概要
山林において木材その他林産物を生産する産業。同じく樹木を対象としていても、果樹や庭を作る園芸とは分けられている。
また、伐採され搬出された木材を建築や家具に使う製材品に加工する製材や林産加工も林業である。防災林や水源涵養林などの「保安林」の育成、さらには山林で野生動物を捕獲する狩猟、砂防ダムや林道の建設・維持といった「森林土木」も林業の範疇に入ってくる。
間違えられやすいがキノコは農産物ではなく林産物であり、キノコ生産は林業の範疇に入る。キノコをはじめ漆、タケノコ、薪炭、和紙原料のコウゾやミツマタ、メープルシロップなど山林で生産される木材以外の林産物は「特用林産物」といい、林業の重要な一分野である。
海外からの安い木材によって一時日本の林業は壊滅に近い状態に追い込まれ、高度経済成長期に造林されたスギ林は荒廃していたが、近年の輸入木材価格の高騰(ウッドショック)により儲かる産業となったことから、にわかに注目が集まっている。