概要
ウォーカー・ギャリアは『戦闘メカザブングル』における後半主人公機。グレタ・ガリー戦でザブングルを1機失ったアイアン・ギアー一行がどさくさに紛れて強奪する格好で入手。三日の掟によりジロン達のものとなったという経緯があり、元々はイノセントからホーラに支給されるはずだったらしい。
メインパイロット(ホバー側)はジロン・アモス、コパイロット(ウィル側)はチル。
本来ウォーカーマシンとは鉱石(ブルーストーン)採掘用の重機を戦闘に流用していたのだが、本機はザブングルと同じく純粋な戦闘メカとして設計されている。
ザブングルと同じく変形合体機能も持ち、頭・腕・背部ローターで構成されるギャリィ・ホバーと、胴体および脚部で構成されるギャリィ・ウィルからなる。
主人公メカとしては珍しいどっしりとした体型が特徴的で重機のようなかっこよさが光る。
ザブングルの実質的な発展後継機であり、全ての面で原型機を凌ぐ性能を獲得している。
ザブングルでは複雑だった変形合体機構は簡略化されており、より迅速な変形・合体による変則運用が可能となった他耐久性も向上し、故障の危険性は大幅に減っている。
特に機動性はバックパックの大型ホバーエンジンによって大幅に向上しており、長時間の高速移動の他、非常に優れた跳躍力と短時間の滞空を獲得しており、一時的に飛行することすら可能。
それまでは純粋な陸上用マシンとして運用されてきた、従来のウォーカーマシンにはなかった空中戦への適性を獲得していることが最大の特徴と言える。
武装
主武装
バズーカ(GU05-60T)
ジロンがメッカバレーの武器商人の小屋で見つけた市販品のバズーカ。トロン・ミランと取り合いの末に紆余曲折を経てギャリアの装備となった。マガジン装填式で連射が効き、火力の高さもあってジロンが好んで使用した。前述の通りギャリアの専用装備ではないが、背部ローターのラックに据え付け可能。
30mmライフル(RG340A30/75)
スコープとバイポッドを装備したオートマチック式ライフル。ラフデザインでは装弾数15、6発と記されている他、プラモデルの説明や発火式モデルガンの商品名などでは5連発ともいわれているが実際の設定は不明。ブラッカリィも同型のライフルを使用する。マガジンは専用のものだが弾はザブングル等他のウォーカーマシンと共通化されている。
ブーメランイディオム(XB-4)
ギャリアと同時にLポイントから強奪されたブーメラン型の13連装ロケットランチャー。両脇のグリップを握ってロケット弾を射出するほか、その名の通りブーメランとして直接投げることが可能。狙いがつけづらく使い勝手が悪いせいか、数回しか出番がなかった。
固定武装
12.7㎜連装機関銃
頭部右頬部に備え付けられたリモコン式機銃。裏蓋を開けると手動用の引き金がある。
20㎜連装機関砲
腹部に備え付けられたリモコン式機関砲。
追加武装
5連装ミサイルランチャー
本編には登場しない設定のみの武装。玩具(DX変形合体ウォーカーギャリア)に付属武装として登場した。装弾数15連発。ラッチがギャリアの肩幅に合わせてあるギャリア専用武装で、取り付けると両肩に跨った天蓋状になる。リモコンなどの遠隔で発射する装置が無く、撃つときはその都度ウォーカーマシンの指でランチャー側のスイッチを押す必要があり、変形前は機構上使用不可。とりあえず付けた感じがいかにもウォーカーマシンらしい。
特殊武装(?)
ICBM投げ
正直武装とは呼べないが、外部作品に参戦したときには武装としてカウントされている。ICBM級ミサイル弾頭を敵に投げつけるというギャリアのパワーに任せた豪快な武装(というか技)。元々はXポイントでの最終決戦時、イノセントが発射したICBM(ただし博物館に展示されていたものを使えるようにしただけの不良品)がアイアン・ギアーに着弾するのを防ぐために受け止め、お返しとばかりにホーラ達の旗艦エンペラー改に投げつけたもの。ぶつかった瞬間にタイムボカンシリーズのような間の抜けた音が鳴っている。
スパロボではどこかの基地から拝借したICBMを召喚して使っている(「Z」ではSEED DESTINYとのクロスオーバーで、ロード・ジブリールのいるヘブンズベースからかっぱらってきたものを使っている。)他、凝った演出が特徴で、上記の衝突音以外にも
- α外伝:外すと敵の後方でこれまたタイムボカンシリーズのような見事なキノコ雲が立つ。
- Zシリーズ:オーライオーライと手を振ってる最中にミサイルが暴走。慌てて追いかけるも途中でギャリアがすっ転び、赤塚不二夫作品のような走り方で必死に追いついてキャッチし敵目掛けて投げる。
と、なんともザブングルらしい演出となっている。
余談
本機は「番組途中での、まったく違うデザインの機体への主役機交代」を初めて行った機体として知られている(※)。この展開が受け入れられたことにより、以後番組後半の主役機交代がロボットアニメのお約束の一つとなっていった。
※同デザインでパワーアップした二号機への乗り換え(メカンダーロボ・ビスマルクなど)や続編番組での別機体への乗り換え(ゲッターロボ→ゲッターロボGなど)は例がある。
最終回のICBM投げは『未来少年コナン』第2話でおじぃが死去し、その弔いに鮫の死骸を投げるシーンが元ネタである事は知る人ぞ知る事。
監督や製作会社の同じロボットアニメ『機動戦士Zガンダム』でハヤトが館長を務める戦争博物館には様々なモビルスーツが並んでいるのだが、その中に密かにギャリアに酷似した機体が混ざっている。そして『ガンダムビルドダイバーズ』にもその酷似した機体が登場している。
立体物
放送当時のバンダイWMシリーズキットでは1/144と1/100が平行リリースだったが、ギャリアだけ1/144のみリリースされ、予定品であった1/100キットはシリーズの売上不振で全体の償却が難しくなってしまい発売中止になってしまった。これは2代目主役機のプラモデルを待ち望んでいたファンから大きな顰蹙を買い抗議が殺到、キット化希望のリクエストが1年ほど絶えなかった。「後番組のキットを中止にしてもいいから1/100ギャリアを出せ」という意見まで出た程。その後バンダイから1/100のペーパークラフトが発行されたがモデラー達が満足するはずもなく、ウェーブからガレージキットが発売されるくらいしかなかった。
2006年、「リアルロボットレボリューション」シリーズで1/100ギャリアの製品化が開発スタッフから示唆されたが、またしてもシリーズ不振という疫病神に付きまとわれ企画そのものがペンディング状態に陥ってしまう。その後テコ入れを図ったことで2008年4月12日に無事「R3 ウォーカー・ギャリア」としてリリースされたのであった。このキットはパッケージに1/100WMシリーズからの通し番号である「No.11」も同時に振られており、ファンにとって25年越しの念願となった。
他にもハイコンプリートモデルなどの完成品でも何度か立体化されたほか、2016年にはスーパーミニプラとして食玩にもなっている。
pixiv上では
スーパーロボット大戦α外伝等でもインパクトを与えたICBM投げのポーズにもタグが付けられていたりする。
関連イラスト
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ウォーカーギャリア:表記揺れ