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概要

パキスタンアメリカ人女子高生で、イスラム教を信仰している。

コミック「Inhumanty」で起こった事件の影響で、自身に眠っていたインヒューマンズの力に目覚め、その力を正義に役立てるため、憧れのヒーロー・キャロル・ダンバース(現キャプテン・マーベル)がかつて名乗っていた「Ms.マーベル」を名乗って、ヒーロー活動を始める。

MARVELコミックスで初めて主人公となったイスラム教徒のキャラクター。

現実世界のムスリムにも実はヒジャブをつけない人は多く、彼女もその1人である。

作者もイスラム教徒だが、カマラを宗教の代表や象徴として造型するのではなく、どの人種、どの宗教にもいる等身大の人物として描く方針である(参考リンク)。

……日本人からすると、人種よりも、自分でもファンフィクション(二次創作)を執筆するようなヒーローオタクなキャラクター性の方が驚きかもしれない。

ちなみに、カマラ自身はスパイダーマン×キャロル推しらしい。

ちなみに短期シリーズ用に作られたが人気が出たのでレギュラー化したキャラでもある。

なお、コミックでは2023年に「死亡→『人気キャラが死んでも生き返ると思え』が定番のアメコミの基準からしても最速の復活→その際に実はインヒューマンズミュータントのハイブリッドだったと云う設定変更が行なわれる→復活後にはミュータントとしての能力が発動」となった。

一見すると、MCUの設定に合わせてコミックの設定を変えたかに見えるが……カマラの復活とほぼ同じタイミングでMARVELコミック史上でも有数の規模のミュータント達の内紛が勃発し、当然、これにカマラも巻き込まれる可能性大という洒落にならない事態となっている。

能力

分類としてはインヒューマンで、そのパワーは変身能力。

体の巨大化と縮小化を主に使い、他人や物体に姿を変えたり、体の一部だけを伸縮させることも可能。

戦闘で多用するのは拳を巨大化させての殴打であり、その際の掛け声は「Embiggen!(巨大化)」

ただし、この能力の正体は、実は「他の時間軸から質量やエネルギーを持って来る」というもので、多用し過ぎるとタイムパラドクスなどの危険な事態を招く可能性も有る。

家族

父ユスフ、母ムニーバ、兄アーミルとともに、ジャージー・シティ在住。

保守的で若干過保護気味な両親とは折り合いが悪く、時折口論になるものの家族仲は非常に良好。

アミールはタイシャ・ヒルマンという女性と婚約しており、後に結婚する。

母方の祖母(ムニーバの母)はパキスタンのカラチで暮らしている。

彼女の父、つまりカマラの曾祖父ハサンは既に死去。曾祖母アイシャはインド・パキスタン分離独立騒動の際に夫や子と離れ離れになっており、その行方は杳として知れない。

演:イマン・ヴェラーニ、吹替:松岡美里

フェーズ4に属するドラマシリーズ『ミズ・マーベル』の主人公として登場、彼女のオリジンが描かれた。

コミック同様スーパーヒーロー、特にキャプテン・マーベルの大ファンで、コスプレ衣装を自作しコンテストに参加する他、部屋中至る所にキャプテン・マーベル含めヒーローたちのポスターやイラストが飾られており、その傾倒ぶりがうかがえる。

また、コミックと異なり二次創作ではなく、ヒーローやその周辺の謎を考察する動画投稿者として活動している場面が描かれた。

妄想癖があり、TPOを弁えず空想の世界に入り浸っては周囲から戒められている。

その為学業も芳しくなく、学校でも孤立気味だが、科学の秀才ブルーノや、同じムスリムであるナキアといった友人がいる為、完全に孤立しているというわけでもない。

家族関係は原作同様で、祖母の名前はサナになっている。

ミズ・マーベル

ある日祖母から送られてきたバングルを嵌めたことで内に秘められていた能力が覚醒。

身体を自在に伸縮させるコミックとは異なり、煌めく結晶体を自在に生成する能力となっている。

この結晶体は盾状に成型したり、足場を空中に展開したり、鎧のように全身に纏い防御するなど応用が効くものとなっている。

またコミックで印象的な技の1つである腕の伸長と肥大化についても、結晶体で表現されている(次第に、実際に手足が肥大化しているような外見に変化していく)。

機転や応用力次第では無限の可能性を秘めた能力であり、正しく彼女の想像力と創造力が強さを引き出す。

これらの能力は、内にある「ヌール」という超常的なエネルギーに起因することと、曾祖母が「ヌール・ディメンション」という異世界出身の種族「クラン・デスティン」(イスラム系の伝承で「ジン(魔神)」とも伝えられている存在)の一員でありエネルギーもそれに由来する事実が作中で語られた。

自身のアイデンティティや出自に葛藤や苦悩を覚えながらも様々な出会いや別れ、事件を通じて使命に目覚める。

その後はヒーロー活動を心配しながらも見守ってくれるようになった家族の支援を受けて、ビジランテとして活動を始める。

コスチューム

当初は、親友のブルーノとともに自作したキャプテン・マーベルのコスプレ衣装を着用していた。

その後、ブルーノから目元のマスク、レッド・ダガーズのワリードから青い上着、カリームから赤いスカーフを譲り受ける。

最後には、母から、ワリードからの青い上着を取り入れた正式なコスチュームを作成・贈られる。

胸部分にある稲妻のようなS字のシンボルマークは、カマラが持っていた、自分の名前のつづりを元にしたペンダントが、戦いの中で破損し、それを母親が発見したことから取り入れられた。

ヒーローネーム

当初はネット上で「ナイトライト(夜の光)」と呼ばれていた。(母からは「ライトガール」と呼ばれたことも)

その後、父から自分の名前「カマラ」が、ウルドゥー語で「感嘆(マーベル)」を意味することを教えられ、憧れのキャプテン・マーベルとの共通点に喜ぶとともに、「お前は私たちにとってのミズ・マーベル(感嘆すべき女性)だよ」と言われたことから、これをヒーローネームとして採用することになった。

明かされた真実(以下、最終話のネタバレ注意)

全ての事件が終わった後、ヒーロー活動を本格始動したカマラに、ブルーノは「自分たちの考えは間違っていた」と打ち明ける。

カマラの能力は、(曾祖母アイシャから遺伝した)ヌールだけが要因ではないことが発覚。

なぜなら、彼女の兄の希望で能力の有無について調べた際、両親や兄とは遺伝子レベルでの違いが生じていたからである。

このことから、カマラは遺伝子レベルで突然変異を起こしているという衝撃の事実が明かされた。

※上述の通りコミックではインヒューマンズだが、そのシーンのBGMは1990年代の『X-Men : The Animated Series』のものと似ていることから、ミュータントという考察が有力。

そして最終話のエンドクレジット。

部屋でコスチュームのままくつろいでいると、突如バングルが何かに反応。そのまま吸い込まれるように消えてしまった。

入れ替わるように現れたのは……

マーベルズ

映画『キャプテン・マーベル』の続編で、カマラも主人公の1人として、家族とともに登場予定。

演者のイマン曰く「『シビル・ウォー』のスパイダーマン的ポジション」とのこと。

なお、2023年4月公開の予告第一段では……あこがれのキャプテン・マーベルを描いた自作イラストが山程有る部屋をキャプテン・マーベル本人に見られるという、とんだ羞恥プレイを受ける羽目になる。なお、偶然にもカマラの部屋に転移してしまったキャプテン・マーベルも、自分のイラストが山程壁に貼り付けられてる部屋の様子を見て結構嫌そうな表情をしていた(まぁ、そりゃ、自分と見知らぬ女の子がハグしてるイラストまで有るので当然である)。

なお逆に転移したカマラはグースの触手攻撃を間近で見てしまうという狂気を受けてしまう

他メディア展開

アニメ

  • アベンジャーズ・アッセンブル

シーズン3「ウルトロン・レボリューション」の10話でカメオ出演、11話で本格的に登場。

シーズン2に登場予定。

  • マーベル・ライジング

スクイレル・ガールクエイクスパイダーグウェンことゴーストスパイダーら新世代のヒーローたちが活躍する新作短編アニメ。

続編のアニメ映画『Marvel Rising : Secret Warriors』にも登場する予定。

CV:鬼頭明里

シーズン1の15話に登場。設定もコミック準拠で当初はキャプテン・マーベルの姿であったがインベンターとの戦いでコミック同様のコスチュームになる。

シーズン2では6話から登場。何やら彼女の秘密も明らかになる模様。

鬼頭女史は後に、MCUでカマラが登場する1つ前の『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』にて、同年代のアメリカ・チャベスの吹替を担当している。

ゲーム

  • Marvel's Avengers

CV:黒木ほの香

メインキャンペーンシナリオの主人公として扱われている。

小ネタ

  • 「ヒーローオタクのヒーロー」設定の彼女だが、MCUで演じるイマン・ヴェラーニも「【アース616】じゃなくて【199999】でしょ?」と前作での矛盾に言及するようなガチのオタクである。なお、一番お気に入りのヒーローはアイアンマンとのこと。
    • 「北アメリカ大陸在住のムスリムのヒーローオタクの女性ヒーロー」を「北アメリカ大陸在住のムスリムのヒーローオタクの女性」が演じていることから、「イマンはカマラの変異体・並行同位体では?」=「別アースの同一人物が本人をやっている」という説まである。
  • MCUではコミックと「善悪を含めた作品内での役割・立場」や「性別」が違うキャラは登場してきたが、ヒーロー側で「能力が大きく違う」のは彼女も含めて数えるほどしかない。