一般的なFPSやTPSのように頭を撃っても決定打にならず、手足又は触手を撃ってバラバラにすることの方が効果的というひと味変わったシステムになっている。
一応、頭を撃てば視界を奪って突撃を封じることは出来る。
だが、腕を撃てば攻撃力が下がり、足を撃てば移動速度が遅くなるうえにエアダクトを通って別エリアまで追いかけてこなくなる、といった具合に四肢を狙ったほうがより成果が大きいという点を生かして戦うことになる。
またUSG Ishimuraの船内では行く先に無数の死体が多く転がっているが、これらも場合によってはネクロモーフ化して襲ってくる事がある。
そのため事前に壊しておくと未然にネクロモーフ化を防ぐことが出来る。
部位切断と残酷描写に関するCEROの反応
日本では日本語版が発売されなかったが、Amazon等のインターネット通販や秋葉原のTRADERS等の海外ゲームソフトを取り扱っている店などを利用すれば北米版やアジア版が買うことが出来、日本国内仕様のXbox 360、PLAYSTATION 3で問題なくプレイできる。
Windows版も販売されていて、有志による日本語化MODが開発されている。更にニコニコ動画やYouTube等の動画投稿サイトによって日本における知名度と高い人気を博した。
なお、アジア版でのタイトルは「絶命異次元」である。
その海外版プレイ動画をCERO審査会員の前で流して審査して結果がご覧の有様。
デッドスペースの海外版プレイ動画をCERO審査会員の前で流してそれを見た、とある女性審査会員は恐怖に震える悲鳴を上げ、激怒した。
(当時はその女性審査会員が動画を見た際のインタビュー動画で凄まじい悲鳴を上げていたのは非常に有名な話。あまりにも凄まじい悲鳴でゲーム本編よりよっぽど怖いと語る視聴者もいたほど)一応擁護しておくとCEROは批判の声も覚悟で国民に理解してもらうためにも、動画を公開した、加えてCEROは単に審査して求められたので意見を言っただけである。
なおデッドスペースはEA。当然CERO-Zとして審査されていた。CEROに加入している。上述した通り
「こんな残酷なゲーム当然販売すべきではない!」
「子供の目に間違って触れるかも知れない!」
「動画で見てしまうかも知れない危険性がある!」「野蛮である」
「血が出ている!」「卑猥」「店員のモラルが低く売ってしまうかも知れない」
上述の通り、あくまでも『18歳以上の子供』が対象であり、間違っても『成人向けコンテンツ』とはされていない。基本的にはCERO-Zでも『18歳以上の子供』が遊ぶものとして想定されているからである。上にあるデッドスペースの海外版プレイ動画が基準となり、強化されるに到った。この審査会員の恐怖に震える悲鳴を上げ、義憤によって激怒した話は非常に有名で後にインタビュー記事で上記のように語ったのだった。後に日本ではゲームの方より、こっちのCERO騒動の方が有名になるほど、大きく取り上げられた事から、本作を語るのに欠かせない話となった。
上述のようなゲームシステムが評判を呼び世界的な人気作となったが、
やはりその残酷なシステムであるがために物議を醸し、発売が見送られた国も少なくない。
特に日本と中国ではゲームの根幹を成している部位切断と死体損壊は一切変更できないためローカライズは不可能となった。
残酷描写について世界で一番厳しいと言われるドイツも当初は発売しないつもりだったが無事に販売されている。
多くの論争を呼びながらも国際的な名声を勝ち得たため続編が作られるようになった。09年には前日談であるデッドスペースエクストラクションが、11年には2作目が発売された。
このうち日本語版でプレイできるのはデッドスペースエクストラクションだけで、こちらは部位切断以外大きな変更が施されて販売されている。
そして2013年2月には正当な続編である「3」が発売された。
同月14日にはシリーズで初めて、日本向けの日本語マニュアル付属版が発売されるようである。
物語
時は26世紀。地球のあらゆる資源が枯渇し、人類は新たな資源を求めて宇宙へと進出していた。
ある時、 惑星イージス7で資源を採掘していた採掘艦USG Ishimuraからの通信が途絶え、原因の調査と修理の為にエンジニアである主人公アイザック・クラーク(Isaac Clarke)、女性技術士ケンドラ・ダニエルズ(Kendra Daniels)、ザック・ハモンド(Zach Hammond)らのUSG kellionの乗組員達が派遣された。
途中トラブルに遭いながらも何とかUSG Ishimuraに到着したが、そこは何故か閑散としており生存者の気配はなかった。
そして修理を始めようとした途端、見るのもおぞましい禍々しい容姿を持つ化け物達の襲撃に遭い、アイザック達は離れ離れになってしまう。
USG Ishimuraはネクロモーフと呼ばれる奴らが跋扈している血と狂気に塗れた悪夢のような迷宮と化していた。
アイザックは残された仲間たちと僅かな生存者たちの助けを借りながら戦って生き延びなければならなかった…。
登場人物
アイザック・クラーク(Isaac Clarke)
本作の主人公である(しがない)エンジニア。会社CEC(Concordance Extraction Corporation)によってUSG Ishimuraの修理のために派遣された。
プレイ中は常にマスクをかぶっており、彼の素顔を見られるのはOPとEDの2回だけである。その独特なヘルメットの形状からなぜかネタキャラ扱いされている。ちなみに43歳。結構いい歳であるにも関わらずパシリなエンジニアである。
普段は無口だが戦闘や攻撃を受けた時、ゲームオーバーの時には叫び声を発する。ゲームオーバーでのアイザックはドアに挟まれてバラバラになる、真空間で酸欠状態になり窒息、敵によって体をずたずたに引き裂かれてたり頭を食われる等グロテスクながらコミカルな描写もあるが人によっては嫌悪感を覚えることがある。
特にラスボスにおけるゲームオーバー時のアイザックの姿はみんなのトラウマである。
どうしてもという人でもない限り、興味本位で見るのはお勧めしません。ちなみに筆者は操作がもたついたせいで見る羽目になりました。
主にプラズマカッター等の工具を使って迎え撃つが、踏みつけでネクロモーフを倒せるくらいの黄金の足の持ち主だったりする。
続編でも主役を張っており、こちらはよくしゃべる。また、顔を出す機会も増えている(ゲームオーバー時においても例外ではない)。
ニコル・ブレナン(Nicole Brennan)
主人公アイザックの元恋人でUSG Ishimuraの乗組員。OPでは助けを求めるような内容のビデオをアイザックに送っており、それがアイザックがUSG Ishimuraへ派遣された理由の一つとなっている。アイザックはUSG Ishimuraを修理しつつニコルを探すこととなる。
本作の最重要人物で、終盤におけるどんでん返しな展開、そしてみんなのトラウマな結末を担当している。内容についてはネタバレなので詳しく説明できないが、各章のタイトルの頭文字がフラグとなっている。
ケンドラ・ダニエルズ(Kendra Daniels)
アイザックとともにUSG Ishimuraに派遣された女性技術士。ハッキング等のネットワーク技術に秀でているが、意見の違いから同行しているハモンドとしばしば衝突している。ネクロモーフの襲撃に遭ってからはヒステリックな言動を吐くこともある。
終盤では衝撃的な役割を担うことになる。
ザック・ハモンド(Zach Hammond)
アイザックとケンドラを率いるアフリカ系の男性警備員で修理班のリーダーを務める。当初はUSG Ishimuraの修理が本来の任務だったが、ネクロモーフに遭遇してからは生き残った仲間達と共に脱出を目指すようになる。いかなる時でも冷静な判断やリーダーシップを崩すことがないが、ケンドラとは意見が噛み合わず言い争いになることが度々ある。彼もまた本作の核心を示唆するような怪しい発言をする。
見事なスキンヘッド(つまりハゲ)の持ち主で、日本では「ハゲモンド」と呼び間違えられることがある。
余談
・『バイオハザード4』の影響については前述の通りであるが、実は本作は元々ある別のゲームの続編として開発されていた。そのゲームとは、PCゲーマーの間でカルト的人気を誇る伝説的ホラーFPSRPG『System Shock 2』である。『バイオハザード4』に衝撃を受けた開発者によってそのゲームデザインは大きく変更されたものの、舞台設定や敵、ゲームシステムの一部にはSS2の要素が引き継がれている。
ちなみに同じ『System Shock 2』系列のゲームには『Bioshock』シリーズや『DeusEx』シリーズ、新旧『Prey』等がある。
・1作めと2作目の間にメディアミックス展開もされており、北米ではコミックが刊行された他、1作目の前日談を描いたアニメ「Dead Space:Downfall」も公開された。アニメではUSG KellionがUSG Ishimuraに向かっている最中の出来事(USG Ishimura内における人間とネクロモーフとの戦い)がストーリーの主軸となっており、ゲーム同様残虐表現もふんだんに登場する。時系列上ではスピンオフである「Dead Space:Extraction」との間となっている。
関連イラスト
関連項目
プラズマカッター…主要武器の一つ
バイオハザード4…本作の元ネタ。この作品に強いリスペクトが込められている。
外部リンク
DEAD SPACE公式サイト (英語)
DEAD SPACE まとめwiki (日本語)
DEAD SPACE批評…海外ゲーム情報サイトGAME LIFEより。本作のご購入の際はどうぞご参考に。