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エルデンリング

えるでんりんぐ

エルデンリングとは、フロムソフトウェアによって企画・開発されたアクションRPG。 2022年2月25日発売。

王となれ

概要

正式名称ELDEN RING
発売日2022年2月25日
価格9240円(通常版)
対応機種PS4、PS5、Xbox Series XS、Xbox One、PC
ジャンルアクションRPG
プレイヤー人数1人~4人
CEROD
発売元バンダイナムコ
開発FromSoftware
ディレクター宮崎英高
シナリオ宮崎英高 ジョージ・R・R・マーティン

概要

2019年6月18日、E3 2019にてフロム・ソフトウェアが開発・発売を発表した新作タイトル。

ゲームの発売日は2022年2月25日。当初は1月下旬の発売であったが、そこから約1か月の延期を経て発売した。

国内販売はフロム・ソフトウェアが、海外販路はバンダイナムコエンターテインメントが担当。

プラットフォームは、PS4、PS5、Xbox Series X|S、Xbox One、PC(Steam)。

明言はされていないが、デモンズソウルから脈々と続いてきたダークファンタジー3DアクションRPGの精神的続編。

相変わらず歯応えのある高い難易度と、オープンワールド的な要素を組み込んだことで、これまで以上に自由な攻略が可能になったことにより、フロムソフトウェアの新しい境地を作り出した記念すべき作品である。

最大の目玉として、世界的に有名なダークファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作者であるジョージ・R・R・マーティンが世界観構築に携わると発表。

ディレクターは『ソウル』シリーズでもおなじみの宮崎英高氏が務め、発表時の段階から「フロム・ソフトウェア史上過去最大のプロジェクトになる」と発言しており、世界中のフロムファンやファンタジーファンから注目された。

リリース後、PC版(Steam)では同時接続プレイヤー数74万人超えを記録した事が発表。

レビュー集積サイトMetacriticによると、PC版のメタスコアは95、PS4版は97(2月25日時点)という、極めて高い評価を得ている。

3月16日には、発売からたった半月で累計1200万本もの出荷を記録したとの報道がなされ、その数字の大きさと販売ペースの速さにファンやゲーム業界のみならず世界中に大きな驚きとインパクトを与えた。

更に発売1周年を控えた2023年2月22日、累計出荷本数2000万本の大台を突破したことが公式より発表され、日本のビデオゲーム史における新たなマイルストーンを打ち立てた。

2022年12月に行われたThe Game Awardでは8部門にノミネート、Best Game Direction、Best Art Direction、Best RPGを受賞、そして全世界におけるその年のゲーム大賞となるGame of the Year(通称GOTY)を獲得。宮崎氏およびフロムソフトウェアによる作品としては2019年のSEKIROに続く2回目の快挙を成し遂げた。

また、同イベントでは約10年ぶりにアーマード・コアシリーズの最新作であるアーマード・コア6が発表され、ファンに大きな衝撃を呼んだ

そして2023年2月28日、公式TwitterにてDLCが制作途中であることが明かされた。

DLCのタイトルは『SHADOW OF THE ERDTREE』直訳すると黄金樹の影、もしくは影の黄金樹となる。

余談ながら、DLC発表の一日前には、ヘルシンキにてエルデンリング発売一周年を祝うパーティが開かれ、YouTubeで世界同時中継されたのだが、何故かそこでは発表せずに翌日にTwitterでひっそりと製作と発売について明かしたため、多くのファンから意味不明のタイミングと首をかしげられた。

ゲーム性

SEKIROがソウルシリーズの枠組みに捉われない新しいタイプのアクションゲームを追い求めたのに対して、本作はむしろソウルシリーズの正統進化としてRPG要素に主眼を置かれて製作されたゲームである。

世界観やアクション性、オンラインプレイといった基本的な要素などは従来作から踏襲されているが、最大の変更点としてフロム作品初のオープンワールドゲームであるという点が挙げられる。ただし宮崎ディレクターは「オープンフィールド」と表現しており、どちらかと言う「オープンワールドなダークソウル」という捉え方が正しい。

そのため一般的にオープンワールドと見られている他の作品とは一味違ったゲーム性となっている。

王道回帰

前作SEKIROとは異なり、今作では従来のソウルシリーズが一貫して掲げてきた「プレイヤーを拘束しない物語作り」の方向に再び回帰している。

狭間の地において、プレイヤーは褪せ人となり、エルデの王を目指すという「目的」は最初から提示されてはいるものの、あくまでもそれは物語の設定に過ぎない。

ダークソウルやブラッドボーンのように、プレイヤーは真面目に物語を攻略するも良し、あるいは協力プレイや侵入といったオンラインプレイに勤しむのもよし、はたまたアイテムをひたすら収集するために周回を重ねに重ねていくことも十分選択肢に入るなど、「物語」にあまり囚われ過ぎないゲームとなっている。

また「探索」という従来のシリーズがゲーム性の一つとして追求してきた“遊び”も、今作で追加された様々な要素によってより一層深化しており、様々な顔を持つ「狭間の地」を存分に味わうことが出来るようになっている。

  • アクション

今作ではこれまでのソウルシリーズとは異なり、前作SEKIROの要素を受け継ぐ行動的なアクションが幾つか追加されている。

特にそれまでの貧相で、跳躍とはとても呼べない「ジャンプ」が大きく改修され、きっちりと距離と高さを持って“跳躍”出来るようになった。

そのため合間にローリングを入れたりと工夫が必要だった場所へも、ストレスなくジャンプで行き来できるようになり、行ける場所がそれまでのシリーズとは比べ大きく増えている。

また戦闘においても、ジャンプは活用できる。

今作では隠し要素としてSEKIROにあった体幹システムが導入されており、ある程度の大きな攻撃を敵に複数回入れると大きく体勢を崩すことが出来、次への布石を打つ事ができる攻略における重要な要素となっている。

特にジャンプを交えた「ジャンプ攻撃」は、亜人や兵士といった雑魚敵相手ならば一発で怯ませることが可能な強力な攻撃となっている。

他にも「ガードカウンター」という新要素も追加。

敵の攻撃を逸らすことで体勢を崩し、反撃の一撃を入れる「パリィ」は、コツを習得して仕舞えば便利ではあるものの、敵の攻撃の隙をよく見てから起こす仕様上、どうしても始めたてのプレイヤーには難しい「技術」でもあった。

しかし今作では盾を持ってガードしていれば、敵の攻撃に合わせて特定のボタン(PS系列ではR2ボタン)を押すことで、自動的に反撃が行えるようになっており、まだ今作が初めてのフロムという新米褪せ人たちにとって嬉しい追加要素になっている。

しかし、遊びやすくなったからとはいえ御用心を。これらのアクションは相手側にも適用される。

場合によってはプレイヤー以上の技量を駆使してこちらの体勢を容赦なく崩して致命の一撃を叩き込んできたり、そこらの雑魚敵であっても盾を持っていれば、ガードカウンターで思わぬ反撃をこちらに入れてくる。

状況によっては「戦わない」という選択肢も視野に入れる必要があり、これも新しく追加されたアクション「しゃがみ」を使って、身を屈めつつ、草や岩といった遮蔽物を利用して敵の索敵から逃れるような柔軟な対応が求められる場面も存在する。

何れにせよ、甘く見ていると容赦なく狩ってくる辺りはやっぱりフロムのゲームなのである。

  • 移動手段

今作の舞台となる「狭間の地」はまさしく広大の一言が相応しい世界である。

荒涼たる冬の支配する山嶺があれば、穏やかな風が吹く丘陵地帯が広がっていたり、巨大な湖に赴けば壮麗な魔術学院の固く閉ざされた門が出迎えてくれたりとまさしく圧巻のボリューム。

場所毎にある程度の隔たりがあったこれまでのシリーズとは異なり、今作はそうした区切りが可能な限り省かれ、プレイヤーである褪せ人は文字通りこの世界の隅々までに足を伸ばすことが出来る。

この広すぎる世界を楽しむ補助要素もしっかり用意されており、その一つが「騎乗生物」の存在である。

物語の最初の段階で、とある人物から渡されるアイテムから召喚できる霊馬トレントは、機動性と運動性能に長けた褪せ人の「第二の足」として働いてくれる。

また褪せ人以上の身体能力を持つため、トレントに乗っていないと行くことができない場所も存在し、探索の幅を広げるという点でも大きな役割を果たしている。

他にも従来の篝火や鬼仏にあたる「祝福」が狭間の地の各地に点在。

これまで同様セーブポイント兼レベル上げの場所として機能しつつ、既に解放している他の祝福へと即座に移動が出来る機能が序盤から付いているため、気軽に狭間の地をファストトラベルすることが出来る。

また祝福からは、光の筋のようなものが空中に伸びているが、これは近くにある祝福への指針のようなものであり、その先をよく見れば次の祝福を見つけ出すことができる。

光の筋が行き着く先は、狭間の地に聳え立つ黄金樹の元であり、物語を進める上で褪せ人を結末へと導く役割も持っている。

しかし導きに従うも従わないもプレイヤーの選択次第であり、エルデンリングの核の一つである「自由度」の高さを象徴する要素の一つでもある。

  • 戦闘

本作ではこれまでのソウルシリーズ以上に各種戦闘要素にも梃入れがされており、これまで実験的要素が強かった「戦技」や、あまり陽の目を見てこなかった「奇跡」や「魔術」にも大幅な強化が加えられている。

まず戦技は、今作では「戦灰」と名前を変えており、各種武器に付与することでそれぞれの灰に込められた能力が使用することが出来るようになっている。

灰に込められたそれぞれの力はどれも強力な物が揃っており、ダークソウル3の頃に散々に言われていた戦技が、形も新たに新生を遂げている。

灰を付与できる武器の区切りも緩やかになっており、強力な戦灰を自分のお気に入りの武器に付与して、エルデの王を目指すことも夢ではなくなっている。

また同じ灰繋がりで新しく追加された「遺灰」システムもまた強力である。

霊呼びの鈴というアイテムを媒介として呼び出される、嘗ての狭間の地の住人たちは様々な能力を持っており、遺灰次第ではゲームの攻略に大きな影響を与える程の素質を秘めている。

そうでなくとも毒や呪いと言った各種スリップダメージによる妨害や、数の力を利用して一時的に敵を抑え込んだり、また褪せ人から敵の注意をずらす「」として機能したりと、これまでの身一つで挑まなくてはならなかったソウルシリーズとは異なり、ソロでも比較的容易に攻略が出来るようになっている。

今作ではソウルシリーズでは不遇気味な扱いを受けていた「魔術」もパワーアップ。

魔術」は世界観的にも重要な要素の一つでもある為、従来のシリーズよりも強力な魔術に生まれ変わっており、中にはこれさえあれば攻略難易度が大幅に下がる、いわゆる「ぶっ壊れ」も幾つか存在する。

またこれまでステータスの一つである「記憶力」に依存していた魔術の数が、メモリーストーンというアイテムの登場でアイテム依存式になった為、どんなプレイスタイルでも知力さえ上げれば魔術を使えるようになっており、これまでの扱いにくさから一転、魔術師や魔術剣士といった遊び方でも十分エルデの王を目指すことが出来るようになった。

奇跡は「祈祷」と名前を変えて登場し、それまでの呪術の体系を含み、一本化されている。

魔術に比べるとこれはと言える物は少ないものの、場合によっては「これは魔術よりも強いのでは?」と思える物も存在するため意外と馬鹿には出来ない作りとなっている。

ただこうした戦闘面におけるボリュームアップが図られてなお、今作の死にやすさは従来のシリーズに勝るとも劣らないものになっている。

ソウルシリーズらしい、「死んで覚える」という攻略法は、今作エルデンリングでも息づいている。

総括

このようにこれまでのシリーズでは洗練される時間がなかった、あるいは無かった要素が意欲的に詰め込まれた、まさにフロムソフトウェアの集大成と呼ぶに相応しい大作となっている。

また新しく追加されたクラフト要素や、これまでの何処か淡白な関係とはまた異なる登場人物たちとの関係を楽しめるクエスト群など、今までソウルシリーズに触れたことの無かった層でも入り易い作りとなっており、その意味ではフロムの可能性を広げた作品とも言える。

世界観

永遠の女王マリカを戴く狭間の地で

黄金樹の根源たる、エルデンリングが砕けた

マリカの血を受けた子供たち、デミゴッドたちは

エルデンリングの破片たる大ルーンを手にし

その力に狂い、歪み、破砕戦争を起こし…

大いなる意志に見捨てられた

そして、かつて瞳から黄金の祝福を失い

狭間の地を追われた褪せ人たちの元に

祝福の導きがもたらされる

祝福なく、死にきれぬ死者たちよ

導きに従い、霧の海の先、狭間の地に向かい

エルデンリングに見えよ

そして、エルデの王となるがよい

(公式サイトより)

大筋のストーリーとして言えば、女王マリカの後を継いで、エルデの王となると言う点では概ね発売前のPV通りのストーリーである。また、従来よりも世界観が大きく広がっていることにより、これまで以上に多数のキャラクターによるサブストーリーが充実しており、その点ではわかりやすいストーリーになっている。

しかし、従来のフロム作品同様、詳細な設定や明確なストーリーラインは明かされず、物語を理解するためにはかなり深い考察が必要となると言う点では、従来作と同様である。また、メインストーリーはおろか、サブクエストのストーリーにおいても全ての謎が明らかにはなっておらず、NPCのみならずエネミーにもかなり謎と設定が隠されていると思しき描写が目立つ。

また、ストーリーにおける最大の特徴が、冒頭で登場するネームドキャラクターの存在である。

ダークソウルシリーズではゲーム冒頭のネームドキャラクターは倒さなければいけないボスとして、選択の余地なく必ず戦わねばならなかったが、本作では大きく分けて倒さなければいけないボスと、ルート分岐に関わるキャラクターの二種類に分かれている。

その為、単にストーリーをクリアするだけならば、関わる必要もないキャラクターが冒頭で紹介されているという、世界観に凝った仕掛けとなっている。

本作でストーリー上必ず倒さなければいけないボスとは、エルデンリングにおける事実上の神々であるデミゴッドと呼ばれる存在であるが、単純にゲームをクリアするだけであれば、それすらも全てを倒す必要はない。

また、本作にはデミゴッドのみならず様々な神々が登場しており、ゲーム内の相関関係はかなり複雑なものになっている。特に、本作のストーリーの核とも言えるデミゴッド同士の関係はかなり難解な設定が練られているようで、ネットでは活発な考察が行われている。

この他にも大きな特徴として、本作では大きなキーワードとして黄金植物の三点がよく登場していると考察される。特には世界観そのものに大きな影響を与える用語として、かなり頻繁に登場する。

本作でも従来作同様にマルチエンディングが採用されているが、ここは少し今までとは趣が違い、基本となるエンディングにプラスアルファがされている。

基本となるのは、エルデンリングを修復してエルデの王となるいわゆるエルデの王ルートの中でも、壊れかけの時代ルートであるが、ゲーム内でゲーム分岐に関わるキャラクターによってはこのエルデの王ルートが分岐することになる。

エンディングルート内容必要なフラグ
壊れかけの時代褪せ人が王になる。全てのボスを倒す。
律の時代褪せ人が王になる。真理を見出す者からルーンを手に入れる。
昏き者たちの時代褪せ人が王になる。英雄を慕う女からルーンを託される。
絶望の祝福褪せ人が王になる。世界を呪う者からルーンを手に入れる。
星の世紀褪せ人とその伴侶の時代が始まる。暗い月の剣を手に入れる。
狂い火の王褪せ人が力に狂う。封印された指を見つける。

また、エンディングに関してはこれが全てのエンディングであるかどうかは発売一ヶ月の段階では不明であり、未確認の情報が出回り、ネット上ではまだエンディングがあるとも言われている。

登場人物

詳細は、エルデンリングの登場人物

エネミー

本作では多彩な敵キャラクターがモブや中ボスとして多く配置されている。

また、本作ではストーリーには直接関係がないが、世界観には深く関わっているボスキャラクターも多い。

モブキャラ

従来作でお馴染みの犬やネズミと言った動物系の敵や、スライムなどのお馴染みの要素も多いが、動物系では新たに鷹やトンボ、コウモリなど、飛行するモブキャラクターが大量に配置され、今までにない攻撃パターンの敵に悲鳴をあげるプレイヤーも多い。

また、エビやカニ、タコなどの海産物系の敵が数多く登場し、何故か彼らからドロップするアイテムがやたら美味しそうな解説だったりする

エルデンリングに登場する敵キャラ

中ボス

本作ではツリーガード接ぎ木の貴公子をはじめとして、様々な強敵がフィールドの各所に配置されている。

それも、各地を探索した末に戦えるとかそう言うレベルではなく、それこそゲーム開始とほぼ同時に戦える様な気やすさで中ボスと戦える

また、飛竜アギールをはじめとするドラゴン系の中ボスも数多く登場する。

エルデンリング登場するボス

ボスキャラ

本作では本筋に関係のないボスキャラも数多く登場する。本筋には関係ないので、避けることも可能だが、倒すことで得られるルーンをはじめとする報酬も多大な為、彼らと戦うことに損はない。

一方で世界観に大きく絡み、ムービーが用意されたものも多いので、歯応えのある敵との戦いや考察を深めたいものにとっても見返りは大きいと言える。

エルデンリング登場するボスデミゴッド

用語集

  • エルデンリング

本作のタイトルでもあり、世界観の根幹を成す存在。

しかし詳細は不明。作中において、このエルデンリングについて直接言及されたり、その設定について説明される事は殆どなく、女王マリカがエルデンリングを手に入れていたことと、現在は砕かれていること以外の情報はほぼ何も分からない。

ただ、エルデンリングのシンボルが、デミゴッドの持つ大ルーンや、狭間の地で手に入れるアイテムであるルーンの弧と一部が似ているという特徴がある。

かつて狭間の地に住まい、しかしその瞳に宿っていた祝福を失ったことで追放された者たち、またはその子孫のことを指す。

破滅的な「破砕戦争」を呼び水として、再び齎された祝福と共にかつての故郷に舞い戻ることになる。

祝福と共に、彼らは壊れてしまった世界を修復し、エルデの王となるという目的に目覚めるのだが、今では殆どがその目的を放棄してしまっている。

黄金樹の根元に広がり、その加護を受け繁栄してきた地を指す名。四方を霧の海で覆われている、とされる。

神たる女王、マリカによって治められてきたが、しかしある時黄金樹の力の源たるエルデンリングが砕かれ、そしてマリカは何処かに姿を隠した。

砕かれたエルデンリングは散らばり、「大ルーン」としてマリカの子供達であるデミゴッド達にもたらされ、その力に狂ってしまった彼らは破滅的な「破砕戦争」を引き起こした。

長い戦乱は狭間の地を荒廃させ、未だに復活の兆しは見えていない。

半神」。

神たる女王マリカ、その子供たちのことを指す。

エルデンリングが砕かれ、マリカが何処かに隠れた後。砕かれたリングの破片の内の大きな幾つか、即ち「大ルーン」を手にし、その力に狂い、破滅的な「破砕戦争」を引き起こした。

狭間の地が荒廃してしまったように、その多くはもたらされた力の大きさに耐えきれず、元の姿からは大きく変わり果ててしまったという。

彼らを殺し、大ルーンを回収することが狭間の地を訪れた褪せ人達の目的であり、いくつかの大ルーンを集めることによって後述する「二本指」や「黄金樹」に見える資格を持つことが出来る。

狭間の地の繁栄の源。見上げるばかりに聳え立つ巨木。その枝は空に広がり、覆い、この地に住まう遍く全てを祝福する。狭間の地の各地にいても視界の端に映るほど巨大な存在であり、その麓には王都ローデイルが存在している。

星の運行や生命の在り方といった「世界の法則」を決める程の絶大な力を持っており、ある時その力の源たる「エルデンリング」が砕かれたが、それでも枯れたりといった気配は今の所は見せていない。

また、狭間の地の各地には小黄金樹と言う黄金樹の若木とも言える樹木が存在している。

  • 祝福

エルデンリングが砕かれ、荒廃してしまった狭間の地。壊れてしまった世界を修復するために、かつて追放された者たちの瞳に齎された物。

それは光の筋となり、褪せ人を黄金樹へ導くように道を指し示す。しかし強制力のような物はなく、導きに従うも従わぬも褪せ人次第である。

また時にそれは篝火の炎のように各地に現れる。そこは褪せ人の依りて来る場所であり、荒廃した世界でも心安らぐ数少ない安息の地である。褪せ人は、ここで各種レベルアップを行うことが出来る。

ただそのためには、まず巫女の力を持つ人物と接触しなければならない。

  • ルーン

黄金樹の欠けた祝福。狭間の地に生きる者ならば等しく持つ、謂わば生命力のような物。

褪せ人はルーンから力を引き出すことによって成長する能力を秘めているが、しかしそのためには「指読みの巫女」と呼ばれる存在の助けがなくてはならないと言う。

ソウルシリーズソウルBloodborne血の遺志に当たる物であり、レベルアップだけでなくアイテムを買う時の通貨の役割も果たす。

死んだ際に全てその場で落としてしまうのも相変わらずな模様。

  • 指読みの巫女

褪せ人に祝福を齎した「大いなる意志」の使いたる「二本指」に仕える者たち。その言葉を聞き取り、褪せ人に伝える役割を持つ。

またルーンを糧にする力を持ち、時にそれを褪せ人に分け与え、彼らの旅の助けをする。

しかしその多くは今は何処かに行ってしまったようだ。

本作のエスト瓶に当たる回復アイテム「聖杯瓶」は彼女たちと出会うことによって与えられるが、それは指の巫女ではないとある人物との邂逅で渡されることになる。

  • 円卓

狭間の地とは異なる位相にある聖域。聖域故にここでは一切の戦闘行為が禁じられている。破ることは決して許されない。

ソウルシリーズの火継ぎの祭祀場と場所の性格が似通っており、エルデンリングに至る道を探る英雄・褪せ人たちが集い、武器や各種遺灰の強化、アイテムの取引、倒すべきデミゴッドの情報を入手することが出来る。

多くの剣が突き立てられた「円卓」の中心には他のどれよりも大きい祝福が存在し、その真向かいには開かずの扉がある。

デミゴッドの一柱を倒すことによってその扉は開き、奥に鎮座する「二本指」と対面することが出来る。

詳細は不明。

しかし、後述する大いなる意志とは違い、ハッキリとしたビジュアルが描かれる世界観の大きな鍵を握る存在。

二本指」と呼ばれる存在は、大いなる意志の代弁者としての役割を持ち、「円卓」に存在している指は、数少ない巫女であるエンヤと通じて褪せ人に大いなる意志の言葉を伝える役目を持っている。

一方で、この「二本指」に関しては過去に複数の存在が何某かの役目を持って存在していた様で、「神授塔」という場所には、過去に存在していた「二本指」残骸らしきものが残っている。

また、「二本指」とは全く異なる異質な指として、「三本指」が存在しており、この「三本指」は狭間の地の何処かに存在するという。

  • 大いなる意志

詳細不明。

黄金樹や二本指・三本指などの物語の鍵となる存在とは違い、ビジュアルも不明。

ただ黄金樹と繋がりがあるようで、神たる女王マリカの子供たち・デミゴッドを見捨て、代わりに追放された褪せ人たちに祝福を齎し、再び狭間の地に呼び寄せた。

その目的は詳らかではないが、壊れた世界を修復させようとしていることは確かである。

漫画

2022年9月に、「ELDEN RING 黄金樹への道」がコミカライズ。

フロムソフトウェアの監修の元、「邪剣さんはすぐブレる」ほか、pixvにも投稿がある「片乳首出したおっさんの後つけたら天空の剣見つけた」の漫画版などで知られる飛田ニキイチ氏が描く。

日本語や英語を初め11言語にローカライズして配信される様子。

全面シリアスなゲームのエルデンリングとは裏腹にまさかのギャグ漫画であり、飛田ニキイチ氏の「高い画力で美麗に描かれたキャラクターたちがシュールなギャグをやたら連発する」作風は健在。

ほぼ全編がギャグ調でありながら、冒頭のプロローグや一部に挟まれるシリアスシーンへの転換もキッチリしており、美麗な作画によってバトルシーンも見ごたえ十分。

さらに飛田ニキイチ氏自身がエルデンリングのヘビープレイヤーであることからか、既プレイヤーなら一度は感じたであろうあるあるネタネット上でのキャラクターたちの評価を基にした(と思われる)ネタが多く盛り込まれているのも特徴。

第1話からあまりにもギャグ全開で大丈夫なのかとも思われるが、第1話と第2話のネームはほぼ修正なしで一発OKが出てしまったとのこと。さすがにこれには作者も困惑していた。どういうことなの……。