概要
初出は月刊コロコロコミック2009年10月号。単行本19巻収録。
これまでの大長編シリーズでは友情や夢、お金といった子供達の生活上身近なテーマを取り上げてきたが、本作のテーマは命であり、ペットの飼育放棄という重い社会問題を取り上げたシリーズの中でも異色作となっており、原作者曽山一寿も本作を読んで誰かが傷ついたりしないかといった危ない橋を渡ってでも描きたかった作品と公言している。
また、仲間という副テーマも取り上げられている。
本作は絶体絶命時代の最後の大長編となったが、大長編シリーズは邪以降でも紆余曲折をえながら継続している。
本作ではじーさんの飼い猫であるゲベが実質的な主役になっており、ゲベの「友情を大切にする」性格が大いに現れている。
登場人物
本編からの人物
おなじみ主人公。今回はステイルの店を訪れる。
おなじみじーさん家のペット。本作では実質的な主役を務めている。また珍しく(今に始まったことではないが)流暢に会話している。
柴田の救出のため、夜中にステイルの店へ侵入する。
おなじみツッコミ役。
おなじみ泣き虫の侍。
今回はじーさん達とともにステイルの店を訪れる。なお、このキャラの出番はこの大長編で事実上最後となってしまった。
おなじみやられ役。
これまでの大長編シリーズにおいて散々な扱いを受けてきた彼だが、本作ではついに(大長編第2弾のちゃむらいの様に)1コマのみの出番となってしまった。
その理由は曽山氏いわく、「どーせ出ても死ぬから」のこと(考えようによっては本作のテーマがテーマなので、ギャグ描写とは言え毎回のように死ぬ彼を出すのは問題ありだと判断された可能性もある)。
ちなみに、(元・校長が見つけられないというハガキが殺到したかどうかは不明だが)19巻のカバー下の表紙にて元・校長本人がヒントを出している(本編では、元・校長はちゃむらいの時よりかは分かりやすい所に描かれている)。
本作の人物
じーさんの街に新しくできたペットショップの店長。
エプロンとネコ耳カチューシャを付けた大柄な女性。
表向きでは常に笑顔で接客する気前の良い店長だが、しかしその裏で狂暴な化け物をいくつも飼い慣らし、売れ残った犬や猫の殺処分を平然と行なっていた外道。
上記の通り歴代の大長編シリーズの悪役の中でも特にえげつないことをやっており、雑誌掲載時にもシリーズ最凶の悪と称された。
ステイルの店で売れ残った柴犬。
ゲベにより救出されるも、その直後、ステイルに撃たれてしまう(その後、終始動くこともなかったため彼女に殺されてしまったかに思われたが、物語の終盤で生存していることが判明した(ただし、ゲベの夢の中での出来事なので、本当かどうかは不明)。
名付け親はゲベで、理由は柴犬だから。
- デビルキャット
ステイルの化け物コレクションの1体である史上最強のネコ。その正体はゲベの父親。