概要
「原材料を直接仕入れ、国内の自社工場で製造、全国のお店へダイレクトに配送する」ことで美味しいお菓子を安価で販売するお菓子屋。
ケーキ・プリン・シュークリームなどの洋菓子を中心に、和菓子・アイスクリームの他、パンや冷凍ピザ、ワインも販売。
当初は百貨店やスーパーマーケットには出店しないというこだわりも持っていたが、海外店舗では百貨店やショッピングモールに展開し、国内でも方針を転換しヤマダ電機の店舗内に出店したりコンビニエンスストアに商品を出荷したりしている。また、2019年頃より高級店舗「YATSUDOKI」ブランドでの出店も行っている。
商品を運送するトラックは自社のもので、白ナンバーである。これにより運送中災害が発生した場合、運転手が上司に連絡し承諾を得れば商品を救援物資として立ち往生した車に配布することができる。2014年の関東豪雪や2021年の北陸豪雪でこれが如何なく発揮され、ブランドイメージの向上に役立っている(山崎製パンでも同様のことが行われている。なお緑ナンバーは他社の随意契約のためこのようなことをすると契約違反になってしまうため、あくまで自社トラックに限られる)。
沿革
シャトレーゼの前身
- 1954年:甲府市丸の内のオリオン通り(現在の「オリオンスクエア」)に齊藤寛が出店した今川焼き風のお菓子専門店甘太郎(あまたろう)が原点。
- 1959年:有限会社甘太郎を設立、山梨県と長野県に10店舗展開。しかし冬場しか売れなかったことから1964年(昭和39年)に故郷である東山梨郡勝沼町(現在の甲州市)にアイスクリームの製造販売をする大和アイス株式会社を設立。当初は大手に苦戦したが、アイスクリームと一緒に研究開発していたシュークリームと組み合わせた『シューアイス』を10円で販売、結果甘太郎と大和アイスは成長していく。
シャトレーゼ設立
- 1967年:両社を合併し、『シャトレーゼ』(フランス語で「城」を意味する「シャトー」と、「ブドウ」を意味する「レザン」を組み合わせた造語)を設立、安価で商品を提供していく。
- 1980年:首都圏に進出、1984年(昭和59年)工場から店舗まで卸売を通さない「工場直売店」を実現すべく本社を勝沼町から山梨県によって造成された山梨県食品工業団地に移転。
- 1986年:千葉県の国道16号沿いに「工場直売店1号店」をオープンさせてから全国展開していく。
- 1994年:契約農場から素材を直接仕入れる「ファーム・ファクトリー」に対応するために北巨摩郡白州町(現在の北杜市)に「白州工場」を開設。
- 1997年:店舗増加に対応するため物流センター機能を備えた「豊富工場」が稼働開始している。
- 2000年:夕張郡栗山町に「栗山工場」を開設し北海道に進出、同町に宿泊・温泉施設を備えたゴルフ場「シャトレーゼカントリークラブ札幌」がオープン。
- 2002年:経営破綻したソフィアのリゾート施設「札幌テルメ」を買収して「シャトレーゼ ガトーキングダム サッポロ」、長野県の南佐久郡川上村にある「八ケ岳ザイラーバレースキー場」を買収して「シャトレーゼスキーリゾート八ヶ岳」を開業。山梨県にある雪印乳業(現雪印メグミルク)子会社のワイン製造会社「雪印ベルフォーレ」の全株式を取得し「シャトレーゼベルフォーレワイナリー」を設立。
- 2009年:福岡県福岡市に「博多工場」を設立、九州にも展開。
持株会社化
- 2010年4月:(旧)シャトレーゼは持株会社に移行し、「シャトレーゼホールディングス」へ商号変更。同時に食品専門として新たに設立された「シャトレーゼ」および整理・集約されたリゾート企業3社を傘下に収め整理する。更に海外にも進出を開始。
- 2012年:オランダの菓子メーカーを買収、オランダに出店した。
- 2015年:福岡の老舗菓子会社「さかえ屋」を買収し、傘下入り。アジア圏に直営店を出店開始。
- 2020年には神戸市に「神戸工場」を設立し、関西および中国・四国地方-出店増に対応。
- 2021年:東京の老舗菓子会社「亀屋万年堂」を買収し、傘下入り。
関連イラスト(商品も含む)
関連タグ
村上龍…2014年にテレビ東京系「カンブリア宮殿」でシャトレーゼが紹介されたとき、「スポーツジムに行って帰ってくる途中に(店が)あり、毎日通っていた。なんでこんなにおいしいのに安いのか、ずっと疑問に思っていた」と明かした。