河川における土砂災害の防止目的に設置される構造物を、砂防ダムとか砂防堰堤と呼ぶ。「ダム」とは言うが貯水機能はなく、侵食防止や土石流の防護を目的としている。目的も構造も設置される根拠法令もダムとは全くの別物である。したがっていわゆる「砂防ダム」に関しては砂防堰堤とか砂留と呼ぶ方が適切である。
特に土石流災害は下流へ甚大な被害をもたらすため、それを防ぐために特に距離が短く、傾斜のきつい河川に砂防ダムが多数建設される。富山県の立山カルデラから排出される土砂の量は非常に多く、一度土石流が起きれば大惨事を招くため、日本最大規模の砂防ダムが建設されている。
日本では各地の河川に多数の砂防ダムやダムが建設されたため、海岸に流出する土砂が少なくなり、陸地が侵食され砂浜が消えているという問題を引き起こしている。
似た目的の構造物に、谷止工(治山ダム)があるが、谷止工は高さが低く厚みも薄いという違いがある。