特徴
つる性の一年草草本植物で、熱帯アメリカ原産。
日本への渡来はウリ類の中でも遅く、大正時代前期にアメリカから鹿児島を経由して日本に渡来し、鹿児島県の勇猛な人々を指していう「薩摩隼人」にちなんで名付けられた。
また、果実が多く収穫できることから、センナリウリともいう。
名前に恥じず生育は旺盛で、特に目立った病害虫の報告もなく(これにはハヤトウリの栽培の歴史が浅いことも起縁しているが)、東京都では河川敷などで野生化している事例がある。
栽培法は他のウリ類とは異なり、果実から取り出した種子を蒔くのではなく、果実をそのまま植えることで栽培する。これは、ハヤトウリの種子が成長したあとでも柔らかく、果肉から取り出そうとすると種を傷つけてしまい、発芽能力を失うためである。
傷んだ果実を畑に放り込んでおけば、翌年にはわんさか生い茂って果実が大量に実る……ということは理論上可能である。花のつきはじめの時期が遅く、秋作野菜の栽培のためにかぼちゃやキュウリなど他のウリ類の撤収をぼちぼち始める9月頃にようやく花を咲かせ、10月から11月にかけて果実を収穫する。
霜にあたると途端に溶けたように枯れてしまうため、早めに果実を収穫するとよい。
果実は洋梨型で、カボチャのように縦溝が走る。表面は我が国では白いものと黄緑色のものとがあり、味は表皮の色が違ってもほぼ変わらず、淡白でくせがない。適当な大きさに切って水に晒し、漬物やサラダ、炒めものや煮物にして食用にする。
原産地では果実が黒みがかった緑色をしているものと、全体が細かい棘で覆われているものとがある。