人物
恋太郎が通うお花の蜜大学附属学校の中等部に所属している中学二年生の少女。
一見すると如何にも楚々としたお嬢様であり、バイオリニストの両親に憧れてバイオリンを熱心に習っている音楽家のタマゴである。
清楚なヘアースタイルと柔らかい物腰が特徴的な、身も蓋も無く言えばごく普通のお嬢様然とした見た目をしているが、その瞳には獰猛な光が宿っており、どこか不穏な空気を纏っている。
登校中の恋太郎と偶然ぶつかったことで目が合い、いつも通り(?)ビビーーーーンと恋に落ちたことから恋太郎を強く意識するようになった。
・・・ここまでなら(とち狂った運命はさておき)ごく普通のバイオリン少女である。ここまでなら。
正体
「バイオレンスですわ・・・」
「バイオレンスですわ・・・」
「バイオレンすわ~~~~~!!」
バイオリニストを目指す音楽少女、それは嘘偽らざる灰尾凛の素顔であるが、彼女の奥底には別の顔が潜んでいた。
灰尾凛は血なまぐさいことをこよなく愛するバイオレンスお嬢様だったのである。
時はさかのぼること六年前、幼き日の彼女が金曜ロードショーでジブリ映画を見ようとチャンネルを合わせたところ、よりにもよって映画版バイオハザ○ドの放送日だったことが彼女の性癖(うんめい)を狂わせた。
今までに見たことも無かった、残酷な刺激に満ちた世界を垣間見てしまったことで彼女の性癖(さいのう)は瞬く間に開花し、暇を見つけてはスマホでグロ動画を見て漁るバイオレンス趣味が形成されてしまったのである。
それ以降、ケンカや血なまぐさい場面を見ると愉悦で紅潮しきった笑顔を垣間見せるようになり、同時にそんな自分を恥じるようにもなってしまったのである。ちなみに笑うと獰猛なギザギザの歯が見えるのがチャームポイント。
そして、ゲームセンターで恋太郎と一緒に遊んでいた際にバイオレンスな愉悦に浸りきっているところを見られたことで、羞恥心のあまり消え入りそうになってしまったが、恋太郎から「人に迷惑をかけない限り、誰が何を好きであろうとかまわない。それは悪いことでも変なことでも無い」と侠気溢れるエールを受けとったことで、ありのままの自分を受け止めてくれる恋太郎に惚れ込み告白するに到ったのであった。バイオハザ○ドの筐体から流れるグログロな効果音をBGMにして。
なお、初登場回でその本性から育との絡みを心配…もとい期待されていたが、案の定次の回で「キッツ…♡」と「バイオレンすわ〜♡」のループを生み出していた。
彼女が惹かれるのは暴力行為や生じる結果に対してであり、相手の苦痛を快感とするようなサディズムは全く持ち合わせていないので、相手が望まない限り暴力を振るうことはなく、現状は育限定の愛情表現となっている。
19人目のヒロインでもある中二詩人とは同じクラスでもあり、恋太郎ファミリーに加わってから初めて言葉を交わした。
詩人の壊滅的なオカリナのスキルに対しては絶賛しており他の面々が不思議がるものの内心はバイオレンスな音楽と斜め上の評価であるが、詩人は平静を装いつつも初めて褒められた事に内心では飛び上がるくらい嬉しいのを堪えていた。
余談
恋太郎ファミリーの人格形成の経緯が番外編にて語られることは本作の定番であるが、凛の嗜好について14巻にて掘り下げが行われている。
実は上記の「6年前に偶然バイオハザードを見てしまったせいで性癖が開花した」というのは凛の記憶上の話であり、彼女の嗜好とバイオレンスに対する嗅覚は生まれつき備わっていたもの。
それを懸念した父親によって徹底的にバイオレンスなものを遠ざけられて育てられていたおかげで影を潜めていたものが、6年前の事件で自覚に至ったというのが真相。
因みに父親自身に忌避感は無く、あくまで懸念したのは凛本人が性癖のせいで対人関係で傷つくことであり、「あの笑顔を受け入れ愛してくれる人間と出会えるのなら素晴らしいこと」とも語っているので仮に性癖の再発が両親にばれても再び矯正される可能性は高くないかもしれない。
名前の由来は「バイオリン」と「バイオレンス」からであろう。二文字違うだけでまるっきり意味合いが変わるんだから、言葉って奥深いね。あと「バイオハザ○ド」も掛かってるかも。
133話にて誕生日が8月10日である事が判明した。
由来は苗字の語呂合わせと思われる。
尚、恋太郎ファミリー内ではヤクさん(8月9日)、凛、山女(8月11日)の3人が連続して誕生日を迎えている。
関連タグ
恋太郎の運命の人の系譜