概要
九つの騎士団から編成された魔法騎士団のうちの一つ。シンボルは牛。シンボルカラーは黒。
武功よりも被害額が上回るならず者たちの集まった魔法騎士団。まともな団ではないと周りからは敬遠されていて、魔法騎士団の中で最低最悪の団と呼ばれている。
実際のところはヤミがスカウトしてきた面々ばかりであり(裏口入団とも言う)、元囚人、落ちこぼれ、武者修行中にたまたま出会ったら着いてきた、試験は受けても実力はあるが性格に難があり敬遠されたなど一癖も二癖もあるメンバーばかり。今の魔法帝で無ければ割と存続が危うすぎる団ではある。
……そもそも、ヤミ自身が魔法帝にスカウトされたようなものではあるが。
逆に他の騎士団は平民出や王都出身者が多く教養・魔法力が高い反面、常識や家柄等のしがらみも多いところ、黒の暴牛はそういった物を全く気にしないために自由に動ける場面がある。
ただ気にしなさ過ぎて団員の殆どがランク上げサボって下級魔導士だったりで評価が低く、そこで足を引っ張られるところもある。
(但し、ロイヤルナイツ選抜試験でアスタ・マグナ・ラック・フィンラルが参加して彼らの戦いぶりを見ていた魔法騎士達は、良い意味で下級魔導士で収まらない戦闘能力の高さを再評価していた。)
まあ、元は王族や貴族の出身者がいたり、特殊ながらも強力な魔法を使える者が何人もいたり、極めつけは「魔法を無力化する」者もいるのは紛れもない事実である。
作中当初はマイナスに相当する「黒星」が30個あるなど問題が多かったが、アスタ入団以降、数々のダンジョン攻略、敵国ダイヤモンド王国やテロ組織白夜の魔眼との戦闘で実績を重ねていった。
黒の暴牛設立の経緯はアニメ86話で描かれた。
ヤミとヴァンジャンスが魔法盗賊団を退治した後、魔法帝ユリウスから新たな団の設立及びその団の団長になる事を持ちかけられた。
2人は団の大まかな構想を語った。以下のようにやり方は全く異なるものの、魔法帝ユリウスへの恩義に基づいたものである。
- ヤミ「はぐれ者や暴れん坊を集めて居場所を作ってやりたい。色んな奴が混ざってそれぞれの色で濁って全員の色が1つになって・・・黒! 黒色の暴れ牛だな。」(この時出てきた団員像はアスタ達のシルエット)
- ヴァンジャンス「文字通りこの世界に、金色に輝く夜明けをもたらす。暗黒のような夜といえども、陽の光は差し、いつか必ず明けると証明して見せます。」
つまり最低最悪の騎士団は最強の騎士団と同時に設立されたということになる。
そして本編313話でも設立秘話が語られた。
異国で闇魔法に目覚めたことにより蔑ろにされていたヤミに声をかけたユリウス
そこから出会いが広がり、モルゲンとナハト、将来の団長たち、
モルゲンに「騎士団長に向いている」と言われ、その時は軽くあしらった。
そして唐突に訪れる別れ。
ヤミは決意する。いつか自分の団を作ると。
真っ当な者や優秀な者は他の団が面倒を見る。
運に選ばれなかった奴、縛られた奴、迷っちまった奴、罪を背負っちまった奴、
持っている力を振るえないのがもったいない奴、そんなバカ共をまとめられるように
ヤミももっと強くなると。
そして彼は、沢山の者と出会い仲間にしていった。
構成団員
CV:諏訪部順一
団長。『闇』魔法を使う魔法剣士。粗野で横暴なところもあるが、団員から信頼は非常に厚い。
CV:下野紘
副団長。『影』魔法の使い手で悪魔憑きでもある。スペード王国でスパイ活動をしており、クローバー王国に帰還後はアスタに悪魔の力を引き出す修行をつける。
CV:福山潤
『空間』魔法が得意な貴族家系に産まれたが、攻撃では無く支援魔法しか覚えられず実家から追放された。
女好きで事あるごとにナンパに行う。アッシー君(移動係)に使われやすい。
CV:松田健一郎
呪詛魔道士の名門出身で『毒』魔法の使い手。不気味な外見と小声が相まって恐ろしく見えるが、実際は寂しがり屋で仲良くしたいと思っている。
CV:室元気
アスタと同じく下民出身の団員。見た目通りのヤンキーだが、後輩の面倒見はいい。
野球をモチーフとした『炎』属性の魔法を使う。
CV:水樹奈々
露出度の高い衣装を着ている酒乱魔女。普段は飄々としているが、人一倍仲間を気遣っている。『糸』属性の魔法で味方をサポートする。
CV:村瀬歩
属性は『雷』。優れた戦闘能力と魔力探知能力を持っているが、破錠した性格の持ち主で、強敵との戦いを求めている。しかし、アスタやノエルと共に戦ったことで協調性が芽生えた。
CV:日野聡
元囚人で、重度のシスコン。膨大な魔力を持ち、『鏡』という変わった属性を持つ。妹以外誰も信用していなかったが、アスタとの共闘を経て変化する。
CV:安野希世乃
いつも何かを食べている食いしん坊。料理は他人にも振る舞うが、残したり横取りするのは許さない。属性は『綿』で、ファンシーな見た目に反して非常にパワフル。
- グレイ(本名不詳)
正体は可愛い女の子なのだが、極度の恥ずかしがりやで、普段は変身魔法により別人の姿になっている。『変身』魔法は無機物にまで使用可能という特異性を持つ。
CV:梶原岳人
主人公。魔力を全く持たないが、そのため『反魔法』の剣を振るえるジョーカー的存在。口やかましい熱血漢で、鍛え抜かれた肉体と諦めない精神で強力な魔道士たちとわたりあっていく。
CV:優木かな
王族の一つであるシルヴァ家の末妹。尊大な態度を取っているが、実際は典型的なツンデレ。魔法属性は『水』で、強力な魔力を持つがコントロールが殆ど出来ない。
CV:緑川光
権力を笠に着て横暴に振舞う魔法騎士団員を襲撃していた男。ひねくれ者で口も悪い。団には寄り付かなかったが、王撰騎士団(ロイヤルナイツ)選抜試験を経て団員として名乗りを上げる。
『灰』属性の罠(トラップ)魔法を駆使したトリッキーな戦法を得意とする。
CV:斎賀みつき
団内で「アジトに出没する幽霊」だと噂されている男。正体はアジトの元持ち主であり、他人の魔力を奪ってしまう奇病(呪い)に侵されている。長音の多いノンビリとした喋り方をする(モノローグでは普通の喋り)。『組換』魔法によってアジトをロボットの如く操る。
本作のマスコット的存在。アスタに付いてきたアンチ鳥(魔力が無い人間にたかりやすい習性を持つ特殊な鳥)。命名はラック。そしてその正体は……。