虫といったな この人を
虫けらといったな!!
許さない 許さない!! 許さない!!
概要
王立国教騎士団(通称:ヘルシング機関)に所属する女性団員。
本作のヒロインの一人で、もう一人の主人公というべき人物。
第一話から登場。
冒頭のチェダース村における吸血鬼襲撃事件に駆けつけた警官隊の一人。吸血鬼に血を吸われ吸血鬼の傀儡となった村人…屍鬼(グール)との戦闘によって、同僚達は一瞬にして全滅した。唯一生き残った彼女も首謀者である吸血鬼に捕まり、万が一にも女吸血鬼(ドラキュリーナ)にならないようにとレイプされかけたが(吸血鬼に血を吸われた人間は屍鬼になるが、処女か童貞はグールにならず逆に力を得て吸血鬼化する)寸前のところで事態を納めるべく派遣されたアーカードが介入。首謀者の吸血鬼に人質にされたところを、彼女が処女であることを確認したアーカードに吸血鬼もろとも撃たれるという事態になる。
弾丸は肺を貫通し、そのままでは死を免れない運命にあったが、アーカードに問われて自分の意思で女吸血鬼となることを選択。アーカードに血を吸われて彼の「眷属」となり、以後は彼を「マスター」と呼び慕うようになる。
その後は死亡扱いとされ、極秘裏に吸血鬼事件を解決して回る「ヘルシング機関」の一員となり、アーカードのサポーターとして英国の吸血鬼退治に当たる。
当初は人間だった頃の常識が強く、異能の存在である吸血鬼同士や異能者との戦闘など、物語前半では周囲からの理不尽に度々巻き込まれる役回りとなる。
中盤からはセラス自身も特異な能力と常識外れな日常に馴染んでいき、それ以降は常識人ポジションからも外れて大半はギャグキャラ、もしくはそれに近い扱われ方をされている。
声優は折笠富美子。
人物
性格は真面目で明るいが、どこか気弱であどけなさが抜けていないところもある。
父は警官だったが、その命を狙った犯罪者達に自宅を強襲され殺害された。母は幼いセラスをクローゼットに隠して立ち向かうも射殺され、反撃されて激怒した犯罪者によって屍姦される様を目の当たりにするという悲劇を経験する。
その後は孤児院に引き取られたが、事あるごとに他の孤児に暴力を振るい問題視され、荒んだ目をしていた。父の後を継ぐように警官となったが、チェダース村の事件後、公式には行方不明扱いになっている。
生命維持の為に他人の生き血を啜る必要があるが、吸血行為に対して抵抗を感じており、ミレニアムとの決戦時までは輸血用パックも拒み、ほとんど血を吸ったことがなかった。人間の事と同じ食事を摂っていたが、既に体が受けつけなくなっており苦しむ描写もある。主であるアーカードは、そんな彼女を「おっかなびっくり夕方を歩く奴がいてもいい」と評し、その中途半端な状態を容認していた。
しかし、ヘルシング本部を急襲したゾーリンとの戦いで共に闘い命を落としたある人物の血を吸う事で、吸血鬼として完全覚醒を遂げることとなる。
完全覚醒後、「伯爵」の姿となったアーカードとの対面では、わしわしと頭を撫でられ、常からは信じられないほど優しい眼差しで名を呼ばれ、嬉しそうにしていた。
戦闘能力
マスターであるアーカードの影響もあり、並の吸血鬼や屍鬼(グール)程度なら軽くあしらえる程の力を手に入れている。デコピンで大の男を軽く吹っ飛ばし、人間では不可能なレベルの長距離狙撃も命中させる。
メイン武器は『対戦車用長距離砲ハルコンネン』。ギャグパートでは妖精(CV:石塚運昇)が宿っている。
ミレニアムとの決戦時は『局地防衛専用対戦車長距離砲ハルコンネンⅡ』にパワーアップされており、見た目はもはや宇宙世紀のアレで、作者も巻末で「やりすぎた」とコメントしている。
吸血鬼となって日が浅く、また人間であった時期の記憶が強かったため、当初は能力を100%発揮できなかった。このため強敵には苦戦をしいられることが多く、アンデルセンとの初戦では全く歯が立たなかった。
一方で、血が高ぶると驚異的な強さを発揮し、鬼神の如き戦いぶりを見せる。その際は眼が真紅となり、悪鬼のような凶悪な笑みを浮かべるようになる。
彼女の秘められた素質は、アーカードはもちろん、敵である少佐も見抜いていた。
ゾーリン戦以降は、左腕が自在に変形する赤黒い『影』に変化。武器としても使えるが、翼のように使って高速で飛ぶことも可能となった。また、以前のように衝動的に暴走することはなくなった。
アンデルセンからはその様を「恐ろしい化物になってやって来た」「まるで奈落の底の様な眼をしやがって、人の形をしているくせになんて様だ」と評される。
また、血を吸った相手を自らの中に「同居」させており、戦闘時に共闘したり、自分の中で煙草を吸われることに文句を言うなど、会話したりもしている。