ウリ科植物の特徴
日本で栽培されかつ野生するものは全てつる性の一年草で、冬には枯死する。
ウリ科の唯一の木本植物としては、イエメンのソコトラ島に自生する「キュウリの木」と呼ばれるものである。
葉は主に掌状葉と心臓型のものがあり、茎や葉には細かいトゲや毛が生え、肌に触れるとチクチクとした軽い痛みを覚えることがある。
花はいわゆる合弁花で、5枚の花弁がある。大小様々で、カボチャやキュウリのように多くは黄色いが、ユウガオやヒョウタン、カラスウリやハヤトウリは白色である。特にカラスウリは昆虫を引き寄せるため、花弁に白く長い毛が生えている。
ウリ科植物の利用例
カボチャやキュウリ、シロウリやトウガン、ニガウリ、ユウガオ、ハヤトウリは野菜として調理して食用にする。特にユウガオは干瓢に加工される。
スイカやメロン、マクワウリは本来は農林水産省の区分によれば「果実的野菜」ということになるが、現在では果物として生食する。
ヘチマやヒョウタンは日よけや果実を観賞用にするために栽培するが、ヘチマの若い果実は沖縄や鹿児島などで食用にされ、成長した果実は表皮や種子を除いて、発達した繊維をたわしのように利用する。
一方、ヒョウタンは果実が苦いため食用にせず、成熟した果実をお酒もしくは調味料の入れ物や花器、楽器に加工する。
野草であるカラスウリは果実が倩しい朱色をしているため、一見すると美味しそうだが、果実は渋みがあるため食用にはせず、地下の太った塊根を掘り出して製粉し、天瓜粉というベビーパウダーのような塗り薬を作る。近縁種のキカラスウリは熟すと果実に甘みが出るため、生食する他、塊根を掘り出して前者と同じように利用する。また、古くは若い果実を採取して、キュウリのように漬物にして食べていたという。
主なウリ科植物
食用
観賞用
- ヘチマ
- ヒョウタン
- ククミス(様々な模様や形状の果実を観賞用にするキュウリの仲間の植物)
- オモチャカボチャ
- オキナワスズメウリ
- グリーンドラム(多肉植物の一種。コインのような形状の葉を鑑賞する)
- 眠り布袋(塊根を鑑賞用にするコーデックスの一種。肥大した塊根が特徴)
野生
- カラスウリ
- キカラスウリ
- アマチャヅル
- コロシントウリ(スイカに近縁の植物で、ナミブ砂漠に生える。果実はスイカと違って強い苦味があって食用にならないが、果肉を乾燥させ下剤にする)
- アレチウリ
- ミヤマニガウリ
- スズメウリ
ウリ類の植物を使ったことわざ、比喩
- 瓜の蔓に茄子は成らぬ
平凡な親から優秀な子供は生まれないということ。
- 瓜二つ(瓜を二つに割りたるよう)
風貌が非常によく似ていること。
- 冬瓜の花は咲いても百に一つ
数が多くても、実際にはその中のごくわずかしか訳に立たないもの。
- 太る南瓜に針を刺す
折角うまく行っていることを途中で邪魔すること。
- 瓜実顔(うりざねがお)
女性の顔がウリの種のように細長いこと。江戸時代の美人の条件であった。
- 豚にスイカ
高価なものの価値のわからぬ人物に高価なものを与えても無駄だということ。スリランカのことわざ。
- 見かけボウブラ
図体ばかりが大きくて、実際はなんの役にも立たないこと。
福岡県のことわざで、ボウブラはカボチャのこと。