概要
基本的には下記の1と2、両方の性質を持つ学校を指す。その中でも2の性質が強い学校を指すことが多い。
- 入学に必要な学力が、その地域における平均よりも大幅に低く、いわば「誰でも入学可能」となっている学校
- 不良など素行に問題のある生徒が多く、校内暴力やいじめが行われ、勉学だけでなく生活指導で困難を抱えている学校(教育困難校、指導困難校)
ほとんどの場合高校、もしくはそれ以上の学校(専門学校など)に対して使われる。公立・私立に関係なく用いられ、男女の共学・別学でも同じように呼称される。
大学に関しては、特にネット上では「Fランク大学」が「底辺校」に相当する形で用いられることが多い。
高校の場合、普通高校や総合高校で、普通科が主体の学校を指すことが大半である。また、ある程度都市部の学校を指すことが多い。
詳しくは後述するものの、地方、特に過疎地の学校では定員割れの可能性があるため、学力に関係なく生徒を受け入れる態勢が作られている。また、専門科高校、例えば工業高校や商業高校なども、生徒たちの多くが素行不良でない限りは無関係である。
これらに加え、定時制高校や通信制高校なども、同じような理由で「底辺校」と呼ばれることは少ない。
行政や実際の指導の場では「教育困難校」「指導困難校」などと定義される。
なお、これらは義務教育である小・中学校に対しても称されるが、「底辺校」と言った時は私立の学校を指すことが多く、そもそも入学試験のない公立小中学校が底辺校と呼ばれることはあまり見られない。
具体例
- ヤンキーが多い。
- 制服の着こなしや髪型など、身だしなみがだらしない
- 教師の指示がまともに通らない。生徒たちが授業中に遊んだり、廊下に出るなどして授業が成立していない
- 高校以上であっても殆ど小学生向けのクイズのような入試問題や定期テスト問題などが出ることがある。
- 尋常無い厳格な規程の場合も存在し、軽度知的障害(IQ50-69)、下手すれば中度知的障害(IQ35-49)の生徒が最下層の学級で在籍している場合も...
実際に通っている人や卒業生らによって実態がインターネット上などで報告され、たびたびネタにされている。
解説
1980年代に校内暴力や青少年の「ツッパリ」「荒れ」が深刻化し、問題が多発している学校に対して「教育困難校」「指導困難校」という言葉が使われるようになった。状況が深刻化した学校は受験の場でも不人気となり、「名前さえ書ければ入れる」とさえ言われるほどで、まさに「(学力や生徒の素行、人気が)底辺にある学校」として「底辺校」とも呼ばれるようになった。
「底辺校」に通う生徒は、家庭環境の悪さなどにより学校の授業内容についていけるような基礎学力や生活態度が身に付いていない場合があり、授業や生活リズムについていけず辞めてしまう者も少なくない。中退後も別の学校に再入学せず、引きこもりになったり、ヤクザや暴走族などの犯罪組織に取り込まれたりといったことも珍しくないとされる。就職先がなかなか見つからず、安定した仕事が得られないまま苦労する者も多いと考えられている。
(特に生徒指導を行う)教員への負担も極めて大きいといえ、指導、立て直しを諦めてしまうほど追い詰められてしまう人もいる。
一方で、「底辺校」にあっても必ずしも全員が学力や生活態度に問題があるというわけではない。一定の学力を有する者が、通学の利便性や学費の安さ、部活動を始めとする課外活動の優先などを目的に、あえて「底辺校」を選ぶこともある。
中には受験に失敗した結果、「滑り止め」として底辺校を選ばざるを得なかった、部活の怪我や持病の治療のために学校や家の近くに病院のある底辺校を泣く泣く選んだ者も少なからずいると考えられる。
卒業後は、(高校の場合)高卒で就職する者も多いが、専門学校や短大へと進学する事もある。中には大学進学を考える者もいるものの、学校によっては進学実績が十分ではないため教員側のサポート体制が整っておらず、ストレートでの進学が困難であったり、一般入試ではなくAO入試や指定校推薦などを優先されることもある。
先述の通り、「入学に必要な学力が低く、誰でも入れる状態」というだけでは「底辺校」の概念には当てはまらないと考えられている。
例えば、過疎化が進む地域では、地域に学校が1校しかない(もしくは、普通高校1校、実業系高校1校というように、生徒の志望する進路によっての選択肢がほとんどない)、ということもザラにある。このため、入学試験における成績のボーダーが低めに設けられ、ある程度「誰でも入れる」状態となっている学校も多く、「底辺校」の概念にはあてはまらない。もちろん、「誰でも」ということは素行不良な生徒も集まりやすいということであり、入学後の指導体制が整っておらず底辺校状態に陥っていることもあるため、あくまでケースバイケースである。
また、工業高校や商業高校といった実業系高校も、偏差値こそ普通科高校(特に進学校)より低いことがほとんどだが、専門的技術や資格等を取得できるというメリットがあり、底辺校というイメージはあまりない。就職内定率も高く、いわゆる底辺校の生徒よりも有利に就活が進められているということが多いと考えられている。
その学校に所属する現役高校生の人権などの問題もあるため、教育関係の記事や自治体の公式記事でもない限り底辺校の話題について学校を名指しで取り上げることはタブーとされる。
この項目において実在の学校のリストを記述することは、その学校に対する誹謗中傷となりかねないため、具体名は載せないものとする。
フィクションにおける底辺校
ヤンキーを題材にしたコメディ作品、一時期多かった暴走族・番長ものの作品にも多く登場する。不良の跋扈や学力の低さなどを誇張して描写されることも多い。傾向としては男子校が多く、ヤンキーばかりでなくてもやはり問題児が大半を占める。
なお、フィクションにおいてはわかりやすい底辺校と進学校というよりも、平均的な偏差値と定義されながら不良とエリートが二極化している上、時には学力に関係なくクラスにさまざまな特性の生徒が纏まっている事もあるような学校がなぜか多い。
また、学校そのものの偏差値がそれほどではなくても例外的に成績が優秀な者が在籍している(※例えば後述のリストにもある『魁!!クロマティ高校』は、主人公は中学時代成績優秀で真面目であったが、親友と同じ学校に通うため「引き算ができれば入学できる」と言われていたクロマティ高校に進学する、という導入である)傾向も見られる。
因みに、「フィクションにおける代表的な底辺校」として取り上げられることの多い『ドラゴン桜』の龍山高校は実際には底辺校ではないと指摘されている。
底辺校から東京大学を目指すというのが本作の筋書きだが、主人公達は、勉強を始めた時点で中学3年程度の学力をすでに有しており、校内暴力などの問題行動も見られないため、該当するかは微妙である。あくまでも「東大を目指すには底辺」という話で、本当の底辺校から見れば中堅校程度の学力はあるというわけである。
フィクション上の底辺校の例
※混乱や特定の作品への攻撃を避けるため、作中で「偏差値が非常に低い」「生徒が札付きのワルばかり」「校内が荒れている」というような描写が見られる、またそのように公式で表現されていたり、登場人物がセリフ内で明言している場合に追加するようにしてください。
- 男塾(魁!!男塾)※正確には「私塾」であり、正規の「学校」ではない。
- 石矢魔高校(べるぜバブ)
- 池袋正道館高校(ろくでなしBLUES)
- 私立軟葉高等学校、紅羽高校、開久高校、北根壊高校(今日から俺は!!)
- クロマティ高校(魁!!クロマティ高校)
- 埼玉県立朝沼工業高校(工業哀歌バレーボーイズ)
- 関東昭和高校(実録!関東昭和軍)
- 泰庵高校(貧乏神が!)
- 童実野高校(遊戯王DM)
- 私立聖蘭高校(疾風伝説 特攻の拓)
- 緑が丘高校(あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。)※主人公の宿海仁太が「底辺」と表現している。
- 豊玉高校(スラムダンク)
- 賊徒学園(アイシールド21)
- 貪狼学園(落第騎士の英雄譚)
- レヴォルフ黒学院(学戦都市アスタリスク)
関連タグ
進学校…大学進学率が高く、指導に力を入れている学校のこと。底辺校とは相対する部分が多いが、必ずしも真逆なものとは限らない。