概要
和名 | モグラコロギス |
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通称 | クールーラモンスター |
学名 | Cooloola propator |
分類 | 直翅目 キリギリス亜目(剣弁亜目) キリギリス下目 コロギス上科 クールーラ科(クロギリス科に含める場合もある) Cooloola属(モグラコロギス属とも) |
体長 | 約3cm |
分布域 | オーストラリアクイーンズランド州 |
直翅目クールーラ科(モグラコロギス科とも)クールーラ属に分類される昆虫。
クールーラ科は本種を含めた4種のみの小さな科である。
初見では直翅目=バッタの仲間とはとても思えない異形な見た目が特徴。
分類的にはコロギスなどに近く、特にヤンバルクロギリスやジャイアント・ウェタ、ギアナ高地の半水棲直翅などが属すクロギリス科に近縁。
1976年に、オーストラリアのグレートサンディ国立公園(クールーラ国立公園)で発見された。
形態
体は寸胴で、脚は太く短く、土を掘る事に適した形質をしている。後脚には発達した平たい棘があり、触角が短い。
「脚が短くてムッチムチのカマドウマ」「セミの幼虫にキリギリスの頭がついたやつ」「顔がコロギスのヒヨケムシみたいなやつ」「リオックとオケラのキメラ」などと形容すると虫好きにはわかりやすい。
この姿はクールラ科の昆虫がケラやツツケラなどと同じく地下生活をする直翅類である事に関係し、地中を掘り進めて活動する事に適した形質と考えられる。
雌雄差があり、雌は腹部が球根状で体色が褐色がかり、外骨格が硬い。
雄は腹部が雌より細くなり、体色は白っぽくて外骨格が柔らかく、雌より脚が細長くて少し平ら。
雄は小さく退化した翅を持つが、雌は完全に翅が退化している。
雌の産卵管は非常に短い。
生態
オーストラリア北部クイーンズランド州のモクマオウ科木本などで構成される海岸多雨林やユーカリ林の林床を流れる沢沿いの砂地に生息し、地中に穴を掘って暮らしている。
雄は降雨後の夜間にのみ地上に出るが、雌は一生地下生活を送る。
石や倒木の下に居る事もある。
食性は肉食で、おそらく地中に棲む昆虫などの節足動物やその他の土壌生物を捕食していると考えられている。
繁殖行動などの詳しい生態は不明。
近年多発した山火事による生息地への被害により、絶滅が危惧されている。