底辺校
ていへんこう
概要
大きく分けて二つのタイプに分類される。
多くの場合「普通科の学校」、特に高校以上の課程に対してこのように呼称される。
例えば実業系高校などは、後述する通り普通高校に比べて偏差値では劣る(※授業の内容や編成が異なるため)が、生徒たちはまじめに過ごしており、進学率や就職率にも特に問題がない場合には呼ばれない。
さらに、単純に問題のある生徒を積極的に入学させているだけでは該当せず、学級崩壊やいじめ、校内暴力などの実害が起きている場合に呼ばれることが多い。定時制高校や通信制高校などはその特性上「勉学に取り組む意志は強いが、さまざまな事情で普通の学校に通うことが難しい」という生徒を多く受け入れており、そのような生徒の中にはかつて不登校であった、別の学校を中退した経験がある、というような普通の学校ではあまり見られない経歴の生徒も多い。
一般的に「底辺校」というときは、1と2両方の特性を持った学校を指すことが多いとされている。
具体例
解説
1980年代に校内暴力やいじめが問題として取り上げられ、教師と生徒の関係の悪化の為に「教育困難校」「指導困難校」という言葉が使われるようになった。また、内部からは「底辺校」とも呼ばれるようになった。
「底辺校」を構成する生徒・学生は、家庭環境や学校等の周辺環境、本人の能力面など各種要因により学校の授業内容についていけるような基礎学力や生活態度が身に付いていない場合があり、授業や生活リズムについていけず辞めてしまう者も少なくない。中退後も別の学校に再入学せず、引きこもりになったり、ヤクザや暴走族などの犯罪組織に取り込まれたりといったことも珍しくなく、就職先がなかなか見つからず、安定した仕事が得られず苦労する者も多い。
このような状況では教員への負担も極めて大きく、中にはやる気をなくして「何もできなくなる」、荒れた生徒や学校に対し対処を諦めてしまうような教員も存在する。
一方で、必ずしも全員が学力や生活態度に問題があるというわけではないため、ある程度成績が優秀だった者が、通学の利便性や学費、部活動などの課外活動の優先、内申点を稼ぐことなどを目的にあえて「底辺校」を選ぶこともある。
卒業後は、(高校の場合)高卒で一般就職する者も多いが、専門学校や短大へと進学する事もある。中には大学進学を考える者もいるものの、学校によっては進学実績が十分ではないため教員側のサポート体制が整っておらず、ストレートでの進学が困難であったり、一般入試ではなくAO入試や指定校推薦などを優先されることもある。
なお、工業高校や商業高校といった実業系高校は、偏差値こそ普通科高校より低いことがほとんどだが、専門的技術や資格等を取得できるというメリットがあり、底辺校というイメージはあまりない。就職内定率も高く、いわゆる底辺校の生徒よりも有利に就活が進められているということが多い。
この項目において実在の学校のリストを記述することは、その学校に対する誹謗中傷となりかねないため、具体名は載せないものとする。
フィクションにおける底辺校
ヤンキーを題材にしたコメディ作品、一時期多かった暴走族・番長ものの作品にも多く登場する。不良の跋扈や学力の低さなどを誇張して描写されることも多い。傾向としては男子校が多く、ヤンキーばかりでなくてもやはり問題児が大半を占める。
因みに進学校もフィクションでは珍しくないが偏差値が平均と思われるところはフィクションでは珍しく、DQNとエリートが二極化している(しかも学力に関係なくクラスに纏まっている事も)高校が多く、学校の偏差値がそれほどではなくても例外的に成績が優秀な者が潜んでいる傾向も見られる。
因みに、「フィクションにおける代表的な底辺校」として取り上げられることの多い『ドラゴン桜』の龍山高校は実際には底辺校ではないと指摘されている。
底辺校から東京大学を目指すというのが本作の筋書きだが、主人公達は、勉強を始めた時点で中学3年程度の学力をすでに有しており、校内暴力などの問題行動も見られないため、該当するかは微妙である。あくまでも「東大を目指すには底辺」という話で、本当の底辺校から見れば中堅校程度の学力はあるというわけである。