ストーリー
ギリシャ神話の百眼巨神アーガスが、「メガ・アーガス」として現代によみがえった。
「メガ・アーガス」は次々と増殖し、地上を支配しようとしている。人類は「メガ・アーガス」の増殖を阻止するため、ファイター「ウォル・アーグ」に望みを託し発進させた!
はたして「ウォル・アーグ」は「メガ・アーガス」を倒し、増殖をくい止め、再び平和な地球を取り戻すことができるのだろうか!? さあ!テイク・オフ!!
(ファミリーコンピュータ版 取扱説明書より)
概要
ジャレコが1986年に販売した業務用縦スクロールシューティングゲーム。開発を担当したNMKのアーケードゲーム 処女作としても知られる。
8方向レバーにボタン2つで操作し、ボタンはそれぞれ対空攻撃と対地攻撃を行う。自機ウォル・アーグは対空5種、対地3種の武装を有し、それらが各ステージ毎に強制的に切り替えられる珍しいシステムを導入している。
自機は画面上では横方向に移動せず、背景や画面上の物体を左右入力と対になるよう動かす事で横方向の動きを相対的に表現している。
各ステージボスのメガ・アーガス戦後に、滑走路へランディングするミニゲームが遊べる。成功すれば残り時間に応じたボーナス得点が入る。失敗して自機が爆散しても残機は減らないが、後述のパワーアップ取得済みの場合、パーツ消失によりパワーアップが持ち越されなくなる。
地上物として、青い文字のB、黄色い文字のE、赤い文字のPが出現し、それぞれ3回破壊することで以下のメリットが得られる。
- B
10秒間完全無敵になるバリヤー。敵機や敵弾のみならず障害物も通過可能に。
- E
取得すれば画面上の敵と弾が消滅するエナジーボールが画面中央に発生。
- P
パワーアップ。強化パーツが装着され自機の攻撃力とスピードが上昇する。
他に灰色のLがあり、破壊した数だけランディング成功時のボーナス点に倍率が掛かる。
移植作品
同年、ファミリーコンピュータへ移植されている。
容量の都合か、武装の種類が大幅に削減されており、対空は2種類をステージごと交互に切り替える形に。対地は1種類のみのため、切り替えの要素自体が消失している。
また、Eのエナジーボールは廃され、代わりにと言う訳でも無かろうがロボット『ウォル・アーマー』に変形し数秒間無敵になるという仕様が盛り込まれている。同じく無敵になるBとの違いは、空中物をロボットが吸引し自動的に破壊可能な点。
ちなみにファミコン版以外、移植作品は存在しなかった(2003年にPlayStationで発売された「ジャレココレクション」収録のものもプロジェクトEGGで配信されたのもファミコン版)。
金沢社長さま、難しすぎて飽きられる以前に人気出なかったんじゃ?
・・・しかしながら2018年8月30日、PlayStation 4、およびNintendoSwitch用「アーケードアーカイブス」として業務用が初めて移植され、配信が行われた。
余談
- 後にテクノスジャパンへ移籍する吉田晄浩がグラフィッカーのアルバイトで関わっており、コメントによると敵編隊の動きなど観て楽しめるように徹夜で調整してジャレコへ提出したが、ジャレコの金沢義秋社長に「ゲームは難しくないといかん。すぐに飽きられてしまう、そのまま2倍(敵の数、弾の数、強さ、それぞれを2倍)にしてくれ」と言われて受け取ってもらえず、やむを得ず(当然編隊の動きなどは崩れるが)調整をやり直し、結果として1面クリアさえ難しい高難易度のゲームになったという。
- 画面を飛び交う敵弾は、グラデーションと光沢で描かれた、ガラス球のような艶やかなデザインになっている。その透明感ある独特なドット画のセンスは、同社の後発作品バルトリックやサイキック5にも顕著に表れている。
- 初のアーケードゲーム専門誌として知られる雑誌ゲーメストの創刊号の表紙を飾ったのは、このゲームのイラストだった。
- ゲームタイトルを50音順に並べるとトップになるゲームとして有名だった(2010年に「あぁあの懐かしのシュウォッチ」に抜かれている)。