「コーラルよ、ルビコンと共にあれ…!」
概要
ゲーム、アーマード・コアⅥに登場する物質。ルビコン3から採掘される資源であり、今作品のキーマテリアル。
強力なエネルギー資源であり、また情報導体である反面、中毒性のある嗜好品としても使用されるらしく、作中の登場人物にはコーラルの中毒者もいる。
また、食料としても使用されるともされており、「ミールワーム」というこれを食す虫(先述の食料の正体)を育てる餌にもなる。
コーラルを動力とする兵器が大災害を経て完全放置で半世紀経ってもなお安定稼動するなど、資源としてかなりのポテンシャルを持った存在であることが示唆されている。
Cパルス
コーラルの特性の一つとして「Cパルス」というものがあり、これを用いることで人間の知覚を増幅することができるという。このコーラル技術を用いて製造されたのが、主人公であるC4-621やレッドガンに所属するG5イグアスのような第4世代強化人間(C4)、並びに第1世代強化人間(C1)であるスッラである。
ちなみに強化手術の内容としては「開頭手術による脳深部コーラル管理デバイスの埋め込み」と、「脳内へのコーラル注入」という非人道的なものである。特に第1世代は手術の段階で死人が出るのも当たり前だった模様。
この強化手術によってパイロット適性を獲得こそできるが、運が悪いと脳内コーラルが焼き付いて感情希釈や記憶障害など精神面に深い障害を負うことになる。
これらコーラルを用いた強化手術は、後述する「アイビスの火」でコーラルが焼失して以降は非合法な闇医者のみが取り扱う過去の遺物となり、第7世代以降はコーラル代替技術を用いたものが一般的となった。本格的にコーラル代替技術が確立したと思われる第8世代においては第4世代を含む旧世代強化人間を完全に無価値なものにした。
第9世代においては、旧世代強化人間の弊害である脳内コーラルの焼き付きを中和することができるようだ。
今作のオペ子である「エア」は621がコーラルの逆流(予兆なく、或いはなんらかの衝撃でコーラルの枯れ井戸からコーラルが大規模噴出が誘発される事故)に巻き込まれた際に幻聴の様な形で語りかけてくる様になった存在だが、コーラル汚染やコーラルそのものとの関係は不明。
依頼を持ってきたり、ネットを介して情報を売買したりと確かに現実に干渉して行動している事から主人公の脳内にしかいない存在ではない様だが…?
リスク
コーラルの持つリスクとして、高濃度のコーラルがなんらかの衝撃を受けると、全てを焼き尽くす業火へと変貌する、特殊な発火現象が起こる事が挙げられる。
ルビコン3周辺の星系はかつて「アイビスの火」というコーラルの大規模発火現象により焼き尽くされた上に、コーラル汚染という非常に人体に有害な環境汚染が発生、一時期はこの宙域に近づくだけで危険な状況になっていた。
以降この厄介な万能物質は焼失したと思われていたが、最近になってその反応が微量ながら復活した事で、企業たちが埋没しているであろうコーラルを巡り鎬を削っているのが現在の状況である。
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ACVIのネタバレ注意、未プレイの閲覧非推奨
「"コーラルよ、ルビコンと共にあれ"…この警句には続きがある…」
「"コーラルよ、ルビコンと共にあれ"、"コーラルよ、ルビコンの内にあれ"、"その賽は投げるべからず"…!」
「コーラルをルビコンの外に出してはならんのだ…!」
「コーラルは自己増殖する生体物質であり
その増殖速度は個体群密度の影響を受ける
例えば真空状態
これは密度を最大化する理想的環境の一つと言える
重要なのは密度効果による『相変異』の兆候を見逃さないことだ
それは人類に制御できない破綻となる」
「まずい
コーラル潮位が異常な速度で上昇している
この共振は相変異の…
計算しろ 猶予は?
47時間2分16秒
まだ間に合う
アイビスを出せ!」
一種のエネルギー生命体であり、微弱ながら意思が存在する。
ほとんどのコーラルは微生物程度の意思しか持っていないが、超高濃度のコーラルの爆発に巻き込まれた人間の知性を吸収して自我を確立出来る模様。
また、極めて電子導線・情報導体としての性質に優れているおかげか、電脳ネットワーク内に侵入・ハッキングしたり、コーラル動体式のACであれば起動、操縦出来る。
更にコーラルには
・一箇所に集まろうとする
・集まると指数関数的に増える
・ある程度の濃度になると増殖が暴走、爆発炎上する
……という全自動アイビスの火発火装置としか言いようがない性質がある。
そのため放置すると「全宇宙が可燃性のガスで充満し、何処かで発生した火種で全宇宙が誘爆、炎上する」に等しい大規模宇宙災害が発生する危険性があるため、大気圏外へ広がる前にルビコンを周辺宙域ごと焼き払わなければならない。過去に発生した「アイビスの火」もそれであった。
それを実行するルートが「レイヴンの火」ルートであり、他に何か方法があるかもしれないとぶん投げるのが「ルビコンの解放者」ルートである。
「残り12分
やるべきことは全てやった
アイビスの火を見届けるのは私ひとりで良い」
「技研もルビコンも壊滅は避けられない
問題はそのあとだ
変異波形発生の兆候も見られる
観測を続けなければ」
そして上記の自我を確立した希少な例であるエアこそが、変異波形こと『Cパルス変異波形』のひとつである。
エアは自分がかつてルビコニアン(ルビコンを故郷とする人間)であったという自認があるため極めて人間らしい(それもかなり無垢な印象を受ける)情動を見せる。
その上で一部地域のコーラルに発生した特殊波形であるという自認も同時に持っているため、コーラルの事を「かつてアイビスの火で焼かれた同胞(ルビコニアン仲間兼同じコーラル)」と認識している。
その為「レイヴンの火」ルートで621がコーラルを焼き払うという選択をした際は自分及び同胞を再度焼き殺すつもりであると認識し敵対、敗北後彼女の意識は消滅、レイヴンの火によってコーラルは再び焼き払われる事となる。
ACVI最終分岐、「賽は投げられた」ルートの更なる重大なネタバレが含まれます。完全クリア前の閲覧非推奨
ここを渡れば人間世界の悲惨、渡らなければわが破滅。
進もう! 神々の待つところへ! 我々を侮辱した敵の待つところへ!
賽は投げられた
-古代ローマの英雄、ユリウス・カエサルの格言
「お前は自分が何をしようとしているのか分かっているのか?」
「オールマインドと関わるのはやめておけ」
「リリースに夢を見るのも…止めておけ」
「味気ないレーションを食い、泥水のようなフィーカをすする」
「うんざりするが…それこそが人間だ」
『いつものように、私の内側で彼女が囁く
技研都市の論文に…共生の可能性を見つけてきたと
「コーラルリリース」
これが果たされれば
私も「向こう側」に行けるかもしれない』
『彼女は私の意思を尊重するという
ここを渡れば人間世界の悲惨
渡らなければ…
賽を投げる覚悟が、私にはできずにいる』
『私達の計画どおり、企業はコーラルを吸い上げ、ひとところに集めた…』
『あとはきっかけさえ与えれば、集積したコーラルは解き放たれ』
『人類に、新たな地平を拓くでしょう』
『「コーラルリリース」』
『レイヴン。…そしてエア』
『そのトリガーとなるべき存在が、貴方たちなのです』
「賽は投げられた」ルートにおいてオールマインドは
・まず第1段階として、子飼いの傭兵にコーラルの存在をリークさせ、星外企業(この場合はアーキバスグループとベイラムグループである)によるコーラル獲得競争を勃発させる。
・星外企業によるコーラル獲得競争とそれに伴う多勢力による戦乱の渦中において、傭兵支援システムとして活動する事で競争を煽り、コーラル技術を用いた第1~第4世代の旧世代強化人間の中から『特別な強化人間』の選別を行う。
以下判明している『特別な強化人間』
第1世代:C1-249 スッラ(エアと接触する予定だったようだが、ウォッチポイント・デルタにおけるC4-621との交戦で死亡)
第3世代:不明
第4世代:C4-621 レイヴン(ウォッチポイント・デルタにてエアとの交信に成功)
G5 イグアス(頭痛を伴う耳鳴り程度だが、変異波形の声を感知できる模様)
その他:V.Ⅲ オキーフ(元々第2世代の強化人間であったが、脳内コーラルの焼き付きを中和する第9世代強化手術を提供することを条件にヴェスパー入り。オールマインドの賛同者であり、スパイ活動を行っていたが、技研都市突入前に離反。621によって事故という形で排除される)
・企業にコーラルをルビコン星外(宇宙空間)に吸い出させ、一箇所に集めさせるよう誘導する。
・そうして集まったコーラルを刺激する事で一気に爆発的増殖を開始させ、その臨界による爆縮でコーラルによるビックバンとも言える大規模爆散を発生させ、コーラルを全宇宙にばら撒く
・そのバラ撒かれたコーラルによって”人類”に新たな地平を拓く
……という『コーラルリリース計画』を成功させる事を企んでいた。
「コーラルは自己増殖する生体物質であり
その増殖速度は個体群密度の影響を受ける
例えば真空状態
これは密度を最大化する理想的環境の一つと言える
重要なのは密度効果による『相変異』の兆候を見逃さないことだ
それは人類に制御できない破綻となる」
相変異:生物個体群の密度に大きな変化があるときに、同一種の個体に形態・色彩・生理・行動などの著しい変化が現れる現象。普通は飛ばないワタリバッタが、大発生すると群れで飛行して大移動するなどがある。
動機は全くの不明で、オールマインドもまたエアと同じCパルス変異波形なのか(それだとするならばコーラルリリースにエアは不要である。最終決戦における「エア、あなたの同胞も私に賛同するでしょう」と言う他人事な発言もおかしくなるが、はぐれコーラル変異波形の線はある)、上記のコーラルが持つハッキング能力が原因でアイビスの火による高濃度コーラルにさらされた事で傭兵管理システムがバグったのか(そうだとするならばコーラルをばら撒く動機がない)、それとも他の理由かは作中説明されていない。
動機を推察する手がかりとしては、「やはり人間の組織など統率が乱れれば脆いもの」というどこか人を見下した様な発言と、『コーラルリリース計画』の論文が技研都市に残っていた……つまりルビコン調査技研の誰かがアイビスの火発生以前にその計画と構想を提唱していたという点である。
そもそもこの『コーラルリリース計画』。端的に言えば放置すれば半世紀ほどで一つの星系宙域を巻き込んで自然に爆発炎上した挙句汚染するゲキヤバ物質であるコーラルを全宇宙にばら撒く(宇宙のそこかしこが半世紀ごとに、自動で焼き払われる事になる)という、誰がどう見ても常軌を逸している文字通り狂人、自殺志願者どころか破滅願望持ちの発想としか思えない代物(例え肝心なところで裏切られたとしても悪態こそつくものの何か事情があるのだろうと笑う・楽しむシンダー・カーラをして「その選択は笑えない」と吐き捨てる、交信を通して計画の存在を知ったドルヤマンも最終的に躊躇する程)である。
アイビスの火以前当時でも、ACシリーズ屈指の変態技術者集団であったルビコン調査技研内部ですら、さすがに異端と目されていたとしても何らおかしくはない……と言いたいところだが、コーラルリリース計画に必須であるコーラル大気圏外吸い出し装置ことバスキュラ―プラントが技研都市跡に遺されていて、かつ「人体感覚の拡張」に主眼をおいたパーツや旧世代強化人間に用いられるコーラル技術、「人間とコーラルの生物学的な類似性」に着目した「異なる種が相補的に進化する手段」としてのACを建造していたりと、下手をしたら技研の人間の大半がコーラルリリース計画にノリノリだった可能性すらあったと思われる。
余談であるが、オールマインドが開発したACパーツも、奇遇なことにかつての技研の一部パーツと同じく「ACを皮膚として扱える程の人体感覚の拡張」をテーマとしたものである。
またさらに余談であるが、ACシリーズにおいて人間の意識の電子化はお約束である。
『第1助手の様子がおかしい
明らかに研究に取り憑かれている
Cパルスで人間の知覚を増幅するなど
理屈は通っていても許されるものではない
可能性が人を狂わせる
コーラルはその最たるものだ』
リリースの条件として「コーラルをルビコン星外に持ち出そうとする勢力が必要」であり、そのために独立傭兵レイヴン(621ではない、道中戦う本物のレイヴンの方)にコーラル再湧出の情報をアーキバス、ベイラムにリークさせた。(封鎖機構が度々レイヴンに怒りを向けてくるのはこれが理由、これさえなければそこにあるだけの星を監視するだけでよかったのに密入出国まで迎撃する羽目になっている)
そして更にそのコーラルを刺激し、宇宙規模に拡散させる傾向を与える(そのままではまたルビコン3宙域を焼き払っておしまいになってしまう)役割として「意思を持った特殊なコーラル波形」であるエアと、それをその場面まで護送し、また安定して特殊コーラル波形に接続するためにそのコーラル波形と交流できる、即ち高濃度コーラルに呑まれた経験がありながら尚も生きている「コーラル技術を使用している特別な旧世代強化人間」であるC4-621が必要だったのである。
「レイヴンの火」ルートではコーラルを焼き払われてしまい頓挫、「ルビコンの解放者」ルートでは邪魔者であるV.Ⅲオキーフに情報をリークされてしまったらしく、行動不能に陥っていた。(恐らく解放戦線のドルマヤン辺りだろう、彼もコーラルリリースを知っている存在であり、かつ相当な影響力を持っているため、彼が企業の他にオールマインドも敵と証拠付きで公表されてしまえば最早続行不可能である。)
しかし「賽は投げられた」ルートにおいては621という協力者を得た事でコーラルを焼き払われず、また何度刺客を送っても返り討ちにされてしまったオキーフも621により排除。
『残すは、最後の一手。共にコーラルリリースを成し遂げましょう』
『強化人間C4-621 レイヴン。あなたの役目はもう終わりです』
計画の条件も手中に収め、あとはエアの波形を持ってきてくれた事で用済みの621を処分し、エアを取り込んでコーラル爆縮と拡散の指示を与え、全宇宙にコーラルをばら撒いてお終い……だが、カーラとウォルターの機体の残骸とともに621たちの前に立っていたのはオールマインド本人ではなく……
『てめぇを消すため…俺はこいつらの一部となった』
『今度こそ…死んでもらう』
『御託はどうでもいい…こいつを消せれば、俺はそれが全てだ…!』
何度も何度も自分を打ち倒し、自分の上に居続けた621を倒すためだけに、オールマインドの一部となった、マインド-γを駆るG5 イグアス本人であった。
『…イレギュラー。これで全て終わらせてやる』
しかし、621の激しい抵抗により、マインド-γは大破、しかし621の常軌を逸した戦闘能力から予めこれを予測していたオールマインドは新たなる機体、マインド-σとC兵器ではないオールマインド仕様のシースパイダー、マインドスパイダー二機を投入
一方コチラはその隙をついて…
「…お待たせしました、レイヴン」
「ようやく…あなたと並んで戦える」
「私が…あなたをサポートします。レイヴン」
エアが宿った技研製無人AC「エフェメラ」が投入された
激戦を続ける621とオールマインドだが
「てめぇら…まとめて消えろ!」
621との決着に執着し、オールマインドとその取り巻きのシースパイダーやエアの邪魔を嫌い、完全に頭に来たイグアスが発した干渉波によって、機体との同調を失ったエアは離脱してしまう。
『イグアス…!? 何を…!』
「耳鳴りも…鬱陶しい声も消えた…」
「透明だ。気分がいい…」
「あとは…俺たちだけだ」
これはオールマインドとその取り巻きのマインドスパイダーも例外ではなく、621とイグアスのタイマンとなる。長く続いた因縁にケリをつけよう。
「てめえはいつも…俺の上を行った」
「クソみてぇな旧世代型…」
「てめえと俺で…何が違った…?」
『取り込むべきではなかった…』
『イレギュラー…』
因縁にケリを付け、オールマインドを撃破した621とエア。
「そのトリガーは…私たちが代わりに引きます」
オールマインドのかわりに、自らの意思でリリースのトリガーを引き、コーラルを解放する。
「…コーラルリリースが始まります」
「美しいと…思いませんか?」
大量のコーラルが集まったバスキュラ―プラントは、文字通り空間ごと抉り取られブラックホールの様な爆縮が発生。ルビコン3宙域は(直接描写がないが恐らく)621達諸共焼滅し、その後コーラルは全宇宙に拡散した。
……トリガーを引いたのがエアであった事、エアの望みが「レイヴンと共にどこまでも飛ぶ事」になっていた事で、「全てのコーラルが私であり、貴方(レイヴン)」となり、コーラルがある限りいつでもどこにでもエアとレイヴンは存在し、好きなところに飛んでいける様になった。
「私たちはもう…いつでも どこにでもいる」
……かくして、コーラルは宇宙に広まった。
どこまでも晴れ渡る空の下、廃棄されていたACを依代にコーラルが宿り、次々と立ち上がる。
その行く末に何が待っているのか、その行く末が破滅なのか、人とコーラルが共生する新たな時代なのかはまだわからない。
「レイヴン。ともに 新たな時代を…」
賽は投げられたばかりなのだから。
メインシステム、戦闘モード起動
真の関連タグ
ゲッター線 、パーメット 、ミール(蒼穹のファフナー) :巨大ロボットもので、関わって生物学的に死んだ者の意志を取り込む超エネルギーの先例。
ソラリス:意志を持つ惑星の海を題材としたSF作品。
流竜馬 、エリクト・サマヤ:621より先にエネルギーと一つになった巨大ロボットものの主役格。他ジャンルに目を向ければ魔法少女などもっといるが、キリがないので割愛する。