伊勢弁
いせべん
概要
三重はぜーんぶ関西弁やと思ったら大間違いやに。三重は主に伊勢、伊賀、志摩の三つの地方に分かれとるけど、それに合わせて方言も5つあるんやで。いうても博多弁みたいに特徴的ではないな。ま、簡単に特徴打っとくね~
・文法やアクセントは関西弁をベースとしながらも、単語は尾張弁や遠州弁と共通するものが多い。
・文の最後に「に」を付ける。
例)そんなこと言ったってしょうがないに。
・文の最後に「わさ」を付けるときもある。
例)でも、まだ分からんわさ。
・髪を「すく」は髪を「とぐ」っていう。
・関西弁で否定を表す「へん」は、伊勢では「やん」
例)「できひんやん」→「できやんやん」 「行けへんわ」→「行けやんわ」
・"伊勢「な」言葉"と言って、文節ごとに「な」を挿入しながら切り分けて話す。
私が知っとるのはほんの一部やに、知っとる人おったらぜひ付け足してちょ~
アクセントが京阪式で、基本的な語彙が関西弁そのものやさかい、知名度の高い京都弁や大阪弁とは明らかに異なる独自の地域性を持った方言なんやわさ。例えば「来ない」を意味する言い方は、京都の「きいひん」、河内の「きやへん」、大阪の「けえへん」、神戸の「こおへん」なんかとは全くついでのない「こやん」いう言い方をするんやに。
せやから「エセ関西弁」のレッテルを貼られて、話者が学校や職場でいじめを受ける原因になってまうこともあるんやわさ。
やけどなぁ、誤解したらあかんのは方言の価値に上下関係はないいうことやに。標準語である山手ことば以外は全て等しく「訛っている日本語」なんやわさ。伊勢弁話者にとっては自分たちの言葉は「エセ関西弁」なんかやないんやわさ。むしろ京都や大阪の人間が使っている言葉こそが、「エセ伊勢弁」やに。こういうレッテル貼りは社会人としての品位が疑われるから、やめた方がええに〜。
余談やけど、こういうレッテル貼りしはってパワハラしはる人は、当の関西弁の話者である京都人や大阪人にはほとんどおらんに。むしろ関西弁をメディアを経由してしか知らん東北地方や首都圏の出身者に多い気がするんやわさ。理由はようはわからんのやけど、多分三重県は近畿地方に隣接しとって人的交流が活発やから、関西人が伊勢弁を聞いた際には「あ、エセ関西弁や」と思うより先に「あ、こいつ伊勢人や」と思うからちゃうかな〜。
伊勢弁話者は自分たちの言葉を関西弁の一種やその変種やとは思うてやんわ。伊勢弁という独立した方言やに。これはおんなじ東近畿方言の志摩弁も一緒やな〜。碧志摩メグの自治体の公認キャラクターとしての是非が取り沙汰された際にも、公認反対派の市民から「メグの言葉遣いが伊勢弁でも志摩弁でもなく、関西弁である」との理由が議題に上がったいう話やに〜。