概要
1995年に映画『耳をすませば』で同時上映された7分短編のジブリ作品。
近未来の地下都市で警官二人(chageさんとaskaさんに似る)が、羽の生えた少女を見つけ、空へ帰そうと奮闘する。
制作にあたってのインタヴューにおいて、インタヴュアーは
と言っている。その際宮崎は
- 「押井くんが天使出さないから こっちでやっちゃったよ」
と言いながら、その少女について
- 「ただ羽の生えた人かもしれない」
とも言っている。
一応CHAGE&ASKAの曲のプロモーションビデオとして造られた物であるが、ソフト化したものは「チャゲアスの曲がBGMになっている」上ジブリのお家芸化している「銃声や、弾丸が物にあたる音等」が変質狂的に入ったヴァージョンが入っている。
作成当時ジブリと宮崎駿は、「『美女と野獣』を翻案したアニメ」の製作に行き詰っており、たまたま来たこの依頼を受け、作ったところ、そちらの方も何とかなってしまった。
余談
宮崎アニメとしては珍しい近未来SFで、世界観はサイバーパンクとアトムパンクの中間と言ったところ。第一印象は作成当時すでに有名なAKIRAを思わせる地下都市。
地上の背景にはコッペリオンを先駆けた汚染された世界で、封印された核施設や廃棄された町などが見える。
さらに建築物にはルパン三世(第2期・最終回)に登場したロボット工場が確認される。
2014年発売の『宮崎駿監督作品集』に収録予定であったが、本作の歌を歌っていた飛鳥涼が覚醒剤で逮捕されてしまったために取りやめ。これ以前にも『ジブリがいっぱいSpecialショートショート』にも収録されていたが、事件の余波で出荷停止され、なかば封印作品になってしまった。
ただし、『~作品集』に同梱されていた購入証明書を送れば、本作を収録したDVD/ブルーレイが配布されるという救済措置が採られた。
道楽と趣味で、第二次大戦までの兵器と人の姿を描く不定期連載漫画『宮崎駿の雑想ノート』を掲載している雑誌「モデルグラフィックス」の編集長、梅村弘氏に語ったところによれば、製作者は、第二次大戦時ドイツで製作した、新兵訓練用教育映画、邦題『対戦車戦』を戦闘シーンの参考にしたと言っている。(「モデルグラフィックス」の大日本絵画社から「戦後50年」の1995年前後にビデオで発売されている。)
関連タグ
風の谷のナウシカ:OnYourMarkはナウシカの前日談と言われる。また、OnYourMark終盤で羽の生えた少女が天高く飛び上がり小さく映るシーンと、アニメ版風の谷のナウシカにてナウシカが最初に画面に映るシーン(メーヴェで飛んでいるナウシカが小さく映っているカット)が非常に似ている。