人物
ボサボサの髪に黒いマスクで口元を覆った魔道士。
口が悪く常に人を食ったような態度をとるシニカルな性格で、初登場した王撰騎士団選抜試験編では試合中でも相手の感情を逆撫でするような言動を取ったり、チームメイトへの被害もお構いなしに罠を仕掛けたり、敗れた相手に辛辣な言葉を浴びせるなど問題行動が多く、同チームのアスタやミモザからも度々に注意されていた。
しかし、言い方こそ悪いが言ってること自体は正論であることが多く、特に選抜試験の試合で敗れたチームに対して浴びせた言葉は、キツい言い方ではあるものの相手の敗因や今後に改善するべき点などを的確に指摘したアドバイスのようなものとなっている。
その容姿や普段からの言動で誤解されがちだが、彼の本質は誰よりも本物の魔法騎士たらんとし、内なる正義感を秘めている。
それ故に人々に横暴を働く悪徳魔法騎士を「偽魔法騎士」と呼んで忌み嫌っている。
父親の墓参りには必ず生前好きだった花を墓前に手向けている。
来歴
下民の出身で、父ザラも遅咲きながら下民では初めての魔法騎士団員として紫苑の鯱に在籍していた。身分に関係なく熱心に騎士としての勤めを果たそうとする父を尊敬していたが、貴族の同僚たちに疎まれ謀殺されてしまい、それ以来権力を悪用して横暴に振舞う魔法騎士を嫌うようになった。
現在の格好は父がくれた人形を模したものであり、父の夢の象徴とも言えるその姿で父と彼が憧れた魔法騎士の名誉を守るために、上述した民衆を苦しめる悪徳魔法騎士を見つけ出して退治するというダークヒーローまがいの活動をしていたが、実はこれは魔法帝ユリウスも公認していたことで、いわば魔法騎士団内部の腐敗分子を刈り取る憲兵や内偵のような役割を担っていた。
そんな時、彼のその振る舞いを面白がったヤミ・スケヒロに黒の暴牛のローブを押し付けられ強制的に入団させられる。
しかし、当初は不信感からローブを纏うことを拒否し、本部にも顔を出そうとしなかった。
その後、王撰騎士団選抜試験開始前に紫苑の鯱副団長のザクス・リューグナーを襲撃して重傷を負わせ、魔法騎士団のローブを奪うことでザクスに成り代わり王撰騎士団選抜試験に参加。(ザクスは主に国境地帯に駐屯していたため、同じ団の魔法騎士でも顔を知らない者が多く、魔法帝ユリウス以外には特に気づかれなかった)。
アスタ、ミモザとチームを組むが、初戦はアスタを罠に掛けて囮に使うなどスタンドプレイで進めて勝利を収める。
だが、それを不服に思ったアスタは第2戦の開幕直後にブラックアスタへ変身し、「ブラックハリケーン」で彼が周囲に仕掛けていた罠魔法を纏めて吹き飛ばしてしまった。
これにより半ば強制的に2人と協力して戦うことになる。
選抜試験終了後、偽物であることが他の騎士団員たちに発覚し行方をくらますが、アスタと共闘したのを機に、父が憧れた『真の魔法騎士』を目指して、王撰騎士団結成の日に改めて黒の暴牛の団員として皆の前に姿を現す。
魔法
魔法属性は『灰』。灰を使って魔方陣を描き一定の条件下で発動させる罠(トラップ)魔法を得意としている。
罠魔法は地面だけでなく空中に仕掛けることも可能。
さらに奥の手として自身の体にも魔方陣を刻みこんでいる。
罠は、「相手を麻痺させる灰」「落とし穴」「カウンター魔法」の3種類がある。
カウンター魔法
彼の切り札といえる魔法。発動時に周囲の魔法を吸収し、速度・威力を倍にして跳ね返す。
ただし、跳ね返すには魔方陣に対象の魔法以上の魔力を込めている必要がある。
普段の挑発的な態度も、相手に強力な魔法を使わせるための作戦である。