ヘルベルト「ふぅ……やはり鬱陶しいな、地球の重力は」
ヒルダ「何言ってんだ……ほら行くよ野郎共!」
マーズ「応!!」
ヒルダ「ラクス様のために!!」
概要
連合・プラント(あとジャンク屋等々その他大勢)による非戦派組織「ターミナル」が、ザフトのデータベースから盗用した設計図を基に製造した機体。
ザクやグフ等と同様、C.E.71年の大戦終結後にザフトの次期主力MS選定コンペティションにおける次期主力機「ニューミレニアムシリーズ」の候補の一つとして開発された経緯を持つ。しかし、用いられているミラージュコロイド技術がユニウス条約に触れてしまうことや、最大の特徴であるホバー移動のピーキーさにより操作性に難があり、パイロットに高い練度が必要となることから、諸々の事情により制式採用に至らなかった。
なお、ユニウス条約に関しては「ステルス機能の軍事転用に関してのみ」が制限されているので、コンペティションの際にステルス機能があると誤解されたのか、本当にステルス機能があったのかは定かではない。
その後、クライン派によってザフト内に残っていた試作機のデータが盗み出され、工廠で新規製造した機体がオーブ攻防線にて実戦に投入されている。尚、プラント内ではそもそものコンペティション落選までがクライン派の謀略だとする説が存在するが、真相は不明であるという。イラストストーリー「SEED RGB DESTINY」ではこの経過が若干語られており、操作性の問題によってマスプロダクトから落選した事は事実で、設計局とクライン派はそもそも交流を有していたという(マーズ・シメオンにいたってはテストパイロットと顔見知りだった)。そんなこんなで設計を入手したターミナルであるが、製造は各地の製造地にパーツ単位で発注したものを建造している。
劇中でのパイロットはヒルダ・ハーケン、ヘルベルト・フォン・ラインハルト、マーズ・シメオンの三人。このうちヒルダ機は、最終決戦時に片脚を破壊された(パイロットは生存)。
型式番号のZGMF-XX09Tは開発者が勝手につけた非公式なもので、末尾の「T」はサードステージシリーズとして復活することを望んだことに由来する。ZGMFで始まる型式番号からもお解りいただけるだろうが、宇宙世紀のドム/リック・ドムとは異なり、宇宙と重力下の両方で使用可能(その意味では、宇宙世紀でいえばドライセン或いはRFドムが近い)。
また、ドムという名前は「Dauntless Obliterator Magnificent(壮大なる不屈の抹殺者)」の略。ザフトで開発時に付けたものであり、クライン派がこんな物騒な名前を付けたわけではない。
武装
遠近に幅広く対応したものが一通りあり、グフやザク以上の汎用性を誇る。
MMI-GAU25A 20mmCIWS
両肩部に1門ずつ装備されている機関砲。
JP536X ギガランチャーDR1マルチプレックス
ビームランチャーと一体化した実弾バズーカ。ターミナルでの改修時にナイトウィザードとの連携機能を排除し、小型化して取り回しがしやすいよう変更されている。
MX2351 ソリドゥス・フルゴール ビームシールド発生装置
左右の腕に装備されたビームシールド。ターミナルでの改修時に追加されたもので、名前の通りデスティニーとレジェンドに装備されたものと同型。設置個所や形状が変わっているため、ビームガンとして使用する機能は無いと思われる。
G14X31Z スクリーミングニンバス
左胸部に搭載された特殊兵装。これはミラージュコロイドの技術を応用したアンチビームフィールド形成装置であり、ビームと同属性の電子を含む粒子を散布することにより、大火力の砲撃すら凌ぐ防御力を可能としたもの。前述の通りビームと同じ属性の電子を含むため、このフィールドに外部から触れることでもダメージを受ける。
劇中ではこれを利用した『ジェットストリームアタック』が猛威を振るった。
ウィザードシステム
劇中では描かれていないが、設定上ザクウォーリアやケルベロスバクゥハウンドと共通のウィザードシステムが使用できる設計であり、必要に応じて各種のウィザードも換装可能である。
イージーウィザード
ドムトルーパー開発の際に製造した簡易装備。
ラクス・クラインの協力者たちの集まりである「ファクトリー」が開発したもので、「イージー」の名が付く通り、簡素で地味な形状をしている。
MA-X848HD 強化型ビームサーベル
イージーウィザードに搭載されたビームサーベル。
ドムトルーパーの『ジェットストリームアタック』
ヒルダ「まずはあれだ、行くよ!」
マーズ「応!!」
ヘルベルト「行くのかよ」
三人「「「ジェットストリームアタック!!」」」
ただし、このジェットストリームアタックは『機動戦士ガンダム』に登場したような連携攻撃ではなく、スクリーミングニンバスのフィールドを複数機で増幅させるフォーメーションのこと。事実上、ビームサーベルを面で展開しているようなものなので接近しているだけで対象物は溶解・焼灼される恐ろしいワザである。
関連動画
オリジナル仕様
MSVに登場した本来のドムトルーパー。カラーリングはドム・トローペンを彷彿とさせるサンドブラウンとなっており、専用ウィザード「ナイトウィザード」を装備している。
ギガランチャーとスクリーミングニンバスの他に、白兵戦用兵器のドリルランス(敵に突き刺してドリル部分を切り離し、その状態でドリル部分を爆破することでダメージを与えることも可能)、対ビーム微細トレッド処理を施された実体シールドを装備。
共通の武装はともかく専用ウィザードの「ナイトウィザード」は決まれば高い破壊力を得られるが既存の兵器と設計思想が違ううえにそもそも切り離してから次のドリルをセットするまでほぼ無防備状態となってしまうなど扱いに難点があり、「奇想兵器」という扱いを受けていた。
そもそもナイトウィザード自体かなり大型で重量があり、そのくせバックパックの役割がほとんど弾薬入れ程度しかなかったために兵器として少々無駄が多すぎた。PS装甲を持たないダガーLやウィンダムには有効かもしれないが、PS装甲やTP装甲を持つであろうガンダムタイプのエース機相手にドリルランスが効くのかも謎ではある。
コンペディションで不採用となった原因にはクライン派の裏工作があったともいわれているが、ただでさえ操縦感覚を共有できないピーキーな機体なのに更に実用性に疑問符が付く奇想兵器までセットになっていたら流石に敬遠されただろう。
余談
- 混沌の戦場
ザフト軍の優勢の侵攻とオーブ軍の劣勢の防衛に突如出現するザフト軍制式の降下ポッド。
オーブ兵は降下ポッドから「ザフトの降下部隊か!」と敵の新手だと誤認し、増援が宇宙から降下してくる予定の無いザフト兵の方からすれば「何だ!?」と疑問で、両軍が大いに混乱する羽目になったのは言うまでもない。
実際、ラクスから「降下ポッドのMSは敵ではありません」と言われなければ、オーブ軍が誤射してしまった可能性は否めない。
立体
ガンプラでは1/144スケールが存在。グフイグナイテッドもそうだが、コレクションモデルでは販売されず、HGガンダムSEEDのみである。