「気安く話しかけないで、魔力の乏しい下民の小虫が」
「わ、私は王族よ!?別にアスタの事なんて…!」
「こんな私を認めてくれた…任せてくれた…、私は…みんなの…役に立ちたい!!!」
プロフィール
概要
魔法騎士団・黒の暴牛の新人で、主人公・アスタの同期。銀髪ツインテールが特徴の少女でクローバー王国の王族の一角であるシルヴァ家の出身。
ハート王国の半年に渡る修行後は、髪留めの色と形が変わっており、ローブの下に着用している服も新調されたデザインになっている。
人物
当初は王族であるシルヴァ家の末妹故に、同期のアスタを小虫と呼んで見下したり、先輩のマグナや他のメンバーに尊大に振る舞うなど傲岸不遜な態度が目立った。
しかし、これは魔力の制御ができず王族でありながら落ちこぼれの烙印を押され、家族や親戚から蔑まれ兄姉から虐げられてきた故に(次兄であるソリドに至っては特に酷い仕打ちをノエルにしており、中には子供のいたずらで済ませられないような所業をやらかした事もある。)、周りから馬鹿にされないよう振る舞っている強がりである。
本来の彼女はかなり寂しがり屋で、上述した理由から幼馴染みのミモザ以外に友人と言える友人もおらず、そのため自分を認め受け入れてくれたアスタや黒の暴牛の仲間たち、海底神殿編で友人となったカホノらは彼女にとって第2の家族と言えるほど大切な存在であり、戦いの中で彼らや彼らとの思い出に幾度となく助けられ、大きく成長していくこととなる。
また、カホノ曰く上述した魔力の制御が上手くできないのは、彼女が人を傷つけることを嫌がり無意識に狙いを外していたからであり、本当は人一倍心の優しい少女であることが窺える。事実、海底神殿への移動に使われた「海流の揺り籠」を強魔地帯で見事にコントロールしている事からも、この時点で魔力のコントロールが出来ているのは客観的に見て明らかである。
王族であることを強調するのも表面だけで、星果祭では母親とはぐれた下民の女の子を身分に括らず親身になって助けるなど、王族・貴族にありがちな差別意識による偏見は薄く、本来はそれほどこだわりがあるわけではないようである。この時に貴族が多くいる中でも、王族だからこそ、力が強い者こそ、誰にも手を差し伸べるべき。自分より弱い人を蔑むのは、心が貧しい者のする事であると言い切り、ギャラリー達を感動させた。彼女もまた、兄・ノゼルと同じく上流階級ながらも正しい価値観と考えを持った人物であるのは見て取れる。
だがずっと強がってきたせいか、団の仲間たちに認められた後もツンケンした意地っ張りな態度は抜けず、内心では何かある度に一喜一憂しているが表面的にはクールに振る舞おうとして素直になれず、テンプレ通りなツンデレの反応をする。
フィンラルに合コンへ連れられたアスタを追ってウエイトレスに扮した時に皿を割っていたことや、レベッカへのリアクションから、現状での女子力は低い様子。
大雑把な所もあるが、トレーニングは真面目にしていたりと努力家な面もある。
黒の暴牛の中では、食事は最も綺麗である。そりゃ、王族であるから。
また、常に持っているお小遣いも相当多い。そりゃ、王族であるから。
来歴
入団後の初任務でソッシ村を襲撃する一団と戦闘した際、村人を護るための覚悟を決めたことで魔導書のページに新たな魔法が刻まれた。結果としてその場に留めておく魔法だけは魔力のコントロールが可能になった。
海底神殿の海流を越えるためカホノのアドバイスと仲間の応援で魔法を移動させるだけの魔力コントロールを身につける。それでも攻撃魔法は当てられなかったが、カホノから人を傷付けたくない理由で無意識に外していることを指摘される。カホノの励ましによって、ヴェット戦で初めて攻撃系の魔法を当てることができ、苦手な魔力のコントロールを乗り越えた。
王撰騎士団選出試験ではユノ・エンとチームを組む。一回戦で次兄・ソリドに打ち勝ち、そのまま優勝した。
白夜の魔眼アジト襲撃時にはルフルをはじめとした転生エルフに防戦一方となり、キルシュらと共に戦線を離脱。その後、クローバー王国に戻った際にはシルヴァ邸に侵入したギヴンに対しノゼルと共にバトルし、その中で数々の奇策や「海神戦乙女の羽衣鎧」を発現させて勝利し、直後に現れたエルフの大群もノゼル、ゾラと共に退けていた。
影の王宮侵入時にはエルフのファナと真っ先に遭遇し戦闘開始。魔力量の差で徐々に苦戦を強いられることになるが、最中でジャックが乱入し戦況は一変、戦いが繰り広げられる中でザグレドによる浸食攻撃が及び始めたため、全ての魔導士、エルフと共に影の王宮から脱出した。
エルフ事件後、アスタの断罪を阻止すべく黒の暴牛団員らと共に裁判所に乱入した。また、悪魔と呪いの調査のためにノゼルの紹介で珊瑚の孔雀団長「ドロシー・アンズワース」の下を訪れ、幻惑の界内で悪魔「メギキュラ」の存在と、この悪魔の呪いと自身の母親の関係を知る。その後、悪魔が巣食うとされるハート王国へ、アスタ・ミモザ・フィンラルと共に向かうが、ガジャと交戦することとなる。王女ロロペチカから事情を聞くと、打倒悪魔のためアスタらと共にハート王国で半年間の修行を積み、その間にロロペチカと交友を深める。
ロロペチカを殺すためにやってきた親の仇でもあるヴァニカと交戦し、ロロペチカの協力もあり、ヴァニカに全力を出させることに成功する。しかし、ネロの魔法が無効化されたことで、悪魔の力を封印するという作戦を失敗してしまい吹き飛ばされる。それでも友であるロロペチカのために単身ヴァニカに挑み、敗れるも彼女にダメージを与えたことからヴァニカに認められ、ロロペチカをその場では殺さずにノエルと再戦するための人質として連れていかれる。それと同時にヴァニカの配下である悪魔憑き魔導士たちにかけられた呪いが爆弾として発動、巻き込まれる中で他の団員らと共に辛うじて防御し生存。その後はパトリたちによりエルフの里へ運ばれ、ハート王国に居合わせたクローバー王国の魔導士やガジャと共にエルフの究極魔法の下でさらに強くなるため修業し、スペード王国にて戦線復帰。ガシャと共にヴァニカの元へ向かい、ロロペチカのような優しい人々を傷つけて笑う彼女に激怒し、聖域の力で彼女を圧倒する。しかし、追い詰めたところでメギキュラが不完全ながらも復活したことで逆に追い詰められる。それでも諦めずに立ち向かい、ロロペチカ諸共殺されそうになるも駆けつけたアスタによって救われる。アスタの声援を受けると同時に彼への恋心を自覚し、残りの力を振り絞ってメギキュラに突撃する。仲間たちや駆けつけたノゼルの協力によってメギキュラを倒すことに成功する。
アスタの受勲式にも同席したが、恋心を自覚してからはアスタに上手く話しかけられず、さらにはシスターにプロポーズする現場を目撃して激しく動揺していた。アスタがルシウスによって重傷を負うとミモザと共に助けようとするがルシウスの力で変化したシスターに防がれてしまい、目の前でアスタが倒されてしまう。
魔法
魔法属性は『水』。王族出身ゆえ魔力は凄まじく高い(潜在的には現魔法帝・ユリウスと同等)のだが、コントロールが大の苦手であったため、家族から無下に扱われていた過去がある。
長年のトレーニングや闇市で購入した魔道具の補助のおかげでコントロールはある程度改善されており、白夜の魔眼との戦いの中で新魔法も習得していく。
さらにメレオレオナの特訓に参加させられた事で自身の体に流れる魔力を操る技術「マナスキン」を習得したため、魔力制御も向上している。
転生エルフとの戦いではエルフ特有の高魔力の影響で交戦中の魔法騎士団の殆どが魔力のコントロールを乱され劣勢を強いられる中、ノエルはそれを逆利用してわざと魔力を暴走させて大量の水を溢れさせ、転生エルフを溺れさせた。それを見た兄ノゼルは「王族らしくない戦い方」と言いつつも黒の暴牛で培った戦い方を認めた。
その後更なる窮地に陥るが、自分自身に魔力を密着させる事で、水創成魔法「海神戦乙女の羽衣鎧(ヴァルキリードレス)」を編み出した。
初披露時にモノローグで魔法の発現に必要な3つの要素について語られ、ノエルは「先天的に強大な魔力と天性の才覚」を持っていたが、残り2つを黒の暴牛で「たゆまぬ研鑽」を重ね、「幾重もの死線をくぐり抜けた」事で全て満たした。
魔力に恵まれた王族出身でありながらも、それに奢ることなく叩き上げで得た新たな力。その姿は母アシエとほぼ瓜二つであった。
使用魔法
- 海竜の水鞠(かいりゅうのみずまり)
水の塊を前方に飛ばす。彼女の基本攻撃魔法。
- 海竜の巣(かいりゅうのす)
水のバリアをドーム状に展開して攻撃を防ぐ。ソッシ村の村人全員を覆うほどの巨大さと、放たれた氷弾全てを防ぐほどの防御力を併せ持つ。
- 海竜の揺り篭(かいりゅうのゆりかご)
水のバリアを球状に展開し、水中などを動く。ハート王国の半年に渡る修行を終えた後は、海神戦乙女の羽衣鎧(ヴァルキリードレス)との併用が可能となっている。
- 海竜の咆哮(かいりゅうのほうこう)
巨大な水の龍を創り出して攻撃する。
白夜の魔眼幹部・ヴェットの攻撃と右腕を潰しながらダメージを与え、余波で岩壁を貫通するほどの威力を発揮したが、同時に魔力を使い切ってしまうという燃費の悪さが難点だった。
だが、マナスキンの習得で威力を抑えて数回に分けて撃てるようになり、派生版に相手とほぼ密着に近い状態で放つ『零距離 海竜の咆哮』もある。
- 海神戦乙女の羽衣鎧(ヴァルキリードレス)
水で作られた槍と鎧を身に纏う。空間を泳ぐように飛行することが可能。
この状態で水の攻撃魔法との併用が可能。
また、ハート王国での修行中に水の鎧を軽量化し、水中で高い機動力とスピードを発揮するマーメイドスタイルにも変化出来るようになった。
この魔法を習得して以降、接近戦・白兵戦に困らなくなり性に合ってるのか、戦闘において使わない場面があまりないほど頻繁に使用している。
精霊同化(スピリットダイブ)
魔道士と精霊が一体化することで、その力を宿主の魔力に付与し最大限に発揮することができる、高いセンスと気が遠くなるほどの努力を重ねて辿り着ける精霊魔法の極致。
- 聖域・海神戦乙女の羽衣鎧(セントヴァルキリードレス)
ウンディーネと精霊同化し冥域と同様に悪魔を倒すことができる聖域へと到達した形態。
人間関係
黒の暴牛の仲間たちとは、入団時こそ意地っ張りな性格故にひと悶着あったが、その後は落ちこぼれな自分を受け入れてくれた団員たちと苦楽を共にして死地を乗り越えていく内に彼らを大切な家族として見るようになった。
特に最初に自分の力を認めてくれたアスタは彼女にとって特別な存在であり、普段は上記のような台詞を口にしては気の無いように振る舞おうとするが、実際には完全に惚れている様子。
自覚があるのか無意識なのか、日頃から彼の気を引こうと彼女なりに色々と試行錯誤しており、海底神殿編において彼に見せようと水着を新調してきたり、任務完了後の宴会では戦いで重傷を負ったアスタに「あーん」してあげようとしたりと果敢にアタックしている。
アスタとの関係について周りから指摘されると、普段のクールな振る舞いから一転、目を丸くして顔を真っ赤に紅潮させムキになって関係を否定するが、呂律が回らず口がカミカミになるなどメッキがボロボロに剥がれて軽くパニック状態になってしまう。
上述したように魔力のコントロールが下手な事から、家族や親族からは冷遇され兄ソリドや姉ネブラにはをバカにされており、コンプレックスを抱えている。
しかし、そこで腐らないのも彼女の特徴で、これについてはフエゴレオン・ヴァーミリオンからも叱咤激励を受けている。
金色の夜明けのミモザ・ヴァーミリオンは従姉妹で、ノエルにとって親族では唯一の友人であり、努力家な事で尊敬されているが当の本人はその事に気付いていない模様。
ノエルとヴァーミリオン、どっかで聞いたような気もするががまあいい。
紅蓮の獅子王のレオポルド・ヴァーミリオンとも親戚関係であり、彼の暑苦しい所に少々呆れ気味であるが、仲は悪くなく少なくとも彼から蔑まされたような描写は無かった。
銀翼の大鷲の団長である兄ノゼルからは、予てより一族の恥さらしだと辛く当たられていたが、それは慕っていた母アシエに瓜二つな彼女を戦いで失うことを恐れ、魔法騎士にさせたくなかったためである。実際アシエから稽古を付けられ、彼女を慕っているメレオレオナからも「生き写し」と評されるほどに似ているとの事。
しかし、エルフの襲撃の際には強くなった彼女と王宮を守り、その際に今までの事を謝罪された。それも申し訳なさそうに照れながらの表情で。ファンには必見の場面である。
アニメ版152話において、自身が魔法騎士団に入団して1年が経ち、初心に帰ると言う名目で魔法騎士団入団試験の会場にアスタ達と赴き、この際にノゼルと出くわす。ノゼルが何故自分を魔法騎士にしたくなかったのかの真意に気づいた。そして、黒の暴牛に入団した事もノエルにとっては成長できたきっかけとなった事もあって、今では感謝している事をノゼルに伝えた。
それを見たノゼルもまた、ノエルの成長を心から認めた。
人気
登場してからも人気は常にTOP10入りはしてきたノエルも、2020年の第4回人気投票では3位を獲得し、2021年の第5回では初めて行われた人気投票から第4回まで1位だったアスタを抑えて、80,150票というそれまでで最も高い票を得て、遂に1位を獲得した。
2022年の第6回でも、再びアスタを抑え1位に輝き二年連続1位となる。
関連イラスト
関連動画
曖昧さ回避
RPG『ジルオール』の登場人物はノエル・シルヴァ(ジルオール)へ。
関連タグ
アスタ(ブラッククローバー) ヤミ・スケヒロ フィンラル・ルーラケイス
バネッサ・エノテーカ マグナ・スウィング ゴードン・アグリッパ
ラック・ボルティア チャーミー・パピットソン グレイ(ブラッククローバー)
共通点のあるキャラクター
- サンジ(ONEPIECE)…同じく王族でありながら父・兄弟たち(一人を除く)からひどい仕打ちを受けた悲劇のキャラクター。また、母親を亡くしている所も一緒。ただ、ノエルが和解したのに対して、彼は後に実の家族とは完全に絶縁した。それ故に兄弟の一人から救ってくれた餞別として与えた一族由来の力を使う事を拒んだものの紆余曲折あって使用している。もしサンジがノエルと出会い、ある程度信頼関係を掴んで彼女が自分と同じく王族でありながら家族に差別されてたのを知ったら、いくら女好きとは言え、間違いなく怒りMAXとなり、『銀翼の大鷲』に殴り掛かるだろう。
- 努力マン(とっても!ラッキーマン)…伝説の戦士の末子として生まれる、その人物の戦死が原因で兄によって戦いから遠ざけられ、逆にそれをキッカケに目覚ましい成長を遂げた共通点を持つ。
- 日向ヒナタ(NARUTO)…木ノ葉の名門日向一族宗家の長女であり、大人しくて優しい性格だが、その性格が元で彼女も家族だけでなく一族からも期待されておおらず、また自分が雲隠れの里の忍頭に誘拐されて、父が知らずに殺めた事がきっかけで影武者として従兄の父が代わりに犠牲になったことがきっかけで恨まれてた(後に和解する)。そして彼女も主人公との出会いで自分の忍としての道を掴むなど、一見ノエルに程遠い存在だが、共通する部分が意外にも多い。
- 桐崎千棘(ニセコイ)…同じメインヒロインのツンデレキャラであり、「ビーハイブ」と言うギャングボスの一人娘。ある事がきっかけでヤクザの息子である主人公との偽りの関係を持つが、次第に彼に対して本当に恋路を抱くようになっていくも素直に鳴れずにすぐに暴力を振るう暴走をする事が多い。恋のライバルが多いが、最終的に本編の十年後には見事に彼と結ばれてゴールインした。
- 栗花落カナヲ(鬼滅の刃)…同世代のジャンプ漫画におけるヒロインの一人。性格はおっとりしていて生い立ちは貧しく一見ノエルとは正反対だが、彼女と同様に実の家族から酷く虐げられ、心に深い傷を負って人格が歪んでしまった(ノエルより重態)。しかし主人公との出会いをきっかけに失った感情を徐々に取り戻していき、最終的には彼と結ばれている。
- 龍咲海(魔法騎士レイアース)…伝説の魔法騎士(マジックナイト)の1人。お嬢様御用達の学校に通っていてフェンシングを学んでいる事で、レイピアを使う。属性は水であり、変身して青い軽量の鎧を身に着けたり、水の魔力で生み出す龍の攻撃など共通点は多いのだが、ノエルと違って甘いものが苦手で氷の魔法も使えたり好きな人がいない。(しかしアニメではクレフとの関係が大きく出ている。)
- 鬼崎きらら(対魔忍RPG)…彼女と同様にテンプレ通りのツンデレな性格で、母親に関することで特殊な生い立ち故に周りから白い目で見られてきた。男嫌いなために当初は主人公を露骨に軽蔑していたが、自分のミスで窮地に陥った際に体を張って彼に助けられたのを機に、今までの態度を反省し心を開き、以降彼に好意を抱くようになった点も似ている。