概要
対立している2つの勢力の間にあり、どちらにも属さない第三の中立的な勢力のこと。
本来は国内政治において左翼と右翼、急進派と保守派といったような2つの勢力に対して中間的な立場をとる政治勢力を指す言葉で、1947年にフランスで人民共和派が自称したものである。その後、この用語は一般化し、アメリカと旧ソヴィエトの冷戦時代にはインドやアラブ諸国といった、いわゆる非同盟諸国が第三勢力を自称した事もある。
創作での第三勢力
立ち位置
フィクションにおいては、味方(主人公サイド)と敵(主人公が倒すべき存在)との戦いが膠着した際に現れることがよくある。中には、黒幕でもないのに敵陣営を大方排除してラスボスになってしまう者もいたり、双方に平等に戦いを仕掛けて三つ巴の争いに発展したり、隙を突いて漁夫の利を得ようとしたりすることが多いが、介入して調停を行う事もあるにはある(完全に静観する場合は「傍観者」などと呼ばれ、基本的には「第三勢力」とは呼ばれない)。敵や味方が内部分裂を起こし、どちらの陣営にも属さない勢力や裏切り者が生まれた際も「第三勢力」とみなされやすい。
利害が思想に応じて一方の陣営と一時的に手を組む共同戦線を張るような場合もあれば、一方の陣営(多くは敵勢力側)が強大化しすぎて、もう一方の陣営が苦肉の策として第三勢力を頼りそこで加入したりするが、いずれにせよ組むのは一時的で所詮は同床異夢、すぐに離反するということも少なくない。
中には勧誘されても、一貫してどの勢力にも与する事なく独立性を維持し続ける場合もある。
なお第三勢力といっても完全に中立的(主人公/敵陣営いずれとも同じように敵対する)とは限らず、主人公寄り(主人公とは別の目的・行動原理で敵勢力打倒を企てる)、敵陣営寄り(主たる敵勢力とは別に主人公打倒を狙う、独自に悪事を働く)のものも少なくなく、協力者だが組織を裏切ったり使い捨てて本当の意味で第三勢力になる場合もある。
三つ巴の戦いの場合には、主人公たちが実質的な第三勢力になったり、作品によっては第四勢力が登場し四つ巴以上の複雑な構図となり、文字通り混沌とする為以下には記載しない。
強さ
第三勢力とみなされるためには、当然ながら相応に強く両陣営それぞれと自ら対抗できるだけの戦力を持っていることが条件である。
それゆえ第三勢力が一方の陣営に与した場合、物語上のパワーバランスが決定的に崩れかねない。そういう場合は第三勢力キャラが少なくとも相対的に弱体化する(させられる)か、第三勢力が付かなかった側が大幅に強化されるといった展開になることが多い。
中には第三勢力キャラがあまりにも強力なため、主たる敵勢力がヒーロー陣営に手を貸してようやく滅ぼしたというケースもある。
ゲームでは
シミュレーションゲームにおいても第三勢力は存在し、第三勢力が自軍あるいは敵ユニットに攻撃する、敵ユニットも同じように第三勢力に攻撃する形が多い。第三勢力を生かしたまま終了すると何かしらの恩恵を受けたり、味方になってくれる事もある。しかし勝手に動いて戦いに敗れ離脱したり、瀕死の敵を倒して経験値泥棒をしたりと戦局を狂わせる要因になる事もありプレイヤーからは苦手とする声もある。