概要
アバンが書物を参考に作成した、銃を模した特殊武器。
その名の通り「魔法を弾として撃つ銃」。TVシリーズ20年版では読み切り『勇者アバン』での挿話で、毒蛾の粉を振り撒く触媒としてプロトタイプを用いたが、試作機な為に数発撃っただけで銃身を壊し、当人も『改良の余地有り』とコメントしている。
攻撃呪文を扱えないマァムの物語前半部のメイン武器で、アバンの修業の修了の証としてアバンのしるしと共に贈られた品である。
外見は金色の大口径単発式拳銃。弾数は全10発。装弾方法は尾部のカバーを開閉して行う後装式。
薬莢の先端には、魔法力を蓄積する「聖石」が埋め込まれており、これに触れた状態で呪文を唱えることで充填され、弾丸として使用可能になる。発射時は魔弾銃本体に弾丸を込め、狙いを定めてトリガーを引くという普通の銃火器と同様のプロセスを要する。
アバンの使徒として旅に出る前からマァムと苦楽を共にしてきた武器だが、バルジの島におけるフレイザード撃破後、禁呪法によって氷漬けにされたレオナを救うために瞬間的な大火力が必要になったことから、ギラが込められた弾丸にダイが竜の紋章を介してベギラマを追加で込め、これを撃ち氷を溶かすことはできたものの、許容量を超えた威力の弾丸を使った反動により銃身が半壊してしまう。
自称「発明王」のバダックが修理を試みたものの手に負えず、魔弾銃は役目を終えることになった。
その後、マトリフのセクハラに鉄拳制裁を加えた際に「馬鹿力だけはオヤジ譲り」と言われたことから、マァムは自分にしかできないことを極めるべく、武闘家の道へ進む事になる。
なお、アバンはこの魔弾銃を「噂と書物で作った」とのことだが、作中では所謂「普通の銃」は登場していない。書物があるということは過去に少なくとも銃の研究をしていた人物がいたのは間違いないようだが、実用化には至らなかったのだろう。
メリットとデメリット
メリット
- 銃の射程圏内ならば狙った地点に呪文の効力を飛ばせる。
- 攻撃呪文に限らず補助・回復呪文も充填できるため、直接触れられない場所にいる味方のサポートが可能。
- 使用済みの弾丸は再び呪文を詰めての再利用が可能。
- 呪文は充填済みであるため、銃の射手が詠唱・魔力消費する心配がない。そのため、攻撃呪文が放たれると思い込む相手にそれ以外の呪文を放つといったフェイントが可能。
- 呪文封じ(マホトーン)の効果を受けない。
- 呪文発動そのものを阻害する結界の影響は受けてしまうが、呪文が込められた弾丸を外的要因により破壊することで中身を誘爆させることは可能。
デメリット
- 銃の構造上連発ができず、一つの薬莢には(基本的に)一度に一つの呪文しか込められない。別の呪文を使う際には弾を交換する必要が生じ、隙が生まれやすい。
- 弾数に上限があり、使い果たすと再充填の当てがない限り使用できなくなる。と同時に弾丸を薬莢ごと失えば自身の戦闘力や回復補助を低下させる。
- オーバーテクノロジーの産物であるため、作成者のアバン以外では修理・複製ができない。