概要
ゲーム実況者・VTuberであるクーさんが主催するMinecraftのイベント。
2011年の第一回を皮切りに、2014年の第二回から現在まで年に一回開催されている、名前の通りマイクラを使って作成した肝試しマップを招待したプレーヤーに楽しんでもらうというイベント。
ただし、そのクオリティーは並大抵のものではなく、使用する肝試しマップは毎年新規作成であるうえ、制作には複数の運営・制作スタッフが数か月従事する大規模なものである。
その一方で、マップ自体はMOD非導入で、一見MOD由来に見えるアイテムやギミックも実はテクスチャの変更やコマンドで対応したものという凝った仕様になっている。
また、肝試し本編マップのみならず、待機専用のロビーマップ「前川郷」も別個で存在し、その規模はある参加者をして「足りないじゃん!3日じゃ」と驚愕させるほどのもの。さらに前川郷には「前川七不思議」をはじめとする数々の怪異現象や、本編に関わる文献などがマップ全体に散らばっているほか、釣り大会やミニミニ肝試しなどのミニゲームも充実、加えて様々な食べ物やアイテムを取り扱う屋台を数多く揃えているなど、ロビーマップだけでも何時間でも遊べるボリュームとなっている。
また、本編・ロビーともにマイクラ自体のアップデートに伴って新たな要素を取り入れることに余念がなく、特に前川郷では毎年のように建物の建て替えや新規文献の設置、新しいギミックの設置が行われるなど、年々進化している。
これほど壮大なマップであるが、実況者・配信者向けの完全招待制のイベントであるため、基本的に一般の者は立ち入れず、招待された面々ですら入れるのは一年のうち開催期間のわずか数日のみ、視聴者に至っては肝試し本編終了後に不定期で開かれる "ニコニコチャンネル会員やYouTubeメンバーシップ加入者" のみ対象の内覧会を除き、実際に足を入れる機会は絶無という希少なマップとなっている。
イベント内容
肝試し本編
肝試しマップに挑戦する出走者の視点と、それを後ろからスペクテーター(透明化)で追いかける運営・クーさんの視点でそれぞれ配信する形式。なお、出走者に何らかのトラブルが発生した場合の備えも兼ねて運営と出走者は通話を繋げてこそいるが、運営側は音声ミュートをしているため出演者には運営側の声は届いていない(逆に運営側は出走者側の音声が逐一聞こえる)。
運営視点の配信については、2014年から2017年まではクーさんが30分前後にわけて編集し、1年かけて投稿したものがニコニコ動画とYouTubeにアップされている。なお、2018年以降はYouTubeでの配信のアーカイブ化が主流となっている。
なお、出走者側の配信のネタバレ防止のために、"コメント非表示"を推奨こそしているが、絶対に"禁止"されているわけではない。
視聴者の皆さんにおかれましては、本番中の出走者の配信のコメント欄にネタバレを決して書かないようご協力をお願いします。
前川郷(まえかわごう)
参加者が出走までの時間を過ごせる待機用マップ。
山頂に御社を頂く御山(2014年肝試しマップ)の麓に広がる和風建築を中心とした広大な町で、様々な商店や住居、お屋敷、蔵に加え、遊郭、高級料亭、神社(御山山頂の御社の分社)、寺院「山鶴寺」(旧前川郷では「黒岩寺」)などの大規模建築が所狭しと並ぶ。
参加者が出走までの時間を楽しんでもらうための待機用マップなので、「開催期間目一杯探索されても楽しめるように」をコンセプトに設計されており、それゆえギミック、文献、ミニゲーム、食べ物に至る細部まで手が込んでいる。
以下、実装されている要素をいくつか列挙する。
- 前川七不思議:2014年から実装されている前川郷に伝わる怪奇現象の数々。2016年の前川郷リニューアル後には、文献に書かれた場所に向かうと実際に怪奇現象に遭遇するようにグレードアップした。なお、一度出会った怪異には、神社で御祓(リセット)しない限り2度と出会えない。また、2018年からはさらに一つ怪異が追加された。
- 釣りゲーム:2015年の茶菓街(後述)で実装され、その後前川郷のリニューアルに伴い、前川郷のはずれにある「河童池」に移設された。釣り上げた魚の種類と数で点数を競い合うミニゲームで、毎年最高得点のプレーヤーには称号とプレゼントが与えられる。なお、一定ポイントを稼ぐとここでしか手に入らない「前川胡瓜」が手に入り、レアアイテムと交換できるようになる。
- ミニゲーム群:屋台街にある射的をはじめ、2021年から追加されたワニワニパックンともぐら屋といった様々なミニゲームが存在する。
- 屋台街:御山へと続く参道の近くに開かれた賑やかな屋台街。様々な食べ物を配っているほか、珍しいアイテムなども取り扱っている。屋台は毎年更新が入っており、クーさんの立てているサーバーに所属する有志から出されたデザイン案からコンペを開き、新たな屋台を毎年追加している。
- 前川百景:2021年から実装されたスタンプラリー。全23箇所の名所を巡り、そこのスタンプを集めるという内容。
茶菓街(さかまち)
2015年版肝試しマップに合わせ、前川郷の隣に新たに作成されたロビーマップ。
和風建築が主体かつ門前町や宿場町のような雰囲気のある前川郷に対し、海辺の観光地の雰囲気の漂うおしゃれな街。博物館やカフェ、灯台などのハイカラな建物が見られるほか、出されている食べ物も海のものや海外由来のものが目立つ。
2019年までは自由に出入りができたが、2020年からは一時的に封鎖されてしまっている。
(メタ的には、サーバーの重さやギミックの関係で封鎖せざるを得なかった模様。)
2022年4月現在は、来たるマイクラ肝試し2022に備えリニューアルの真っ最中。7つの外湯を備えた温泉街として一新する予定であることが主催であるクーさんの投稿動画で語られている。
マイクラ肝試しの歴史
マイクラきもだめし(2011年7月18日)
- 記念すべき第1回目のマイクラ肝試し。
- 肝試しマップは様々なホラー要素を散りばめた巨大な迷路を進んでいくというもの。
- 当時は運営視点、出走者視点共にニコニコ生放送での配信が主流だったため、当時の配信内容は残っておらず、2021年現在では当時の様子がわかる動画は僅かである。
- 当時はマイクラ自体にコマンドブロックなどの高度なギミックを施せる下地がなかったため、レッドストーン回路などを中心にしたドッキリギミックになった。
マインクラフト Kimodameshi Project 2014 (2014年7月20日~21日)
- 3年の沈黙を破って帰ってきたマイクラ肝試し。
- テーマは「御山の祟り」。2011年版とはガラリと趣向を変え、なんと何もない一面真っ平らな世界(「フルフラット」)からブロックを一つ一つ積み上げ、木を一本一本生やし、巨大な山を作り上げてしまった。 しかもわずか二か月半で。
- またこの年、ロビーマップ「前川郷」が実装。この頃から様々な文献が設置されていた。
- 当初は「マイクラ18時間ぶっ通し実況」と銘打って、20日朝8時スタート、深夜2時に終了という構想だった…はずなのだが(後述)。
- 招かれたプレイヤーたちは2人1組のペア(片方は戦闘用に剣を持ち、片方は回復薬を持つ)となって山頂にある御社を目指し、不気味な暗闇に包まれた御山を登っていくこととなる。マップ全体は暗闇に覆われ、ともすると相方を見失ってしまうほど視界が悪い。途中、廃校となった小学校や廃屋、廃寺、不思議な鉱石の採掘場跡などのバラエティ豊かな道中を突破することとなる。
- 山頂の御社に到着したプレイヤーたちは有無を言わさず裏世界へと飛ばされることになり、死んだら即終了の「下山コース」に挑むこととなる。この下山コースは大量の敵モブやアスレチックコース、最後にはマイクラの裏ボスであるウィザーが待ち受けるなどの大変難易度の高いコースとなっており、多くの挑戦者が脱落していった。なお、クリア者には報酬として一対の扇子「黒染骨『文月』」「白竹骨『岩清水』」が配られた。
- 出走者全員が前川郷に帰還し、無事閉会式が終わった後「下山コース」リベンジ希望者による「下山コース」再挑戦が開始。多くの挑戦者が無事に突破したり、睡魔や翌日の予定に負けて落ちてゆく中、何度失敗しても諦めない数人が挑戦を繰り返す魔の時間に突入。最終的には運営ゆえサーバーに人がいる限り維持管理に起きていなければならない事情もあって「このままじゃいつまで経っても眠れる気がしない」と危機感を抱いたクーさん本人がまさかの参戦など混迷を極め、最終的には翌朝8時までぶっ続けで放送を続けることとなってしまった。クーさん、本当にお疲れ様でした…。
- なお、このリベンジ枠の裏側では前川郷にあるというとある大盗が遺した伝説のお宝「国宝 黒岩ノ射手の彫像」を巡って、前川郷の探索に情熱を燃やす1人の実況者による長時間の探索配信が行われており、「探索ガチ勢」のパワーワードが誕生した。
- 実はこのイベントの裏では、ニコニコ公式23時間放送やごちうさ一挙放送など強豪相手がひしめいていたのであるが、原因不明の配信のブツ切れ、参加者のskypeの不調、さらには落雷による生放送の中断や撮影データの破損などのアクシデントを乗り越え、大盛況のうちに幕を閉じた。
- 2016年の前川郷全面リニューアル後、2014年版の肝試しマップ(通称「御山マップ」)が下山コースを取り外した状態で開催期間中常時開放されることとなった。基本的には観光ルート扱いだが、麓で受付を済ませると「肝試しモード」として当時に近い雰囲気を楽しむことができる(ただし、回復薬は仕様の変更でなくなり、全員に剣が配られる)
マイクラ 肝試し2015~戦艦島編~ (2015年7月18日~20日)
- テーマは「廃墟と謎の古代遺跡」 。2014年が山ひとつ丸々作ったのに対し、2015年は島を一つ作っちゃった。
- プレーヤーたちは茶菓街にある古の祠から海底の薄暗い坑道や謎の遺跡群、沈没した豪華客船を経て、いまや無人島と化した廃墟の島「戦艦島」に向かう。なお、あまりにもマップの規模が大きくなってしまったため、戦艦島の中心部に向かうまでの前編と戦艦島の廃墟を様々なルートを選択しつつ、戦艦島の端にある謎の古代遺跡へ向かう後編に分けての開催となった。クリア者には「失われた皇冠」が渡された。
- その広大なマップと2014年でのタイトすぎたタイムスケジュールからの反省から、かなり長時間の出走を見越しており、開催期間は3日間と長時間になった。
- 2014年の有終の美を飾った「リベンジ枠」はこの年も健在。ただし、後夜祭の乾杯後だったため、クーさんはワインをたらふく飲んでの参戦(自己申請)となったため、古代遺跡前のアスレチックで足止めされるわ、ご機嫌でボスを倒しにいくわと愉快な姿を見せてくれた。
- そしてこの年、なんとMinecraftの開発元であるMojangに捕捉され、直々に見学を希望された。なお、Mojangは北欧の会社であるため、向こうもこちらも英語が母語なわけではない中での英語を使ってのやりとりとなり苦労したとのこと。
マイクラ 肝試し2016~隠れ里編~ (2016年8月20日~21日)
- テーマは「迷い込んだ隠れ里からの脱出」 。2016年はついにエンドを丸ごと肝試しマップにしてしまった。
- 同年にマイクラのアプデでエンド関係に多くの新要素が加わったため、エンドが舞台となった。プレイヤーたちは前川郷のはずれにある祠を通って迷い込んで隠れ里から現世に生還するため、隠れ里の周囲にある浮遊島にあるお札を求めて困難な旅路に挑むこととなる。
- 舞台となる「隠れ里」は、隠れ里に迷い込んだ人が作ったと思われる集落の跡地と周辺に浮かぶ8つの浮島、その浮島のさらに上空に浮かぶ「まよひが」からなる。なお、8つの浮島にはそれぞれ独自のストーリーが設置されており、どれも1時間以上かかる重量級のボリュームばかりである。プレーヤーはこの8つの島から一つの島を選び、浮島にあるお札を求めることとなる。浮島の大まかなストーリーは以下の通り
壱島
超高層の塔がそびえる第一の浮島。内部にはこれまで迷い込んだ人々の死体と幽霊が徘徊。
塔に迷い込んだプレーヤーは片方が妖に連れていかれ、別々の道を進む。
この塔に囚われている幽霊たちの協力を受け、プレーヤーは塔深層部へと向かう。
弐島
壱島同様巨大な塔がある浮島だが、なんとこっちは島全体の天地が逆転している。
しかもこの島、中に住む魔物の影響で定期的にひっくり返っているらしい。
プレーヤーは魔物討伐のために島の最深部へと向かう。
参島
複雑に橋や水路が入り組んだ第三の浮島。
迷い込んだプレーヤーは、同じく迷い込んだという「すず」と「りん」の双子の少女と遭遇。
長くこの島にいる双子の先導で浮島からの脱出を図るが...?
肆島
島の中心に巨大な御神木を祀る第四の浮島。
この島の御神木に御札が貼られているのだが、先に来た何者かによって半分剥がされたまま。
その結果、浮島は不気味な妖気に満ちており...。
伍島
氷に覆われた第五の浮島。常に極寒の空気に覆われているようで、氷や雪が行手を阻む。
迷い込んだプレーヤーは雪子(せつこ)と呼ばれる少女と出会い、ともに島を旅することに。
この雪子、「この島の主人さまに用がある」とのことだが...?
陸島
崩壊した日本家屋のようなものが建つ第六の浮島。
この島にも大量の亡者が徘徊しており、迷い込んだ人々を取り込もうと待ち構えている。
プレーヤーは亡者の目を掻い潜り、最奥の祠にある御札を手に入れる旅に出る。
漆島
広い回廊と塔のある第七の浮島。現世から建物から隠れ里に転移したお屋敷らしい。
住人ごと転移したらしく、屋敷の当主や使用人の記録がそこかしこに散らばっている。
また、血糊がべっとりついた部屋が多く、プレーヤーは屋敷内での惨劇を追体験する。
捌島
不思議な湖がある第八の浮島。美しく神秘的な白梅が咲いているのが特徴。
プレーヤーは正体不明の生首お化けに追いかけられる。
そしてプレーヤーたちはかつてこの島に迷い込んだ「寅吉と岩助」の二人組の足跡を追う。
- 最終マップでは、新要素エリトラを用いた鳥人間コンテストを行う。クリアしたプレーヤーはマップで配布されたエリトラがそのまま贈呈された。
- 毎年恒例となりつつある「リベンジ枠」ももちろん実施。エンドでの鳥人間コンテストに挑戦する人があとを断たなかった。
マイクラ肝試し2017~地獄めぐり編~ (2017年11月18日~19日)
- テーマは「地獄めぐり」 。エンドやったら、そりゃ次はネザーだよね?。
- 日本では「地獄」と訳されることが多いネザーだが、実はいわゆる「地獄」ではないと公式からも明言されており、日本語公式でも「暗黒界」と訳されていることはあまり知られていないかもしれない。だが、この年のマイクラ肝試しは逆にネザーをいわゆる日本的「地獄」に変えてしまった。
- 例年に違わず、世界観の作り込みはかなりなもので、実際に地獄にある各地獄を文献などで見られる内容そのままに再現した。再現された地獄はルート順に以下の通り。
「黄泉平坂」→「三途の川」と「賽の河原」→「黒縄地獄」or「衆合地獄」
→「等活地獄」→「大焦熱地獄」or「極寒地獄」→「阿鼻地獄」→→閻魔殿
※名前が本編で名前などが明示されたもののみ。「黒縄と衆合」、「大焦熱と極寒」は選択制でどちらか片方のみ選べる。
これ以外にも道中には「叫喚地獄」や「焦熱地獄」の要素も盛り込まれた。なお、大元の八大地獄には「極寒地獄」という地獄は見られないため、なんらかの地獄の翻案と思われる。
- またこの年に実装された「不死のトーテム」改め「お札」が本編に実装され、お札を持っている間のみ生命の危機に瀕しても身代わりになってくれるシステムになった。これにより死亡回数は劇的に少なくなったのだが…。
- 実はこのシステム、最後のボス戦の際に使える武器のグレードを左右する重要な要素となっており、死亡回数が少ない順に「一流クラフター」「普通クラフター」「キッズクラフター」「映す価値なし」の四段階に分けられ、死亡数が少ないほどグレードの高い装備をもらえるようになっていた。しかし、出走する配信者の中には「撮れ高のためなら、命がなんぼのもんじゃい!」という方がそれなりにおり、まさかの「映す価値なし」が連発される事態となった。
- 地獄めぐりを終えたプレーヤーが最後に挑むのは閻魔大王だが、最終決戦は「ラスボスにとどめを刺さない」という珍しいスタイル。そもそも閻魔大王がプレーヤーと戦うのはプレーヤーたちが地獄から帰るにふさわしい人物するか力量を測るためであり、力量があると認められたプレーヤーたちは閻魔大王の手で現世へ送り返された。同時にクリア報酬として「玉藻前乃狐面」が与えられた。
- 一方で閻魔大王戦の間に倒れた場合、力量不足であると看做され現世には霊のみが贈られることとなり、倒れたプレーヤーは額に外すことのできない三角の白布を貼り付けられ、期間中はずっと半透明で過ごさなければならない、特定の場所に立ち入れないというデバフをかけられる羽目になった。
- なお、設定では閻魔大王はこれでも手心を加えて戦ってくれているとのことで、後日フルスペックの閻魔大王(通称「ナイトメアモード」)と戦いたいという有志の枠が設定された。
マイクラ肝試し2018~印洲升村を覆う影~ (2018年12月8日~9日)
- テーマは「海底の恐怖」 。コズミックホラー肝試しその1。マイクラへの海関係のアップデートに伴い、海に関わる肝試しマップとなった。
- 例年よりロールプレー要素が強く、プレーヤーは前川郷の庄屋から音信不通になった隣の「印洲升村」の調査を依頼されるところから本編が始まる。不気味な村を調査したプレーヤーは、村の沖合に浮上したという巨大なものを調査しに来たある大学の調査に同行することになる。
- ラスボスを倒すと前川郷に生還し、庄屋から調査の報酬として珍しい帽子を贈られる。この帽子はこの年に追加された8つ目の前川七不思議に到達するために不可欠なアイテムである。
- コズミックホラー系のマップを導入したせいか、前川郷にも狂気の魔の手が伸びている描写が見られ、ログインしてすぐ意味のわからない囁き声が聞こえる、狂気に侵された人々の手による文献が追加される、ついには秘密教団の神殿がどこかにできるなど色々とキナ臭い追加要素が見られた。前川郷の明日はどっちだ。
- この年からYouTubeでの生放送と放送内容のアーカイブ化が本格化。また、VTuberとして活躍している配信者が参加するなど、徐々にYouTubeの方へと活躍の場を広げていく年となった。
- 毎年恒例のリベンジ枠ももちろん開催。本編より強化されたラスボスを相手取る「ハードモード」を実装し、多くの参加者が悲鳴を上げつつ楽しんだ。
マイクラ肝試し2019~弾雨壱村の怪異~ (2019年9月21日~22日)
- テーマは「迷い込んだ異世界の怪異」 。コズミックホラー肝試しその2。
- プレーヤーたちは前川郷の庄屋から平穏の戻った印洲升村(2018年版の肝試し本編)へ再び調査に向かうよう依頼されるが、その向かう途中トンネルの崩落に巻き込まれてしまう。迷い込んだ先の村で聞いた情報から、プレーヤーは村の外れにある不気味な廃屋敷に足を踏み入れることとなる。
- コズミックホラー系のマップであるが、それとは別の敵キャラクターとして「トラッパー」という殺人鬼じみた謎の人物?が登場。廃屋敷内を徘徊し、プレーヤーたちを見つけ次第襲ってくる。このキャラクターは、本編終了後の「マイクラDbD」(後述)にも登場した。
- なお、この年の本編は前川郷側からしてみると、「依頼を出した2人がトンネル崩落に巻き込まれ倒れていたところを救出し、意識が戻るまで看病した」という流れであったため、異例のクリア報酬なしとなった。
- この年はリベンジ枠に代わり、後夜祭後に前川郷全体を使ったおにごっこ「マイクラDbD」を開催。過去のマイクラ肝試しに出走した懐かしい面々が数多く招待され、鬼役「トラッパー」に扮した運営陣と熾烈な戦いを繰り広げた。合計3試合行われ、1回目こそシステムの不具合でお流れになってしまったが、2回目と3回目は大盛況のうちに幕を閉じた。なお、クーさんの粋な計らいで試合終了後は24時間サーバーが開かれたままとなったため、DbDにのみ呼ばれた参加者の面々も新しくなった前川郷を堪能しまくっていた。
マイクラ肝試し2020~裏世界の迷人~ (2020年9月25日~27日)
YouTube Japan公式イベント『YouTube Gaming Week』のプログラムの1つに組み込まれた。
- テーマは「裏世界」 。ついに肝試し本編が別世界(ロビーサーバーとは別の専用サーバー)に作られるようになった。
- この年のキーアイテムは「スマホ」。裏世界に迷い込んだプレーヤーは偶然拾ったスマホにかかってくる謎の相手からの連絡に従い裏世界の様々な場所をめぐることとなる。クリア報酬は「謎のウサギミミ」。
- それまでは2人1組オンリーだったマイクラ肝試しが、この年から2~4人1組での出走できるようになり、出走者の幅が広がった。この仕様変更がなされたのは、前年の開催期間に変則的に4人組で御山マップ(2014年版マップ)に挑んだ配信者たちの様子が思った以上に面白かったことに運営が可能性を見出したため。
- この年の開催が『YouTube Gaming Week』のプログラムの一つに加わったこともあり、今までマイクラ肝試しを知らなかった視聴者層にも一気に広まった。また、縁あって参加することになったJK組、特に関西圏出身同士ということで樋口楓さんがクーさんと意気投合。クーさんが主催する別イベント「マイクラ腕試し」ににじさんじメンバーが参加する「にじさんじ杯」の開催や、さらには2021年のVirtual Weekへのにじさんじメンバーの出演につながる繋がりを得た。
- この年から後夜祭後のリベンジ枠や特別イベントは姿を消し、その代わり後夜祭では例年以上に豪華な花火大会が河童池で行われた。新型コロナウイルスの流行で各地の花火大会が中止されていた背景もあり、参加者にとっては嬉しい催しとなったようだ。
マイクラ肝試し2021~伊佐貫トンネル奇譚~ (2021年9月24日~26日&10月1日〜3日)
YouTube Japan公式イベント『YouTube Gaming Crosszone Vol.5』のプログラムの1つに組み込まれた。
- テーマは「裏世界からの帰還」 。2020年版の肝試しマップには、続きがあった。
- 内容としては、2020年版マップの続編となっている。プレーヤーは2020年版のゴールだった場所から出走し、今度こそ裏世界からの生還を目指すというものになっている。クリア報酬は裏世界から持ち帰ったライト付きヘルメット。
- 20年版の続編である関係上、ストーリーや演出の考察には20年版の体験が推奨されているため、21年版本編が開放されている傍で20年マップも体験できるよう常時開放されていた。
- 開催期間が異例の2週連続となり、9/24~26の三日間は実況者などが中心の『Gaming Week』・10/1~10/3の三日間はバーチャルYouTuberが中心の『Virtual Week』として開催。さらにグループや箱に所属する本編不参加のメンバーが前川郷に入れるようになり、例年以上の賑わいとなった。
- 異例の長期開催となったため、運営枠全編をクーさん1人で実況するのが難しいこともあり、過去にマイクラ肝試しに出走した実況者やVTuberをコメンテーターとして運営枠に呼ぶという試みを行った。なお、コメンテーターの中にはテストプレーヤーとして21年版の肝試し本編を体験済みであるにも関わらず初見同様にビビり散らかしていたベテラン肝試し出走者もいた。
- マイクラ肝試し2021を語るうえで外せないのが、にじさんじ所属の北小路ヒスイさんだろう。『マイクラ腕試しにじさんじ杯』では(当時選手ではなかったため)観戦席から『勝手に解説』配信を行い、その縁もありエキシビションマッチや急遽参加できなくなったメンバーの代走として腕試し本編へのデビューを果たした彼女であるが、実はマイクラ肝試しをずっと追いかけ続けている大ファンの1人であり2014年から欠かさず見ているというヘビーリスナーであることが判明。そのため、出演が決まった際には「憧れで目標だった」と感極まっており、開催前には主催のクーさんとの対談を企画し、クーさんもこれを快諾し1時間以上にわたる対談コラボ配信が行われた。この対談の中でクーさんの「マイクラ肝試しがまだまだVTuberの皆さんの間では知名度が低い」という発言を受け、にじさんじ内のゲーム大会でチームを組んだVtuberたち4名に声をかけ、2014年御山MAPや2020年裏世界MAPを一緒に体験(Virtual Week参加者の中で、出走者でないメンバーを前川郷探索に誘った者は極めて少ない)。彼女自身もコメンテーターを任された二日目以外では前川郷の探索とミニゲームの一位獲得に執念を燃やすなど、まさに「前川郷を味わい尽くした」と言える堪能具合を見せた。最終日の閉会式後、今年の前川郷にいられる時間があと僅かになる中、憧れの末ついに降り立つことのできた前川郷の建物一件一件を丁寧に見回り、名残惜しむ様は視聴者の心に深く刻まれた。
関連動画
- 「探索ガチ勢」伝説の始まり
- 前川郷を名残惜しげに見て回る北小路ヒスイさん(3:04:23~)
- 運営・制作スタッフの紹介動画(2021年版)