概要
UEことヴェイガンに捕まり、生体実験にされた挙句、無理やりモビルスーツに乗せられ、あまつさえ愛するフリットを殺しかねない状況に追い込まれたユリン。そして最後はデシル・ガレットという悪魔によって玩具同然に惨殺されるという余りにも悲劇的な最期を遂げ、フリットのみならず、多くの視聴者たちにトラウマを植え付けた。
「フリット…、生きるのって難しいね。」
Xラウンダーという、戦場では強力な武器となる特殊能力を持つユリンにとっては、ただ静かに平穏に生きる事さえも難しい事だったのかもしれない。この言葉はそんなユリンの悲しみを表していると言える。
でも、これはもっと難しいね
確かにこの戦争の真っただ中の時代で生きるのは本当に難しい。しかし、それ以上に難しいのは「この戦争を終わらせる事」、「自分や相手の罪を許す事」そして、「憎むべき敵と解り合う事」である。
確かにユリンをこのような悲劇に巻き込んだヴェイガン達は許し難いが、彼らもまた腐敗した連邦の悪意に晒された被害者である。
そしてユリンの死によって生を受けた一人の少年は、奇しくもユリンが言った言葉以上の困難な運命を一遍に背負わされることになる。ある時は倒すべきはずの敵にも家族がいるというエゴをぶつけられ、ある時はヴェイガンの民が暮らす火星の過酷さを身をもって目に焼き付けられ、またある時には相手の苦しみを理解し、共に背負うという思いを踏み躙られるかのように一方的にバッシングに晒されるなど、ある意味ユリン以上に過酷である。
そもそもフリットはその少年に対し、デシルがユリンにさせたのと同じ暴挙を犯しており、(しかもキオは、皮肉にもユリンが乗せられたのと同型のモビルスーツに乗ったパイロットに何度も殺されかける)結局はフリットも、ユリンを不幸にした連中と同類である。正直こんな奴に救世主を名乗ってほしくない。
ユリンと同じく戦争の道具にされ、「アスノ家」という名の罪を背負わされ、更には敵味方双方から一方的に憎悪され、それでもフリットを始めとする無神経な大人達に戦いを強要されたこの少年こそ、この時代で生きていくのが難しいと言えるのではないだろうか。
リボン
フリット・アスノとの最期の会話(テレパシー?)において、春から冬へと四季の移ろいゆく森の中で、フリットが髪を下ろした彼女にリボンを結ぶというシーンがある。
このシーンは視聴者に深い印象を残したらしく、メイン画像を含めて髪を下ろした彼女のイラストがpixivにも複数投稿されている。
関連タグ
止まるんじゃねぇぞ…:ガンダムシリーズの最後の言葉繋がり。