ヤッテモーター!
保険詐欺
2023年7月6日、自動車保険の大規模な不正請求が各種メディアで報道された。以前の2022年3月に内部告発で問題が明らかになり、その後の2023年1月30日に特別調査委員会を設置していた。これは客の持ち込んだ車を従業員らが意図的に損壊し、その修理費用を客あるいは客の契約する保険会社へ不正に請求し代金を受領したとされるもので、各所で報道も行われている。
この責任を取るという体で代表取締役社長の兼重宏行氏(並び副社長にして兼重社長の実子・兼重宏一氏)が、同年7月26日をもって辞任した。
この背景にあったとされるのは、宏一前副社長が運営権限を握って以降に横行・常態化した、社内の極度の利益至上主義や、限りなく黒に近い過度の降格・左遷人事、パワーハラスメントそのものの退職工作など歪な社風とされる。
更に2019年から前副社長の業務案にて『(中古車業にて売り上げの2~3%にしかならない)板金塗装部門の売り上げを強化するため、5~10年の間に自社統轄の修理工場を3倍にする』との中古車業界の現状を知っていれば、まず掲げない過酷なノルマを課していたのも、上記の詐欺を横行させる土壌と化していた模様。
また、ビッグモーターは一部の顧客に加え、レンタカーや代車など本来ならば保険対象にならない車両に対し、架空の保険プランを提示・契約に持ち込もうとしたケースも露見された。
上記のそれらを見て分かる通り、犯罪に手を出さないと達成不可能の超過ノルマが設定されており、更にこのノルマが達成出来ないと後述するパワハラ役員による虐待が多発していたと、誰が見ても頭がおかしくなる事態を醸成していた。
パワハラ
前述の保険詐欺の元凶であるパワハラだがかなり深刻。
岐阜県の各務原店では元店長がパワハラで退社に追い込まれ、鬱を発症したとして会社に対し損害賠償請求訴訟を起こしている。が、提訴後に事故死している。偶然に!
マスメディアの報道によれば “受話器を輪ゴムで顔に縛り付ける、名刺に落書き、罵詈雑言” 等々……真っ当な大人の行いとは思えない狂態が横行していたとされ、組織の末端までパワハラ体質が浸透していたと思われる情報も。
経営計画書
ビッグモーターの社員が就職の際に受領する小冊子。
いわゆる『創業者の経歴・経営理念を纏めた』もので、その冒頭には『義を明らかにして、利を計らず』と真っ当な記載はあるものの、同時に “『有能なイエスマンと無能なイエスマンは良いですが、有能だが上層部に意見する人間は要りません(超要約)』” などの暴論も併記されている。
また、開店前のルーティンに全従業員が、起立の姿勢で経営計画書を音読するのが組み込まれていたとの報告もあり、この経営計画書の存在こそがパワハラの源泉と評せられる。
一部では『洗脳教育』とも揶揄されているが、認知的不協和の状態を意図的に作り出す洗脳の手法とも似通った面があり、全くの的外れでもないのが尚恐ろしい。
ロイヤルファミリー
本来は『王室』を意味する英単語だが、ビッグモーターでは当時副社長を務めていた兼重宏一氏、常務、本部長の三名を指す名称である。
彼らが直接各地の支店を巡って視察を行っていた際、更に少しでも気に食わない点があれば気分次第で横暴な降格人事が乱発されると、理不尽な ”絶対王政” 体制が築かれていた。
告発のあった中には「来訪した副社長に対し接客を優先したために挨拶が遅れた」「髪型を変えた」「白髪を染めていた」「プライベートで誘われた(自費での接待)飲食店が気に入らなかった」と業務内容や業績、労働内容に無関係と思われるものも多く、併せて口頭とLINEの双方で暴言三昧を繰り返されるのが常であったとされている。
社内報
『社内報』と銘打たれているが、実態は公開処刑通知と同義。
SNSの悪用
経営陣と店長によるリモート会議では、開催時間から僅かな遅れで降格処分を下す、ノルマ未達成の店舗に対し「無能」などと扱き下ろすのは日常茶飯事であったとされている。
某LINEなどのアプリは時間帯を問わず社員を叱責する(午前1時に叱責された社員も)、上述の『受話器をくくり付けられた写真を拡散される』など、一般的な社会通念ならび常識上、叱責や業務連絡の範囲を超えていると思われる暴言発信ツールとして用いられていたとされている。
ビッグモーター副社長構文も参照。
『顧客への対応』の名目による社員と顧客への暴言
顧客から問題行動を指摘された社員に対し「輩には輩の対応を」として、社員を理不尽に叱責しつつ、指摘した顧客にも「(クレームをした客を)連れてこい。今すぐしばいてやる(要約)」などの暴言を吐いていた。
給料の未払い、無料サービスの反故、自腹の強制
経営陣が社員を一方的に解雇した際、退職金や未払いの残業代を踏み倒していた事実が判明しており、労働基準法の違反の可能性が疑われる事案も。
車のナンバーの番号指定など『無料サービス』を謳いながら、そのコストを該当社員や店長から取り立てていたとも判明。これは当時の副社長の指示によるものとされている。
また、下請けの会社や営業職を強制的にタダ働きさせ、付近の店長の自腹を切らせた上で、幹部陣営はゴルフ・パーティ三昧だったともある。
環境破壊
ビッグモーター周辺の公道や隣接する店舗等の街路樹に、除草剤が撒かれ枯死、あるいは植栽の行われた『緑化義務』のあるエリアがコンクリート舗装される事件が頻出していたが、これに関してもビッグモーターの関与が疑われている。
また、街路樹をガスバーナーで焼損する行為も目撃されており、放火(建造物等以外放火罪)、あるいは殺人未遂や器物損壊等の刑法に触れる行為にも行っていた可能性がある。
更には下請け業者を呼び付けてタダで草むしりさせていた事も判明。勿論、断れば出禁にするという強迫込みである。
自分の手を汚すに飽き足らず、他人の手まで汚すよう加担させる、所謂暴力団が使う手口である。(出点)
街路樹は公共の財産であるため、損壊を行ったとすれば罪に問われる可能性がある。
一部店舗の敷地内の芝生も撤去している実態が確認されており、こちらは『都市緑地法』に定められた内容に反している可能性も浮上している。
保険会社との癒着
過去には損保ジャパンに代表される、複数の保険会社から累計50数人(損保ジャパンに至っては同社だけで37人)にも及ぶ外部出向があったなど、不自然な繋がりも露にされた。
特に損保ジャパンに至っては旧・日本興亜損保時代に、宏一前副社長が同社に勤めていた経歴もあり、上記の2022年3月の内部告発における特別調査委員会が立ち上がった最中、ビッグモーターとコネがある保険会社が取り引きを一時停止する状況下で、損保ジャパンだけ調査を早々に打ち切り、いち早く取り引きを再開した。
また、ビッグモーターと損保ジャパンの間で、互いに新規顧客の紹介し合うなどのやり取りもあった模様。
車両破壊
顧客から預かったクルマをボコボコに損壊し、保険金を水増ししていた。
「ドライバーでタイヤに穴を開ける」「ゴルフボールを叩きつけてボディを凹ませる」など手口は多岐にわたる。木ネジをタイヤにねじ込み「パンク」の状態を作り出した件は各種メディアで報道も行われたため記憶に新しい。
詐欺の構成要件を成す欺罔行為の一種であり、これにより被害者(客)が錯誤に陥り、財産の交付(代金支払)を行っているため、刑法上の詐欺罪に当たる可能性も濃厚。専門家もも詐欺罪もしくは器物損壊罪と見積もっている。
下手をすれば更なる自動車事故に直結しかねない為、顧客の命をも蔑ろにした行為と断言してよい。ゴルフへの冒涜どころではない。
そのような意図的な顧客の車両破壊による保険金の水増し請求があまりにも多すぎたために、全国的なデータ上の保険金総額の上昇と車両保険料の増額を招き、顧客のみならず日本中の任意保険加入者から組織的かつ不当に保険料を搾取していた実態は、もはやヤクザを超えた何かである。
- またこの事案に関しては『車を壊す』→『金(得点)になる』との共通項を含むスキームから「『ストリートファイターⅡ』のボーナスステージ」と揶揄するコラ画像も流通している。草生える(除草剤)。
- 報道では “買取査定に持ち込まれた車を意図的に破壊し買取金額を下げる” との発表もあり、まさにボーナスステージな状態であったとされている。
- 事件発覚後の7/31に、北関東でゲリラ雷雨が発生、群馬県などでゴルフボール大の雹が降って車がボコボコになる事態が発生した。SNS上では「天然のビッグモーター」「雹を愛する人への冒涜」などの反応が相次いだ。
部品転売
2023年8月8日、元社員の証言により、車検において問題のなかったはずの部品の発注料金を車検料金に勝手に上乗せし、届いた新品の部品をメルカリ等フリマサイトで転売する不正の手口が明らかにされた。
前述の厳しすぎるノルマの達成のために行われていた側面もあるが、社員が自分の小遣い稼ぎに自主的に部品の転売をしていた例もあった。
ナンパープレート無しの走行
2022年5月28日、同社の自動車がナンバープレート無しの状態のまま公道を走行していた様子が目撃された。複数の目撃例が確認されており、国土交通省は「適切ではない」とコメントし対応を検討・示唆した。
関連動画
このお前が言うな感。