プロフィール
容姿
カラフルな精神世界では一人だけ白黒逆で、よく目立つ。
黒いタンクトップに白黒の縦縞ステテコパンツ、黒い靴下を履く痩せこけた少年で、ショートヘアの左後頭部から、アホ毛が2本飛び出している。
光のない死んだ魚のような目をしており、表情もどこか無気力気味で生気が感じられない。
人物像
「ホワイトスペース(WHITE SPACE)」に暮らす少年。
他ゲームの先輩主人公達と同様で常に無口な上、虚無的で表情を浮かべているため彼の人物像を推し量ることは困難を極めるが、感情バトルのグラフィックを見るに全くの無感動というわけではない。
ある日、「ホワイトスペース」から外の世界へつながるドアを見つけてからは、仲間達と共に外の世界へと遊びに行き、ある日突然、姿を消してしまったバジルを探す冒険へと赴くことになる。
ホワイトスペース
オモリが閉じこもっていた真っ白い空間。
文字通り一面真っ白で、壁もないので走り続けるとループし、どこかわからない天井からは黒い電球が吊り下がっている。
肌寒い床の上に1枚の毛布を敷き、その上にスケッチブック、ノートパソコン、ティッシュ箱を置いて拠点としている。また、近くにはMEWOという名の黒猫がいる。
拠点から離れたところにいる赤い手は、オモリに気付くと追いかけて来て、捕まると拠点に戻される。
拠点近くには白いドアがあり、そこから三人の友達がいる部屋を通じて外の世界へと行くことが出来る。
能力
RPGの主人公らしく全体的なステータスが均等に整ったバランス型で、どちらかといえば攻撃力寄りの器用貧乏。
また、強い恐怖耐性を持ち、ちょっとやそっとのことでは全く動じない。
しかし、他の仲間達がボールやらバットやら小さい子供が使いそうな遊び道具で戦っているのに対し、彼だけがナイフという正真正銘の凶器をいつもの涼しい顔で平然と振るい、手に入るスキルの数々もどこか陰湿でえげつない、とても主人公らしくないものばかりであり、その白黒な見た目も相まってファンタジーな精神世界でもひときわ異彩を放っている。
他の仲間の感情変化が2段階なのに対し、無感情な表情からの反動なのか、オモリのみ3段階に変化する。最終段階で見せる表情はどれも極端なもので、特に喜びが最高潮に達した時に見せる笑顔はなかなかに壮絶(下のイラストは「さいこ~」状態のオモリ)。
感情の相性が勝負を決する『感情バトル』において自身の感情を大幅に調整できる器用なオールラウンダーと言えよう。
最大の特徴として、オモリが倒されると(他の仲間が健在でも)ゲームオーバーになってしまうが、バトル中必ず1回だけ
「オモリは屈しなかった」
("OMORI did not succumb")
というメッセージが表示され、HP1で攻撃を耐える。
フィールドでは三角コーンや木の根・クモの巣など、ナイフで切れる障害物を切って壊すことが出来る。
主なスキル一覧
- 『悲しいポエム』 消費ジュース(MP):5
悲しいセリフがつづられたポエムを見せて、敵か味方を「しょんぼり」状態にする。
主に相性の良い「にこにこ」状態の敵対策に使用することが多いが、場合によっては自分で書いたポエムを見て自分で悲しむという実に痛ましい使い方もできてしまう。
- 『刺す』 消費ジュース:13
ナイフで敵の急所を突くえげつないクリティカル攻撃。
常に安定してクリティカルヒットを出せる非常に使い勝手のいい技で、特に「しょんぼり」状態の時は攻撃力が2倍上昇し、敵の防御力を無視した特攻をかけられる。
- 『パンスライサー』 消費ジュース:10
スキルで敵を倒せば、パンのアイテムを入手
- 『バカにする』 消費ジュース:20
痛烈に敵を侮辱する、敵が「怒り」状態の場合、攻撃力を大幅に低下させる
- 『切り刻む』 消費ジュース:
ナイフをやたらめったら振り回し、ランダムに敵を3回攻撃する。
- 『ラッキースライサー』 消費ジュース:
誰よりも最初に行動し先制攻撃を加える。
オモリが「にこにこ」状態だと攻撃力が2倍上昇する。
- 『だます』 消費ジュース:20
敵が「にこにこ」状態の場合、「素早さ」を大幅に低下させる。
いい気分になってる時に騙されたのだから仕方ない。
- 『辛い現実』 消費ジュース:10
敵に逃れられない現実を見せつけて(ある意味で)ダメージを与える。
攻撃後、敵もオモリも「しょんぼり」状態になる。つらい。
- 『のけ者にする』 消費ジュース:20
敵をのけ者にしてダメージを与える。
敵が「しょんぼり」状態なら、防御力を大幅に低下させる。泣きっ面に蜂。
- 『じっと見つめる』 消費ジュース:45
冷たい視線でガンを飛ばしてビビらせ、敵の全てのステータスを減少させる。
- 『搾取する』 消費ジュース:30
「喜び(にこにこ)」、「悲しい(しょんぼり)」、「怒り(いらいら)」全ての感情の敵に追加ダメージを与える。
- 『ファイナルストライク』 消費ジュース:50
敵全体にダメージを与える最大攻撃。
オモリの感情の段階が高いほどで攻撃力が上昇し、最大で6倍のダメージを与える。
- 『観察』 消費ジュース:0
鋭い観察眼をもって次のターンに敵が味方の誰をターゲットにするかを予測する。
味方のハート(HP)残量を見計からって使えば戦闘を有利に進められるだろう。
ゲーム序盤
いつも通りドアの向こうから精神世界の外へ出たオモリは、マリとバジルのピクニックに誘われる。
ピクニックでバジルの写真アルバムを見せてもらったオモリは、成り行きでバジルの家に行くことになったが……?
関連イラスト
関連タグ
窓付き / Chara(Undertale):おそらくモチーフであろうナイフ使いの先輩達
その「真実」
#注意
以下、一部のネタバレを含んでおります。閲覧は自己責任でお願いします。
オモリは屈しない。
彼の正体は主人公のサニーが自分の精神世界に作り出した別人格。またドッペルゲンガーとも呼べる存在である。
最愛の姉の死とその「真実」から目を背け、現実から逃避するためにサニーが4年にもおよぶ長い葛藤の末、自分の抱える全ての痛みと苦痛を引き受けてくれるもう一人の自分を欲したために生まれた精神的防衛本能の具現化・苦痛の代行者である。
精神世界では「器」の役割を持ち、主人格であるサニーが眠りにつくのと同時に入れ代わるように目覚め、彼の分身として精神世界を遊ぶことができる。また「夢見人」として、この夢の世界を守る役割を担っている。
逆にサニー夢から現実に目覚める際は自らナイフを腹に突き刺すという痛々しい方法で人格を交代する。
主人格であるサニーを苦痛から守るために生み出されたため基本的にはサニーに従順だったが、「……あと2日」から精神世界が崩壊するにつれ少しずサニーの意志に反する行動をとるようになっており、何故かバジルに対して異様な殺意を抱いているようだが……?
『オモリ』の名前の由来は、ひきこもり(HIKIK"OMORI")から来てると思われるが、作中ではマリが愛用していたピアノのメーカー「OMORI」から来ていてる。
これと同じOMORI製のピアノがオーブリーがよく通っている教会にも置いてあり、オモリは実在のピアノメーカー「ヤマハ」のように『OMORI』の世界ではメジャーなメーカーなのだろう。
終盤では
長い冒険の末、精神世界の果てである「オクブカ井戸(DEEP WELL)」の最深部に辿り着いたオモリは、実はバジルを探す旅は何度も繰り返されてきたという事実を告げられる。そして、真実の隠された空間が夢の世界の裏側にあるが、その入り口は何度も封鎖されては毎度バジルによって見つけられていたことも。
冒険の終盤、真実への道に続くための「鍵」である「ブラックキー」を集め終わったオモリは、禍々しく変わり果てたバジルの家の中にある穴から、精神世界の裏側「ブラックスペース(BLACK SPACE)」へ突入する。
- ブラックスペース(BLACK SPACE)
ホワイトスペースが反転した空間であり、現実世界の主人公(サニー)の恐怖やトラウマが詰め込まれた正しく「悪夢の世界」。
複数にも存在する扉の向こうにある不気味に歪んだ世界には、サニーがひきこもる原因となったマリの死の真相の欠片が散らばっており、時折「知らない人(STRANGER)」という何者かの影が主人公に真実に迫る言葉を語り掛けてくる。また世界にある鍵を入手すると、出現する赤い手から元の場所に戻ることができる。
そんな中、いくつかの扉の先ではブラックスペースに幽閉されていたバジルを発見し、オモリと行動を共にするが、凄惨な死を迎えてはまた別の世界に現れ、無残な死を繰り返す。
扉を何度か抜けると空間の中心に赤い扉が出現し、その扉の先にある最果ての教会にてバジルと対面するが、この時に現実世界のサニーがとった行動でその運命が決まる。
- 真実と向き合う場合(通常ルート)
You're nothing but a liar… and when they see the truth…
(あなたはただのウソつきだ…… そして真実が明らかになった時は……)
They'll hate you as much as you hate yourself.
(あなたが自分を嫌うように、みんなはあなたを嫌うだろう。)
主人公がケルの言葉に応じて家の外に出て、真実と向き合い始めていた場合、オモリは精神世界のバジルに引導を渡し、赤い手の玉座にその身を置く。そして、夢の世界での器という役割を捨て、主人公と対立する。
その後、マリの死の真相を全て思い出し、なおその真実と罪に向き合い乗り越えようとするサニーの前に、ナイフを構えラスボスとして立ちはだかる。
主人公がしてきたことを責め立てる言葉をぶつけながら、「刺す」や「赤い手」などのスキルも使った熾烈な攻撃でサニーを殺しにかかってくる。さらには何度HPを0にしても、通常の戦闘と同様に「オモリは屈しなかった。」と倒すことはできず、それどころかステータスも強化され攻撃が激しくなり、次第にその姿もおぞましいものと化し、背景には白一色から赤い手や歪んだマリの姿、最後には首を吊ったような友人たちの姿も確認できる。それは正しく「サニーの罪悪感やトラウマの象徴」とも言えるだろう。
You should just die.
(死ねばいいのに。)
最終的にはサニーも全てのスキルが封じられた状態での理不尽な攻撃の嵐により、なし崩し的に回避不能のゲームオーバーとなってしまう。
それでも屈することなくすべてを乗り越える覚悟を決めて立ち上がるか、それとも最後の最後でそのまますべてを諦めるか。どちらにしろこの戦いの敗者は消え去り、勝者が主人公の主導権とその先の運命を決める。
- 真実から逃げ続ける場合(ひきこもりルート)
So you've chosen to live that way.
(その生き方を選んだんだね。)
I wonder… Can you really call that living?
(そうか…… それで本当に生きてるって言えるのかな?)
―知らない人(STRANGER)
主人公が外に出ない、つまり現状を何一つ変えることなく真実から逃げ続けた場合、オモリは精神世界のバジルを救い出して共にブラックスペースから脱出する。
赤い手に導かれ上に向かうとマリと友人たちがいる「オトナリベッドルーム」に辿り着き、そこでみんなと一緒に「眠る」ことで精神世界をリセットする。リセットされた「あと一日…」時点の精神世界にはバジルが戻ってくるだけでなく、今まで行けなかった新たなエリアにも行けたり戦えるボスも増えるになり、精神世界の冒険がより楽しめるようになっている。
その一方で現実側のサニーは、真実から逃げ続けたことに業を煮やした知らない人によってオモリの中から引きずり出され、マリの死の真相と自身の罪を強く映し出す赤い空間に囚われ、罪悪感と自己嫌悪に蝕まれ押しつぶされ始める。
そんな彼をオモリは助け出し抱きしめるが、この時すでにサニーは疲弊しきっており、再起不能となったのか消滅してしまった。以降、主人公の肉体を乗っ取ったオモリは現実世界にも顕現され、自身を作ったオリジナルに成り代わることになる(家の鏡を見ると、「あと一日…」の朝の時点で映される姿がオモリになっており、この時すでに乗っ取られていることが確認できる。)