聖遺物(戦姫絶唱シンフォギア)
ぶらっくあーと
概要
シンフォギアの原材となる古の時代の異端技術(ブラックアート)の結晶。
現代の技術では製造不可能で、遺跡から発掘される物は破損が激しい欠片の状態のものが大半を占めており、従来の力を遺した物はほとんど存在しない。しかし、損傷が少なくほぼ完全な姿を保っている「完全聖遺物」と呼ばれるものが僅かに存在する。
その性質はシンフォギアシステムのベースとなった事もあってそれに通じる部分もあり、通常時は力を発揮しない基底状態にあるが、聖遺物の力を引き出す素質を持つ者=適合者による歌によって、「アウフヴァッヘン波形」と呼ばれる固有の波形パターンと共に起動し、励起状態となってその力を解放することが可能となる。その為、適合者を探すべく、二課ではリディアン音楽院などを通じて様々な手段を講じてきた。
完全聖遺物はシンフォギアシステムと異なり、一度起動してしまえば常時その能力を行使する事が出来るという特徴があり、適合者でなくても振るう事が出来るが、起動には相応量のフォニックゲインが必要であり、これを満たすには適合者が長期間の努力を試みる必要がある。
またフォニックゲイン以外の起動方法として、音楽と同様ハーモニクスの中に真理を見出す技術体系たる錬金術を用いて、音楽の「7つの音階」と照応する「7つの惑星の瞬き」を観測することで、惑星間=天のレイラインを巡る膨大な生命エネルギーを抽出・応用する方法がある。
ただしこの方法にはアンティキティラの歯車(後述)を応用し、惑星の運航を正確に観測することが必要となるため、かつてのフィーネも歯車がティキ諸共行方がわからなくなったことでこの方法を断念した末に、フォニックゲイン起動方式に行き着いたという経緯が存在する。
種類
魔剣ダインスレイフ
錬金術師キャロル・マールス・ディーンハイムの管理下にあった聖遺物。「ドヴェルグ=ダインの遺産」とも呼ばれ、その欠片はエルフナインによってタスクフォースS.O.N.G.の手に渡り、強化型シンフォギアのイグナイトモジュールに組み込まれた。
伝承には、ひとたび抜剣すると犠牲者の血を啜るまでは鞘に収まらないとも記される曰くつきの一振りであり、その由来は人間の心の奥に秘めている闇を増幅、かつてガングニールと融合した響と同じ暴走状態を人為的に引き起こす効果を持ち、聖遺物の中でもその危険性は極めて高いと言われている。
アダムとの戦いにより焼き切れてしまい、消滅する。
アンティキティラの歯車
ティキの動力源となっていた聖遺物。ティキもしくはそれに準ずる機能を有する機材に組み込むことで、天体運行観測に特化した機能を発揮、「天のレイライン」を応用した生命エネルギー抽出を行うことができる。
400年前のフィーネとパヴァリア光明結社による争奪戦の果てに、ティキもろとも行方不明になったが、現代において博物館の展示品として日本に持ち込まれていた。だが行方を突き止めたサンジェルマンが「アレキサンドリア号事件」の混乱に乗じて回収、別個で回収したティキに組み込み直した。
完全聖遺物
ネフシュタンの鎧
装者 | 雪音クリス →フィーネ |
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第4号聖遺物。識別コードは「Nehushtan」。
適合者によって起動すると、無限の再生能力を持つスケイルメイルとなり、完全聖遺物であるため単体でその力を行使することが可能。
これを装着することで飛行能力と絶唱にも耐え得るほどの防御性能を発揮し、また両肩部には無数のトゲを備えた突起が武装として搭載されており、この突起を伸長することでムチや剣として扱うことができる。
最大の特性は無限の再生能力であり、多少の損壊はおろか完全に粉砕された状態であろうが何度でも復元するが鎧が粉砕され装着者が負傷した場合、ネフシュタンの組織が装着者の傷口に侵入したまま再生し、装着者の肉体を食い破り乗っ取ってしまうという危険性を持つ(そのため、鎧を装着させていたクリスが負傷した際、フィーネは電流で侵入した破片を休眠させた後除去するなどの対応策をとっていた)。
元々は第二次世界大戦時、イチイバルやガングニールと共に、ドイツから日本へもたらされたものであり、本来は特異災害対策機動部が管理していたが、ツヴァイウイングのライブ形式を模した起動実験の最中にエネルギーを制御できず暴走。同時に起こったノイズ発生事故に紛れて行方不明となり、フィーネの手に渡った。
当初フィーネは聖遺物に肉体を乗っ取られかねないことを危険視していたが、生体と聖遺物との融合症例である響が登場したことによって、肉体と鎧との融合を促進する方向へ転換することとなり、強襲してきた米国実行部隊からの被弾を機に自身とネフシュタンの鎧を融合させた結果、肉体を両断されても復元できるほどの再生能力を獲得した。
最終決戦に於いては、フィーネが『黙示録の赤き竜』を構成する際の核として使用。しかし、「完全聖遺物同士の対消滅」により響達の振るったデュランダルの一撃と共に完全消失した。
デュランダル
特異災害対策機動部が管理している第5号聖遺物。「サクリストD」とも呼ばれる完全聖遺物。
起動前はくすんだ色の両手剣を象っていたが、その名の通り「不滅不朽」の意味を持ち、起動すると黄金に輝く刀身を形成し、膨大なエネルギーを無尽蔵に生み出す剣として機能する。
かつてEU連合の経済破綻に伴い、不良債権の一部肩代わりを条件に日本政府にもたらされた経緯があり、 現在は私立リディアン音楽院の遥か地下1800mの最下層「アビス」にて厳重に保管されていたが、その後フィーネによってカ・ディンギルの炉心とされ、最終決戦に於いてはフィーネが「黙示録の赤き竜」を構成するべく柄を握ったが、翼の機転で奪還され、それを用いて響が放った「Synchrogazer」を受け、「完全聖遺物同士の対消滅」によりネフシュタンの鎧と共に完全消失した。
ソロモンの杖
米国の管理下にあった完全聖遺物。フィーネの下に研究目的で譲渡され、クリスの半年を要した歌によって起動した。しかし、フィーネは米国にソロモンの杖の起動を報告せず、彼女の目的を成す為に使用した。
ノイズを任意に発生させるとともに、72種類のコマンドを組み合わせることによりノイズの行動を自在に制御することができる。
また、次元間隔壁を限定的に開放する事でノイズがまろび出る「バビロニアの宝物庫」への入り口を開く事ができる唯一の存在でもある。
フィーネが振るった完全聖遺物の中で唯一消滅を免れ、ルナアタック後は日本政府に回収され「サクリストS」のコードネームが付けられ対ノイズ研究のために米国連邦聖遺物研究機関に搬送されるが、武装組織「フィーネ」によって強奪され、ウェルによって振るわれる。
以降はウェル博士の独断専行や暴走により悪用されるが、フロンティアにおけるクリスの渾身の行動で奪還に成功し、限定解除の出力を合わせたことでバビロニアの宝物庫へのゲートを開く機能を解放、それによって爆発寸前のネフィリムを宝物庫へ閉じ込め、杖自体も未来によって宝物庫へ投げ込まれゲートを封鎖し、バビロニアの宝物庫や多数のノイズ諸共消滅した。
ネフィリム
使用者 | ウェル博士 |
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F.I.S.が管理せし完全聖遺物。
今までの聖遺物とは異なり生物のような姿をしており、他の聖遺物を食らうことでエネルギーを取り込み、成長する自律兵器でもある。
過去に歌を用いらないで起動に成功するが、暴走体「アルビノ・ネフィリム」と化して暴走し、セレナが絶唱を歌って犠牲になったことで蛹型の基底状態に封じられた。
その後、QUEENS of MUSIC会場において響たちのS2CA・トライバーストで再起動に成功、再起動後はF.I.Sから奪取した聖遺物の破片、果ては響のガングニールを左腕ごと喰らい成長を続けたが、暴走する響により肉体は跡形もなく破壊されたが、響によって抜き出されたネフィリムの覚醒心臓は肉体を失っても鼓動を続けており、ウェル博士により回収され、浮上したフロンティアのコアに組み込まれる。
その後ウェル博士によりフロンティアの一部を端末化して響たちの前に立ち塞がるが、エクスドライブを発動させた彼女たちに撃破され、最後はフロンティアの全てを取り込んだ「ネフィリム・ノヴァ」となって灼熱を纏い、爆発すれば一兆度のエネルギーを放つ時限爆弾と化した状態で暴れるが、クリスの機転でバビロニアの宝物庫に誘導され、装者たちの合体攻撃のエネルギーを取り込み切れず自壊した。
ヤントラ・サルヴァスパ
古代インドに於いて、ヴィナーマなどあらゆる機械についての説明が記された大聖典。
使用者の意思をダイレクトに装置へと繋げる事によって意のままに操る事を可能とする完全聖遺物。
悪用された際の危険度の高さ故に異端技術関連の未解析品・危険物を秘匿・隔離する「深淵の竜宮」に於いて保管されていた。
キャロル・マールス・ディーンハイムの世界解剖に必要なキーパーツでもあり、故にキャロル一行はその所在を探していた。
シェム・ハの腕輪
適合者 | シェム・ハ |
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南極の棺に回収された遺骸の右腕に嵌められていた、黄金に輝く装身具。
S.O.N.G.を経て米国に持ち込まれ、ロスアラモス研究所にて調査中であったが、遺骸は崩れ去り、この腕輪だけが遺された。後にヴァネッサにより強奪され、「天のレイライン」から抽出した生命エネルギーによってフォニックゲインに頼らず起動される。他の完全聖遺物と違い誰でも使える訳では無く、バラルの呪詛が取り除かれた人間=神の器でないといけない、その為、ヴァネッサの命を受けたミラアルクは神の器の一人である小日向未来を拉致、SONGの救援も間に合わず、未来の肉体を再構成し、シェム・ハは目覚めてしまうのだった。