「ボクの名前は詩人 吟遊詩人さ」
「それはボクの魂の在り方の話であって 事実とも言えるしそうでないとも言えるね」
プロフィール
氏名 | 中二詩人 |
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性別 | 女性 |
年齢 | 13歳 |
所属 | お花の蜜大学附属中学校(2年) |
誕生日 | 5月16日 ※ |
星座 | 牡牛座 |
一人称 | ボク |
※ 133話にて判明。由来は『旅の日』からだと思われる。
概要
お花の蜜大学附属中学校の二年生で、灰尾凛とは同じクラス。
野澤先生のポストによると胡桃や知与たちとは違いキュロットタイプのお花中制服を選択している。
その上に旅人風の衣装を着用し、首からオカリナを下げている。
色味はスナフキンを彷彿とさせるが袖のあるコートではなく、上から羽織り肩口で留めるタイプのマントスタイル。
家でも学校でも親の前でも、24時間常に憧れの吟遊詩人として生活している中二病。
流石に授業中は(後ろの人に配慮してか)帽子とマントは脱いでいる。
前髪と斜めに被った羽根飾り帽子で右目を隠している(コマによっては逆の左目が隠れることもある)。
95話の雑誌掲載時のアオリ『詩うように話す新彼女!!』ということを表現するためか、詩人の台詞は他の人物より細い字で表示されることが多い。
人物
ファミリーと共に過ごす時間も好きだが、〝1人〟の時間を堪能することも大切にしている。
公園で釣りをしたり、築山に登って風を感じたり、行きつけの旅人カフェで吟遊詩人としての生活を謳歌したりしている。
格好以外にも拘っており、床に固定したハンモックで睡眠を取ったり、コーヒーを砂糖とシロップを3つずつ付けて飲んだりしている (焼肉回と旅人カフェ回) 。
育とはまた違ったタイプのボーイッシュで、私服も(ファンタジーの軍服のような)襟から胸元に独特な意匠を施した中性的な服装をすることが多い。
人気投票回では、胸元がざっくりと空いていてミステリアスな印象のドレスを着用した。
妹発案の貸し衣装デートでは、同じボクっ娘の育と共に男子制服を着こなし、妹を悶えさせている。
妹「2人とも 美少年… というか… 顔良〰〰〰!!!!」
読書はよくする方で、吟遊詩人に憧れる者らしく冒険譚やファンタジーを好み、自室の本棚には以下のような本が並んでいる。
行動を『旅』や『風』になぞらえて表現するため、額面通りに受け取って困惑する者も珍しくない。
一方、〝吟遊詩人〟としてのスキルは残念の一言であり、「 オカリナは下手で、詩の歌詞も語呂も酷い」と初対面の恋太郎は感じていた。
唐音からは「よくそんな演奏力と歌詞で吟遊詩人なんか名乗れたな!!」とツッコまれたが、恋太郎が「俺は好き!!!!」と叫んだ為、唐音も「好きになる努力しよ!!!!」と宣言。
158話で唐音は「私達は別に嫌いじゃ——」と言っており、すっかり唐音もファミリーも詩人の調べには慣れたようである。
歌声については特に音痴とは言われていないため、下手ではないのかもしれない。
アイドル回では観客から「独特で味がある」と評価されていた。
結婚回で詩を披露した際は、テンションがハイになって結婚狂戦士となったファミリーから「米津くらいいい詩!!!! 米津くらいいい詩!!!!」と賞賛を受けていた。
一応、当の本人もオカリナの技量については気にしており、『サルでもできろ はじめてのオカリナ-これでできなきゃおしまい-』という教本を片手に時折練習をしている。
しかし上達しない事に加え、すぐに別のことをしてしまうため教本を読み終えたことがない。
吟遊詩人を志す詩人の定番の言い回しとして、主に以下のようなものがある。
- 「~とも言えるし そうでないとも言えるね」
- 「○○という名の△△」
- 「~とも言えるね」
- 「あえて言うなら~かな」
詩人語録は、断定せずにあやふやにぼかす表現が多いため、使い勝手が良いものが多い。
また、ナディー語などの分かりにくい言葉を自然と説明出来るため、解説役としては優秀。
上記の言い回しを用いて、言い換えなどを多用しながら詩的に話すのが特徴。
早口言葉を三度唱えても一度も噛まないほど舌がよく回るので、滑舌も良い。
詩人「当たり前の事とはとても当たり前のことなのさ それこそが当たり前の事が当たり前の事たる所以なのだからね」
美々美「中身があるようで一つもありませんわ」
また、一休さんのとんちばりに屁理屈を交ぜた怒濤のべしゃりで相手を煙に巻くことを得意とし、あやふやな解答やハッタリで人を惑わせる。
楠莉「屁理屈こねさせたら詩人の右に出る奴はいねーのだ!」
ファミリー加入時には、「どんな問いにでも答えてあげられるよ」と語り、どんな話題を振られても自分のペースに引きずり込んでしまっていた。
凪乃「今 いくつめの質問?」 詩人「… … 9」
育「もっと努力するためにはどうすればいいのかな?」 詩人「もっと努力するための努力をしたらいいんじゃないかな」
しかし中身の無い話をしたかと思えば、物事の真髄をついた鋭い解釈を語ることもある侮れない知性の持ち主であり、スナフキンのように底が知れない人物でもある。
最初、他の彼女たちは詩人の真実か嘘かはっきりしない解答に振り回され困惑していたが、恋太郎の魅力を説く詩人に同意し、無事詩人はファミリーの仲間入りを果たした。
詩人「恋太郎は——女性のいいところを見つける天才なんじゃないかな だからどんな子にも魅力を感じ 本気で好きになれるのさ」
……とここまで聞くと、少し斜に構えた偏屈な人物のように思えるかもしれないが、実のところは「ボクはただ恰好をつけているだけで… すごい人間なんかじゃない」と自身を評価しており、とても不器用。
前述のオカリナの下りもそうだが、詩人は『努力が嫌いというより、努力しても出来ない』性質の模様。
(例)『木の上に放り投げたサンドイッチを枝で取ろうとする』→『取れないので「森への贈り物」と称して、別の事(水たまりで釣り)をする』
見方によっては『自分の限界を理解しそれを超えた無理をしない、その時間を別のことに使う』という解釈もできる。
『努力しても上達するとは限らない・上達させることの出来ない人間もいる』という考えが染みついているため、『努力』に対する考え方は育とは真逆。
「努力努力根性根性」と口にしながら迫りくる育からス———ッと逃れていることもあった。
そして、凪乃は『非科学的なものを信じない・器用どころか正確無比・過程を省きがちで即決』であり、『ファンタジーを好む・不器用・過程を楽しみ結論を先延ばしにしがち』な詩人とは色々と対極な存在。
しかし、不器用さを凪乃がカバーし「この流れまで含めて 全てを読んでいた——とも言えるね」といい詩人の体面が守られるため、意外と相性は悪くなさそうである。
根は素直で普通の感性を持った女の子の為、他人の予想だにしない行動が起きたりすると『素の詩人』が出て「きゃっ」「きゃあ」等と悲鳴を挙げ赤面してしまう。ジャンプスケアやホラーには滅法弱い。
『素の状態の詩人』は某曲とその邦題に因み『レリゴー』と劇中で呼ばれている。ただし平静を取り戻すのも早い。
運動はそもそも好まない為、基本的に運動不足で体力が無く、焼肉食べ放題前のランニングやダンスレッスンでは汗だくでヘロヘロになっている。また、カナヅチであり泳げない。
ちなみに、酔う(みたいになる)とステレオタイプの中二病になる。
中二病っぽい言動と佇まいに目をつむれば、恋太郎ファミリーの中でも良識人の部類に入る。ポジションとしては冷静なツッコミ役。
武力・財力・化学力など割と物騒な解決法が多いファミリーにおいて、話術一つで穏便に問題を解決できる貴重な彼女でもある。
彼女になるまで
恋太郎が公園の下見をしていたある日のこと、木漏れ日の下で切り株に座って釣りをする詩人と出逢う。
「川かな?」「池かな?」と恋太郎が近づいてみると…
水たまりだぁ♥ (雑誌掲載時のアオリ)
恋太郎の足元の木の葉の『カサッ』という音に反応して、詩人が振り返り『ビビ——ン!!』と衝撃が走る。
恋太郎が思わず何を釣っているのか尋ねると、詩人はこう答える。
「そうだな… あえて言うなら——己かな」
「ごらん…水面にボクの顔が映っているだろう? そしてそこに釣り糸をたらしている人間もまたボクだ」
「つまりは そういう事さ」
どういう事か分からず戸惑う恋太郎に、詩人は吟遊詩人と名乗り詩(うた)を贈る旅をしていると語る。
詩人はサンドイッチを盗まれないよう木の上に放り上げたが届かなくなってしまい、森への贈り物にしようとしていた。
恋太郎はお昼が食べられないと思ったのですぐに木によじ登り、サンドイッチをつかみ取って詩人に渡す。
詩人は頬を赤らめて「お礼に——詩を贈らせてくれるかい?」と首に下げたオカリナを取り出す詩人。
恋太郎は「ぜひ…!」と期待し、詩人は詩を披露するが…
ぽひー♬ ぷひー♬ ぷひょろひょろー♬
「昼下がりという名の午後〰♪ 雨水達の集いという名の生命なき泉〰♪」
「釣り糸をたらしは吟遊詩人という名のボク〰♪ 釣りしはあえて言葉にするのならば己〰♪」
「背後から現れしは少年という名のキミ〰♪」
「届かざる枝に囚われしはサンドイッチという名のお昼〰♪ 取ってくれしは木に登りしキミ〰♪」
恋太郎も最初は「オカリナは下手で歌詞も語呂も酷い」と思っていたが、次第に「この世に一曲だけの——俺のためだけの詩」を一生懸命に詩にする詩人の〝気持ち〟を感じ取る。
「ありがとうという名の感謝〰♪ この詩に込めし想い〰♪」
「ボクがキミに抱きしは愛という名の恋〰♪ 望みしは愛し合いし未来〰♪」
告白と捉え「こちらこそよろしくお願いします」と返事する恋太郎に「本当かい?嬉しいな」と返す詩人。
その後、日が落ちて夜空に星が瞬くまで、詩人の吟遊詩人の生き様を体験した恋太郎。
詩人は『吟遊詩人とは土地から土地へ渡り、より多くの人々に詩を贈る生き方』と語り、
「ボクは今の生き方を変えることは出来ない」
「——恋太郎 こんなボクの事を忘れないでいてくれるかい?」
と恋太郎に打ち明ける。
恋太郎は最初、一緒に梳杉町で過ごす方法がないか考えるが、
「一緒にいなきゃ恋人じゃないのか?」
「野澤先生の腕は2本、利き手は1本しかない」
「レギュラーキャラが増え続けるのは原作による人権の侵害だ」
と、(作画の心配もしつつ) 遠距離恋愛という形で付き合うと決め、詩人とはしばしの別れとなった。
そして高校への登校途中に、恋太郎は見覚えのある旅人の服装をした人物と、その下に見えたお花中の制服に目を丸くする。
詩人は普通の中学生で、『吟遊詩人には恰好をつけてなりきっている』すなわち中二病であると恋太郎は理解する。
野澤先生の更なるアトム化が懸念されるものの、恋太郎はこれからも梳杉町で詩人と過ごせることを大いに喜んだのだった。
関連キャラ
皆さんご存じ運命の人。
最初こそ詩人の行動に疑問を呈していたが、彼女となってからは理解が深まっている。
旅人カフェ回では、詩人が「また出会えるその日まで」とお別れするような感じで立ち去ろうとしたのを「お手洗いとかに行くだけ」だと見抜いていた。
(注釈曰く、恋太郎は詩人が好きすぎて表情・語調・仕草とかを死ぬほどよく見てるから分かるらしい)
120話では、詩人が探していた『スナフキンのようなペン太郎』を貯めていたお小遣いで買いプレゼントしている。
11巻表紙コンビの相方。
恋太郎も含めた3人で放課後に旅人カフェに行ったことがきっかけで縁が生まれた。
「1人」の時間を普段から堪能している詩人と「1人」は苦手で誰かと同じ気持ちになるのが好きなあー子とでは、最初は相性が悪いかに思われた。
旅人カフェデートではみんなで旅人衣装に袖を通し(詩人は普段の吟遊詩人の服装)、それぞれの旅人設定を携えて一期一会の旅を楽しんだ。
その後、ギャルの服装でないと入店出来ないクレープ店「GalGal☆Crape」に入る為、恋太郎と共に羽々里から制服を借りギャルの装いに。お得意の論破で門番に恋太郎はギャルだと認識させ、無事入店した。
距離感が近く突飛なあー子の行動は、しばし詩人を驚かせ『レリゴー』させている。
詩人は『突然驚かされるのが怖い』のに対し、エイラは『物理で倒せないもの全部が怖い』のでビビりの度合いはより深刻。
待ち合わせ事変回では、詩人が『遠回りしたからこそ楽しめる旅路の風景や事象』について説き、遅刻を怖がるエイラの不安を払拭していた。
学校の怪談回では、あみだくじによって恋太郎捜索の為コンビを組むことになった。
二人ともポルターガイストにはビビって怯えていたが、二宮金次郎像が姿を現すと反転攻勢に。
「突如驚かされたりしないのであれば——物体が動くことくらい 車やペッパー君にもできるし ただの日常茶飯事とも言えるね」
詩人のことを『独創的なセンス・孤高の風格・神秘的な世界観を持ち現代に生きる米津玄師』と仰ぐ〝若き天才歌手〟。
承認欲求が『中二』レベルの姫歌と『中二』病の詩人という共通点から、絡みが当初より読者から予想されていた。
ある日、姫歌が「私の師匠になってちょうだい…!」と懇願し、『詩人の吟遊詩人の一日』に同行することになった。
姫歌は、水たまりで釣りをすることについて「全然わからないわ」と困惑していたが、すごく奇才っぽいので『ドヤ―』しながら詩人の真似をして満足していた。
そんな日々が続く中、詩人はオカリナの上達しない自分と天才歌手の姫歌を比較し、それらしい理由を付けて避けてしまう。その態度に姫歌は
「ハッキリ言いなさいよ!! 何なのよ一体——私何かしたっ!?」
と問い詰める。
詩人は『ビクッ』と驚きながら「ボクはすごい人間なんかじゃない…!」と珍しく心の内を明かす。
それに対して姫歌は「私がすごい人間だって言うなら そのすごい人間がすごいと言っている詩人はもっとすごい人間じゃない」とはっきりと述べる。
この様を詩人は『ぼ…………暴論だ…………まるで我儘なお姫様だ………』と表現していた。
その後、姫歌のトラブルを詩人はお得意の論破で解決し救った。
姫歌「ほら やっぱりすごいじゃない 私を助けてくれた」
「あなたがどう言おうとどう感じていようと 私の知ってる詩人はすごいのよ」
詩人は「まったく… 強情な歌姫様だ」と言いながらも晴れやかな顔をしていた。
◆ボクの〝すごい″は私の〝すごい″。 (雑誌掲載時のアオリ)
その後も師弟関係は続いており、詩人が何かをすると姫歌が後追いして同じことをするのが恒例となっている。
同じく中学2年生でクラスメイト。
ファミリー入りまで交流はなかったが、『音楽を愛する演奏家』としてお互いに意識していた。
初めて詩人のオカリナの演奏を聴いた際は(どんなリズムもメロディーも破壊し楽器の音色をも叩き潰すような音楽だったので)「……素晴らしいですわ……!」と感嘆の声を上げた。
詩人も初見で演奏を絶賛されたのは初めてだったので飛び上がりそうなほど嬉しいのを堪えていた。
オカリナとバイオリンで二重奏した際には、何故か大人組は感激の声を上げた。
楠莉「うーんキャビアとねるねるね○ね混ぜて食ってるみたいな感じ」
お花見回では、姫歌をボーカルに迎え3人でミニコンサートを開いている。
詩人と同じく読書とファンタジーを好む彼女。
詩人が加入した際の質疑応答では、他の彼女に対しては曖昧な解答が多い中、(好きな読書に関する質問だったので)具体的な答えとその理由を提示していた。
静「「世界で一番」〝面白い本を〟「教えていただけるか?」」
詩人「ウォーリーをさがせ!さ 老若男女 使う言語 読み書きの可不可—— 最も読者を問わない本こそが世界一面白い本といえるだろうね」
前述の通り共に『王冠恋物語』の読者であるため、フォークダンスはお城の舞踏会(詩人が静をエスコートする)風のものとなっている。
詩人のことを信じて疑わない純情な彼女。
後述の詩人の乳児期のエピソードに対し、唯一目をキラキラさせて信じきっていた。
山女「すごいど…!」\✨✨/
そのため、詩人のビッグマウスはエスカレートし、「人類はボクが生み出したとも言えるし そうでないとも言えるね」と大ボラを吹く。
山女は「神様なのに友達みたいに接した」ことを詫びようとするが、詩人も「言いすぎた」と思い「今まで通りがいいとも言えるね」と訂正している。
山女が酔っ(たようになっ)て気が大きくなった際は、詩人は酔っ(たようになっ)てステレオタイプの中二病になり、「漆黒の業火」という山女の苦手な『火』に関連するワードを口にして戦いを収束させた。
その後詩人は山女に神輿を担ぐように肩車されて、ファミリーから讃えられた。
紅葉「詩人しゃんは——人を疑わない山女しゃんキラーなのれす」
- 両親
11巻番外編の詩人の過去話?に登場。
父は詩人と同じく髪の毛のハイライトが星空のようになっている。
「ムーミンよりスナフキン」「ナウシカよりユパ様」「シンデレラよりキノの旅」「ムジュラより時オカ」を好み、初めての言葉を「赤ん坊という名の吟遊詩人〰♪」と歌うように話した様子から、我が子に『詩人』という名を付けた。
…と詩人自身は語っているが『赤ん坊が歌う』という信じがたい出来事から、過去話はどこまでが真実なのか定かではない。
余談
名前の由来は「中二病」と「吟遊詩人」から。
なお、初登場回では騎士華と同じく苗字の方が不明だったため、ネットでは色々な憶測を呼ぶことになった。
イメージカラーは、髪色に似た水浅葱色(緑がかった淡い青色)。
よって16巻裏表紙の薔薇の内、詩人をイメージしたものは下段右。