「どうせ、ズやベの奴らは、すぐにダグバに殺されるでしょう」
詳細
グロンギのうち、ゲゲルへの参加資格を持つ3集団(ズ集団・メ集団・ゴ集団)よりも更に下の階級に属する集団。劇中ではEPISODE38「変転」にて、ゴ集団最強三人衆の一人であるゴ・ジャーザ・ギの口から初めてその存在が示唆された。
元々はキャラクターショー用に考えられた、グロンギの戦闘員の設定をテレビシリーズに逆輸入したもので、こうした事情からテレビシリーズではべ集団に属する個体は全く登場せず、テレビシリーズ以外に範囲を広げても、前述した戦闘員ポジションのミジンコ種怪人「ベ・ジミン・バ」が確認されているのみである。一部媒体では「ダンゴムシとかハムスターとかタンポポみたいな戦闘能力を想像出来ないモチーフの怪人」といわれているものもある。
「べ」の由来も戦闘員故か、僕(しもべ)の“ベ”である事が、(あくまでも冗談であると言い添えているものの)放送当時の雑誌インタビュー内でプロデューサーが言及している。
上記したジャーザの台詞や、バルバの「力無い者どもを整理するのだな。私はガドル達のゲリザギバスゲゲルを進めておく」(EPISODE35)という発言、さらに前出のジミンも戦闘員ポジションという性質上、言葉もろくにしゃべれず奇声を上げる程度であった事などから、べ集団に属する個体はいずれも知能・戦闘能力とも極めて低い存在であったと推測される。
また他の集団と同様にゲゲルの参加資格を有していたとされるが、ズ集団が失態続きで見切りを付けられ資格を剥奪された事で、べ集団も連鎖的に資格を喪失している。もっとも、劇中で最初にゲゲルを始めたのがベ集団ではなくズ集団である事からも窺えるように、ゲゲルへの参加資格は元より与えられていなかったと見る向きもある。
べ集団自体は先に全滅したメ集団や、ゲゲルに失敗したズ集団の主だった面々よりも長く生き残っていたようだが、物語後半にてダグバが前述の通り「整理」に動き出した事で、べ集団もゴオマを始めとするズ集団の生き残りと共にその対象と見做され、ダグバの活動開始からわずか3週間のうちに順次粛清されてしまった。
ズ集団との合算のため、ベ集団の総数そのものは不明であるが、この時「整理」対象として殺害された個体は実に162体に登る事が、劇中にて明示されている(EPISODE40)。
HEROES版
『月刊ヒーローズ』で連載中の漫画(HEROES版)では、下記のように種族内での立ち位置や、集団に属する個体についてもより掘り下げる形で登場している。
作中では「変身もできぬゴミクズ」呼ばわりされて虐殺されており、ゴ・ベミウ・ギに「グロンギの戦士の生贄にすぎん!」と言われていたことから、他の上位集団に出番が回ってくるまでのサンドバッグ的な役割にされていた事が窺える。
こうした扱いに嫌気がさしたべ集団のある兄弟が、ヌ集団を唆してクーデターを起こそうとするも門前払いを受けたため、彼らの作った武器を持ち出し勝手にゲゲルを始めようと暴れていたところ駿河徹也に遭遇し、彼に銃撃され兄が負傷してしまう。そこに武器を作り続けるのみという自分たちの扱いに憤慨していたヌ集団のリーダー格、アゴンが現れ彼が作っていた三種の魔器の一つ、「ギダギギギ」(和訳すると「したいしい」というわけのわからない単語になる)を兄に与える。
このギダギギギで、公園に来ていた人々を吸い込んでズタズタにしていった兄だが、途中で足を滑らせて自身も吸い込まれ死亡してしまう。その後弟は「兄の代わりにゲゲルをやる」「そのためには何でもする」と口にしたことから、アゴンによって改造手術を施されるが、その際命の危機を察した彼は脱走してしまう。
途中、弟はお笑い芸人のブオーノ・ヤマイと間違われてテレビ出演。ポレポレのオリエンタルカレーの味に感動し、号泣してしまう。一方、待ち合わせ場所を間違えた本物は子供達から偽物扱いされていた。
それ以来、ポレポレに足繁く通うようになり、金が無いため、食った分は働いて返すという筋を通していた。最初はリントの為に働く事を拒んでいたが、五代が来るたびにカレーを用意してくれる為、思わずバイトを承諾してしまうのだった。また、奇妙な絵を描く才能があるようで、商店街のシャッターペインティグアーティストに抜擢される。しかし、仮面が取れた顔は醜いものであったらしく、不良から助けた書店の娘にも恐れられてしまう。ユウスケはそんな彼に対しても偏見は全くなく、仮面を拾ってくれた為にますます彼と友情を深める。
その後、ギダギギギに「呼ばれた」ブオーノはアゴンによって「体を元に戻された」ようで…?
なお、肝心の戦闘力は不良にスケボーでのめされるぐらいに弱い。
ベ・ゴド
本作のべ集団のグロンギ達の怪人態。
凄まじい巨体とゴ集団のグロンギに匹敵する身体能力を有するが、それと引き換えに変身中は知性が大幅に低下してしまい、ルールを理解できないが故にゲゲルを行うことが出来ないというグロンギとしては致命的なデメリットを持つ(一応、僅かに理性が残ってはいる様子)。
それ故に、古代においてゴ集団のグロンギ達によって彼らは体内に力を封じる為の勾玉を埋め込まれており、変身能力を封じられている。ヌ集団はこれを利用してゴ集団への報復を試みた。
しかし、維持には時間制限があるらしく、程なくしてヤマイの姿に戻る。ヤマイは同胞はおろか、人一人殺せない性格であり、シャッターペインティングも周囲から賞賛され始めた彼は雄介と共に暮らしたいと考えるようになり…。
その後、雄介に会いに現場に駆け付けたヤマイは過去に仲間の「ベ」達を虐殺していたゴ・ベミウ・ギを目撃したことで暴走、再び怪人態に変貌してその場に乱入、ベミウのムチを絡め捕って蹴りでの一撃を食らわせる。
この行為により結果として雄介たちを助ける事は出来たものの、ヤマイは、客観的な形で「自分は人間の側には居られない」という事実を突きつけられ、彼との別れを決意する。
その翌日、警察の対未確認部隊がポレポレに現れ、雄介を守るべく再びヤマイは怪人態に変身、そのタイミングを狙っていたヌ集団のグロンギ達が「ギダギギギ」を渡すべく現れるも、ヤマイはそれによってリントを傷つける事を拒否しヌ集団たちを攻撃、ギダギギギもクウガ・タイタンフォームによって破壊される。
その後ヤマイはギダギギギ破壊時の爆風に紛れて姿を眩ませていたが、そこに自身のゲゲルの妨害をした彼を倒すべくベミウが現れ、ムチによる攻撃を振るう。
だが「ベ・ゴド」の身体能力はゴ集団のグロンギを超えるものであったため、ムチを引き寄せ、ショルダータックルによって木に磔にされるという形でベミウは一転して窮地に。
怪人態に変身しヤマイの身体を凍らせるも、「ベミウを倒す」覚悟を決めていた彼によるベアハッグによって自身の背後の木諸共体を砕かれベミウは絶命、「雄介のおかげで幸せな思い出が出来た」事に涙しながらヤマイも息絶えた。