概要
狭義には「工業に関する学科」(工業科)を中心に学科が構成されている職業高等学校を指し、広義には「工業に関する学科」や「工業の課程」を設置する高等学校全般を指す。
狭義の場合には、名称に「工業」が含まれていることが多いが、近年は名称を『工科高等学校』(こうかこうとうがっこう)や『総合技術高等学校』(そうごうぎじゅつこうとうがっこう)に名称を改めている学校もある。
地域の産業技術の次世代の担い手になる有為の人材を育成することを主眼にして、工業、産業の技術習得に関する教育課程を編成している。
学科にもよるが、他の高校よりも実際の機器、設備を使用した実技教育の比率が高く、カリキュラム次第では1日の殆どを作業服で過ごす場合も。
資格取得や検定取得に熱心な高校が多く、令和2年より所定の単位を修めれば実務経験無しでも取れる(あるいは必要とされる実務経験が軽減される)資格もある。また、実技がある試験では、学校に機材が揃っており教員の指導を受けられるため有利で、授業でも実習を行うため就職の際人材として即戦力にもなる。
男女比率は一般的に男子が多いが、服飾系の学科では逆転することも。
中には普通高校の理数科が無い地域では普通科より入学難易の高い学校や、高等専門学校(高専)に不合格になった受験生が多く集まる学校がある場合もある。
学科として大きく分けて「機械系」「電気・電子・情報技術系」「建築・土木系」「化学・材料系」「繊維・インテリア・デザイン系」に分かれ、さらに細かく分かれていくが、「薬業科」「航空科」「鉄道科」などもある。
就職以外にも指定校推薦などで主に私立の理工系大学、総合大学の理学部・工学部・理工学部に指定校推薦に進学することも有る。しかし必修の英語・数学・化学・物理学の授業が普通科に比べて少ないことから大学入学レベルまでの補完的な勉強をしなければなれない。
最近は少子化で文系大学や文系学部が指定校推薦の枠を設けたり、公立高校と各大学が連携して進学を支援する「高大連携」等も行っている。
大学全入時代とも言われる現代においても、普通科よりも高い就職内定率を誇るため、経済的事情で大学に行けない人間であっても、一定の成績を収めれば高卒で大手企業へ入社することも不可能ではないが、多少余力があれば高専に行く方がさらに就職先の間口が広い。
工業高校のメリットとデメリット
メリット
デメリット
- 専門教科や実習に興味が無いと地獄。最悪の場合、単位を落とす(留年する)危険性も…。
- 一般教科の授業は卒業に必要な最低限の単位しかやらない場合が多いので、(推薦入試はともかく)一般入試だと大学受験はほぼ絶望的。
- 一応、専門学校であれば入学試験が緩いので比較的進学しやすいが…。
- 大企業や公務員といった待遇の良い就職先が見つかるのは成績上位者くらいで、多くの卒業生はそれほど待遇が良くない中小企業や零細企業などに就職している。離職率も決して低くはない。
- (マナー教育がしっかりしていることの裏返しとなるが)校則が厳しいので退学者も少なくない。
工業高校が登場する作品
工業高校が舞台の作品
工業哀歌バレーボーイズ:週刊ヤングマガジンに連載していた。
アスコーマーチ!〜県立明日香工業高校行進曲〜:『YOU』に連載、ドラマ化された。
作品中に登場する工業高校
記事のある学校
※現在「工業に関する学科」のある学校を掲載。
以下は校名に「工業」を名乗っていない学校。
県立進修館高等学校(電気システム科・情報メディア科・ものづくり科)
愛工大名電(情報科学科・科学技術科)
羽黒高校(機械システム学科・自動車システム学科)
福岡工業大学附属城東高等学校(電気科・電子情報科)
工業高校生に人気の資格
など
関連タグ
アメトーーク:『農業高校芸人vs工業高校芸人』を企画・放送。
ロンドンブーツ1号2号・田村淳、スピードワゴン・井戸田潤、アンタッチャブル・柴田英嗣、ダブルブッキング・川元文太、アルコ&ピース・平子祐希が工業高校出身代表として出演。