───それは、冒涜に関する実験の中さ。
CV.関俊彦
概要
原神の登場キャラクターで、ファデュイ11人の執行官(ファトゥス)の一人。コードネーム「博士」。
階位は第2位。前日譚を描いたWEB漫画「原神セレベンツ」にて(どの執行官よりも先に)登場していた。
顔の大部分を隠す仮面を付け、小さな試験管をイヤリングにしている青髪の男性。
その別名の通り、遺跡守衛などの古代兵器や人体強化を研究する科学者であり、目標達成と知的好奇心のために、人体実験や人体改造も躊躇なく行う典型的なマッドサイエンティスト。
技術開発部局長の様なポジションに就いており、自ら唯一無二と誇るだけの天才的な頭脳の元、様々な研究で成果を挙げている模様。
しかし倫理観や良心といったものは皆無で、実験材料の調達のため他国の住民や社会的弱者を拉致し、そのまま使い潰すという非道なことを続けている。
態度自体も徹底的な合理主義者で、自身の悪辣さを外交の場でも隠そうともせず部下を慌てさせる事がしばしば。漫画では傲慢ゆえの過信でドジを踏んだ部下二人を、侮蔑と共に平然と始末している。
なお、漫画版とPV「冬夜の戯劇」やゲーム本編の登場時ではキャラデザが大きく異なる。
左:漫画版 右:ゲーム版
単に数年経ったからという可能性もあるが、後に本編で実装されたタルタリヤのボイスによると、彼は自らの義体を多数制作して仕事にあたらせているという事実が判明したため、外見が異なる理由は違う個体だからという説が一部で提唱されている。
事実、本編で登場した姿には「omega build」という型番が付けられている。
性格も異なっており、前者は落ち着きがなくすぐに成果を求める性格であるのに対し、後者は非常に落ち着いて長い時間をかけて大きな成果を出すタイプである。
ストーリーにおいて
魔神任務3章
「お前も教令院の奴らの様に俺を"怪物"や"狂人"と呼ぶのか。それとも故郷の奴らみたいに追い払うのか」
聖遺物「蒼白の炎」のテキストや教令院の学者達などによると、かつてスメールの教令院で妙論派に所属して研究していたが、倫理観を無視した非人道的な研究内容ゆえに追放され、ファデュイの統括官「道化」に声をかけられて仲間になったことが明らかになる。
…そして彼は戻ってきた。
代と共に傲慢さと焦燥を増していた大賢者たちに"あるプロジェクト"を持ちかけ、恐れられつつも懐柔に成功し、宗教対立も利用した人民の資源化を開始。
それを止めようとしていた旅人&パイモンと草神の想定よりも遥かに早く、スメールシティの全てを(人々の精神含めて)掌握・支配し、悠々と一向の前へ姿を現した。
そのまま草神も手中に収めた彼は、被験体にある物を取り入れ、計画の大詰めを迎えようとしている。
そしてパリプーナライフ(神との意識接続)に成功した学者が、旅人にも同じものを見せたところ、そこで見えたのはクラクサナリデビの意識ではなく… 計画の産物である、ある「神」の意識にある過去だった。さらに旅人はスラサタンナ聖処で「神の未完成品」を見つけ、博士らの計画が「神を造る」事を目標としている事を知った。
その後関係者を追い詰め、計画の詳細が語られた。
クラクサナリデビに期待する事を諦めた教令院は、知恵の発展や世界樹の枯渇に悩んでいた。そんな時「博士」が教令院に現れ、「神を創る気はないか?」と聞いた。
最初は追放者である彼に耳を傾けるものはいなかったものの、その言葉を聞いた賢者は手を止め、総力を上げてその計画を行った。
ほとんどの計画が完了し、「散兵」が完全な神… 七葉寂照秘密主(正機の神)となった時、旅人はそれと対峙した。
「博士」と教令院が力を注いだ人造神は、七神の一柱からも「賞賛に値するほどのもの」「人間の英知の結晶」と言わしめる程の完成度であり、数々の強者を倒してきた旅人さえも歯が立たなかった。
しかしブエルの権能による168回の戦闘の輪廻、そしてアーカーシャ端末による頭脳収集によって遂に打破され、神の心はブエルの手に渡った…
全てが終わった後、ブエルの前に「博士」が姿を現した。
「実験」を終え、材料を回収しに来た博士に対し、ブエルは創神や信仰について問う。
彼は創神計画を「実験」と呼び、神への冒涜と取れるそれと信仰との矛盾については、信仰心はあるがブエルが定義する一貫した定義にそぐわないだけだと答えた。
そして自身の実力を持って「雷神の心」を渡すよう言うと、ブエルは「神の心を破壊して天理を呼び覚ます」という賭けで対抗した。
博士もそのリスクや可能性について認知しているらしく、代償を払う事での交渉とした。ブエルは彼の義体を全て廃棄する事を条件とし、「自身」の価値が神の心と同等であると値打ち付ける事に満足した博士もそれを容認した。
馬鹿げた決断を! ふざけてるのか 愚劣極まりない選択だ 自分さえも裏切るのか
当時の私はこれほど愚かだったのか これで終わりだと思うなよ 待て、待つんだ!
必ずや復讐を 代価に見合うといいがな
絶対に、後悔するよ!
様々な「博士断片」が断末魔を上げ、廃棄された。
自称「最も利己的な者」である断片の博士は、さらに草神の心も求めた。
この代価としては、知恵の神でさえ知らない知恵___ 世界樹によって隠された真相「テイワットの空は偽りである。」という知恵をブエルに授けた。
秘密と漆黒の真実がブエルの脳を流れ、博士は2つの神の心を手にした。
余談
- スメールの各所には、教令院時代の彼が残したと思わしきテキストが点在している。
- 成果の有無に関わらず、飽きを感じた研究対象はそのまま野放しで遺棄する悪癖があるらしく、タルタリヤの伝説任務で登場する「遺跡守衛の生産工場」を開発したのも彼であるが、既に飽きて停止処理もせず放置しており、そのせいでタルタリヤは大いに肝を冷やす羽目となった。
- 神の目を疎んでいる様な言動が強く、かの「邪眼」を開発・量産したのも十中八九彼。
- それ絡みで父を喪ったディルックは因縁の相手で、出奔時代の彼とは裏で幾度も戦り合っていたらしい。稲妻でも海祇島の反乱軍に身体強化の法具と称して邪眼を渡し、経過を観察するなど暗躍していた。
- 執行官に選ばれるだけに戦闘能力は高いようで、自ら作ったと思われる攻撃装置を常備している。単純な戦闘力だけでも第二位につけるレベルらしい。
- 「散兵」とは昔から結託しており、ファデュイ加入時にバアルゼブルが掛けた力の制約を解き、さらに強化している。また彼の本能的な神の心への渇望を満たすかのように、彼を「神」にした。
- 博士の認識では彼はあくまで被験体である。