概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』のエピソードの一つ。TC12巻収録。
ストーリー
珍しく机に向かって勉強に打ち込んでいるのび太が周りを飛び交うハエに苛立っていると、突如現れた小さなジェット機がハエを撃沈させる。
ハエを撃沈させたジェット機にはドラえもんが乗っており、それは「ミニ飛行機」というひみつ道具で、乗り込むと体が小さくなって操縦席に収まるというもの。
早速ミニ飛行機に乗り込み、空の旅を楽しんでいたドラえもんとのび太はいつもの空き地でジャイアンに飛行機のプラモを取られそうになったスネ夫を助けると、様々なタイプのミニ飛行機を出したドラえもんがスネ夫やしずかにもそれぞれ貸してあげるが、ジャイアンはドラえもんが乗っていたジェット機を横取りしてしまう。
空の旅をそれぞれ楽しんでいたドラえもん達だが、ジャイアンが先程の仕返しに4人の乗った飛行機を襲撃し、ドラえもんも応戦するも全員敢えなく撃沈してしまう。
ドラえもん達への仕返しに満足したジャイアンは東京タワーの頂上で一人満喫するも、ミニ飛行機を落としてしまい、ヘリコプターが出動して一人取り残されたジャイアンの救助に出る事態になるのだった。
ひみつ道具
- ミニ飛行機
一見すると模型飛行機だが、実際に乗って操縦することができる。乗る際には「スモールライト」等で体を小さくする必要はなく、足を操縦席に近づけるだけで体が小さくなり、操縦席に収まる。操縦席から降りれば元の大きさに戻る。
最新鋭のジェット機をはじめ、第二次世界大戦時の零式艦上戦闘機に複葉機など、様々なタイプがあり、航空機関砲らしき武器や射出座席・パラシュートによる脱出機能も搭載されている。
機関砲は他のミニ飛行機を撃墜できるほどの威力があり、ミニ飛行機同士の激しい空中戦を繰り広げることもできる。
水田わさび版アニメ「ぼくらの大空中戦」では、各飛行機に信号弾が備わっていることに加え、横に設置されたボタンを押しながら何かを言うと、その時言った言葉の形をした煙(ひらがなや漢字の変換も可能)を後ろから出す様子が描かれている(原作版にはそのような設定及び描写は存在しない)。
余談
上記のエピソードは大山のぶ代版及び水田版アニメで映像化されている。前者は1979年、後者は2015年に放送された。ここでは原作版及び1979年版と比べて大きくアレンジされた2015年版について記述する。
- 2015年版
サブタイトルが「ぼくらの大空中戦」に変更されている。
原作版及び1979年版では未登場だったはる夫と安雄が登場しており、スネ夫の提案でミニ飛行機による町内一周レースが開催される。
また、冒頭でしずかがアメリア・イアハートの伝記を読んだ影響で飛行機に興味を持ち、のび太が勉強に打ち込むシーンもしずかから借りたアメリアの伝記を読むシーンに変更されている。
のび太としずかがアメリアの愛機「ロッキード ベガ」のミニ飛行機に一緒に乗ってレースに参加し、ジャイアンによる妨害でスネ夫達が次々とリタイアする中、のび太としずかは息の合った連係プレー等でジャイアンの妨害を乗り越え、見事勝利を収めた。