概要
『ザ☆ドラえもんズ』のアニメ化作品第1作。ドラえもんズ映画とも呼ばれる。
だが第1話ではない。原作はコミック第2巻に掲載されているため、コミック第1巻を読んでいないと何のことかさっぱりわからないセリフがそのまま残っているという重大なミスがある。
また、第1作目なのもあってか後のドラえもんズ作品と比べるとトラウマ要素が結構あり、雰囲気もやや暗い。
放映当時話題だった学校の七不思議をモデルに、ドラえもん作品の中でも珍しくドラミとドラ・ザ・キッドの二人の関係に焦点が当てられている。
米谷監督によれば当初はドラえもんズが主役の短編映画にする予定だったが、プロデューサーの別紙氏が難色を示したためドラミを主役に設定したらしい。
又、映画作品においてエル・マタドーラの声優がこの作品のみ津久井教生氏である。後の作品では中尾隆聖氏が演じる。声優が変更された理由は不明。
1996年8月に出版された本作のフィルムコミックには原作者である藤子・F・不二雄先生のあとがきが記載されている。
『長編ドラえもんの併映作は、はじめのうちこそ僕がシナリオを書いていたりもしましたが、似たような作品を並べても…というわけで、企画の段階から若手編集者グループに頭を絞ってもらい、僕らは口出ししない方針で進めました。結果がこれです。騒々しくて忙しくて、僕にはちょっと…。しかし公開してみたら大好評でした。これが時代のテンポなんでしょうか。』
このあとがき自体は2ページあるものの、内容の大半は先生が藤本真澄賞を受賞した事に割かれており、本作について記した上記文章はあとがき全体の1/6に過ぎない。
藤子氏は程なくして逝去したため、生前に放映された唯一のドラえもんズ映画となった。
あらすじ
ドラミのロボット学校の卒業式の日、学校の管理システムが謎の暴走を起こしてしまう。
運良く逃れることができたドラミは空に空いた孔に消えていったドラえもんの親友テレカを使い、ドラえもんズを呼び出す。助けにやって来たドラ・ザ・キッドと手を組みながらシステム暴走の謎を暴くため奔走する。
七不思議
7つの教室にいた旧式ロボット達。ロボット学校の生徒たちを様々な事に使ってきた。最終的にドラえもんズたちが倒された後黒幕によって操られるが、事件は無事に解決した。
美術室
生徒たちが次々に彫刻や壁画に変えられる。キッドの空気砲も自由の女神に変えられてしまう始末であったが、王ドラにより難を逃れる。しかし、唯一切れたコードを踏んでしまい感電してしまう。
音楽室
主犯:パイプオルガンロボ
チューニングがズレ眠気を誘う催眠音波(この時奏でていた曲は「トッカータとフーガ」)が流れ、生徒職員らが機能停止して倒れこむ。ドラメッド三世の怒りの鉄拳により破壊された。しかし、破壊したパイプが水槽に刺さり彼が水嫌いという事も合わさり水が流れ出し流されてしまった。
体育館
主犯:旧式跳び箱ロボ軍団
足の生えた跳び箱型のロボット(総勢は20段(=20機)×3台=60機)によりドラミが捕まってしまう。エル・マタドーラが助太刀に現れると、動きを封じたうえで全機合体し巨大な猛牛(漫画版ではマンモス型)と合体。さらにエル・マタドーラを拘束して突き刺そうとするも角で逆に受け止められ全機(バスケットゴール、プール、重量挙げのウエイト)に吹っ飛ばされる。その後、マットで昼寝をし出した。
給食室
猛吹雪が吹き荒れ、ドラニコフを始めとする生徒たちが氷漬けにされていた。キッドの機転によりウルフマン化したドラニコフは氷から脱出し、火炎を浴びせ丸焼けにしてしまった。しかし、火の勢いが収まらず半ば辛さで暴走してしまう。
理科室
ミニドラを始めとする生徒たちがホルマリン漬けにされる事件が勃発。ドラリーニョが蹴った立体浮遊地球儀によりサッカーゴールにされた。その直後、ダディ13号のコードに捕まってしまった。
視聴覚室
主犯:旧式全自動掃除機ロボ
姿を隠しロボットたちを片っ端から吸い上げていったが、キッドがこれまで遭遇した5体のロボット(工具の鉄人。パイプオルガンロボット、跳び箱ロボット、冷蔵庫ロボット、骨格模型ロボット)の共通点(すべて旧式ロボット)に気づき正体を見破りドラミとの連携で背中の電源を切られて敗北。
メインコンピュータールーム
主犯:ダディ13号(CV:納谷悟朗)
本作全ての旧式ロボットを操っていた首魁。本来はドラえもんズが在学していたころの学校のメインコンピューターであったが、偶然起きts落雷のショックでリフレッシュ期間が置かれることを知り自身がいずれ廃棄されるのではないかと懸念して今回の騒動を起こした。手始めに後釜であるイカ型メインコンピューター「マミィ14号」(CV:池田昌子)を倒し、配下の旧式ロボットたちとの戦いを終え油断したドラえもんズを次々攫って行く。
最後はキッド達の力でリフレッシュして正気を取り戻し、マミィ14号と共に仲睦まじくコンピュータを管理していくことになった。