注意というのは注意しないといけないんですね
この項では現実にいる政治家を取り上げている。注意したいのは政治家をネットミームやバズったショート動画、スカッとする論破芸、実際に会ったら優しかったというだけで評価することは危険である。
意外と無能、意外と有能、そのどちらのイメージも偏ったものである可能性がある。
瞬間的なネットのバズりよりもまず本人が掲げている政策と成果を確認することから始めてみよう。
概要とは「概ねの要点」という意味なんですね
小泉構文とは、2019年9月に38歳の若さで環境省の環境大臣に任命された小泉進次郎の演説から発生したミームで、小泉進次郎らしい発言を論理的に組み立てた構文、要するに小泉進次郎構文という意味なんですね。
…以上のように、同じような内容を何度も繰り返す・長々と語るが情報量は半分ぐらいしか無いといった小泉進次郎の演説の癖が話題となり語録化したものである。
妙にポエムのような言い回しをしたがる癖もあり、そのあたりもネタにされた。
小泉進次郎が発した面白い言葉は、基本的にすべて「小泉構文」として扱われるため、その内容は、重言、詭弁、論点先取、循環論法、トートロジーなど多岐にわたる。既存の論理学用語に当てはめることは難しいが、敢えて分類するなら、小泉構文はレトリックの一種と言えよう。
表記揺れとして「進次郎構文」とも呼ばれている。
主な構文は主要な使用例を解説するところですね
主語と述語/前文と後文の内容がまるっきり一緒
- 楽観論が会場の中に空気が充満していたと思う、だからこそ楽観論が会場の中に空気が充満していたと思う
- 微妙に助詞の使い方もおかしい。
- 約束は守るためにありますから約束を守るために全力を尽くします
- 今のままではいけないと思います。だからこそ日本は今のままではいけないと思っていると
- 退院後、リモートワークもできるおかげで、公務もリモートでできるものができたというのは、リモートワークのおかげですから、そこは非常に良かったことだと思っております
- 絶対できる、と言うことよりもできっこないことに挑むのは、チャレンジングでいいんじゃないですか
- 反省しているんです。ただ、これは私の問題だと思うが、「反省しているといいながら、反省をしている色が見えない。」と言うご指摘は、私自身の問題だと反省している
- 政治に無関心であるということは、無関心のままでいられると思います。だけど、政治に無関係でいられる人はいません
- 3番目だけ「無関係」である点に注意。つまり「関心があろうがなかろうが政治との関係は生じてくる」という至極正論を説いてるのだが、2番目が完全にいらないと構文入り。
- 辞任するとは言ったが辞任するとは言ってない。
- 辞任すると前文に言ったのだが、記者にじゃあ辞任すると言うことでよろしいですか?と言われた時に返した言葉。見事に殿堂入り。
主語と述語/前文と後文の内容がずれていく
- 小泉さんは国政では水と油かもしれないが、水と油も混ぜればドレッシングになる
- 私、育児に参加して思うのは、育児休業という「休む」という言葉が入っていますが、ぜんぜん休みなんかじゃないですね
- 前後の流れから「育児は大変なものでぜんぜん休んでいられない」ということを伝えたかったのだと思われるが、普段の言動もあって構文入り。なお、この育児休業の取得に際しても説明が二転三転して取るんだか取らないんだかわからないという一幕が見られた。
- ステーキやっぱり食べたいですね。毎日でも食べたいね。毎日でも食べたいということは毎日でも食べているというわけではないです
主語と述語/前文と後文の内容が関係ない
- 自分が話している姿を見るのが一番のコミュニケーションの方法です
- 私は悲観的な1億2千万人の国より楽観と自信を持った6千万人の国の方がよっぽど強いと思う。今我々が持つべきは発想です
- (処理水の海洋放出計画問題に関する記者の質問に対し)小浜の地元の組合長にお会いして、ノドグロ(=アカムツ)が取れると聞いて、私ノドグロ大好きなんですよと、「環境大臣室にお越しください」「一緒にノドグロを食べましょうか」といった時の、あの「いいんですか」っていうね、喜んだ顔、嬉しかったですね(直前の質問の答えになっていない)
天然ボケ・意味不明・その他
- プラスチックの原料って石油なんですよね。これ、意外と知られていない
- 誰でも知っている・・・と思われたが、後に知らない人間も一定数いる可能性が指摘された(ただし、この発言のフォローの根拠とされるアンケートの方法には、若干の問題があった)。
- 「三十年後の自分は何歳かな」とあの(東日本大震災)発災直後から考えていました。
- 簡単な足し算で済む話もさることながら、これがあったのは2019年である。
- くっきりとした姿が見えているわけではないけれど、おぼろけながら浮かんできたんです。46(%)という数字が。シルエットが浮かんできたんです。
- 気候変動問題に取り組むことはきっとセクシーでしょう/(どういうことかと問われて)それをどういう意味かって説明すること自体がセクシーじゃないよね
- 自由があるのが自由民主党、自由がないのが民主党
- (レジ袋削減のキャンペーンCMを打つに際して)打倒ドン.キホーテ/打倒パプリカですかね
- 万引きがマイバッグの普及で増えたと感じるか、ということに対しては、85社中26社だった。(中略)では今回のこの措置で万引きが増えたかというと、これはもう少し全体的に調査も含めて見なきゃいけないことではあろうと思います
- 「調査したので調査する」という典型的な小泉構文であるとする解釈、データ不足で断定できないと指摘しているに過ぎないとする解釈、意に沿わない結果だったので沿う結果が出るまでガチャ感覚でやり直そうとしているとする解釈などが入り混じった。
大筋から逸れた話が余談なんですね
名前からしていかにも進次郎特有の言い回しであるかのように思われがちだが、実は進次郎が先駆者というわけではなく、実際、小泉構文が注目を集めるよりはるか昔、彼の父親である小泉純一郎元総理も
- (「抵抗勢力」とは誰のことかと聞かれて)私の内閣の方針に反対する勢力、これは全て抵抗勢力であります
- (イラクの「非戦闘地域」に自衛隊を派遣するが具体的にどこかと聞かれて)自衛隊が活動している地域は非戦闘地域
といったA=Aな小泉構文を用いて答えている。
と言うか政治の世界では不祥事・問題発言・反対意見の多い政策などに対して、中身のない答弁を繰り返して批判をかわすという戦術を使うことは割とよく見られたものだった。
進次郎を重用した菅義偉元総理なども「ご指摘の問題にはあたらないと判断している。だから問題はない」「今後適切に対応する。適切に対応するとは然るべき措置を講ずるものと承知している」といった構文を多用しており、それで記者や野党を論破していると評価する向きさえあった。
では、何故進次郎だけがこんなにもネタキャラのように扱われたのかというと、必要性の感じられない所でも連発している(=戦術ではなく無意識にやってる)様子と他の政治家には無いポエム感が、「若き大臣」という注目度の高さも合わさりかえって悪目立ちしたのだろう。
また、父親や菅義偉が「俺ルール」とでも言いたげなある種の力強さを見せていたのに対し、進次郎は良くも悪くも生活感の漂う話題が多く、頼りなさ・情けなさの方が先行してしまった(なので自民党関係者からも積極的に庇われなかった)という点も大きかったものと思われる。
ネタが広まってくると報道各局も便乗して切り抜き動画のようなものを作るようになった節があり、進次郎自身も何度か苦言を呈していたのだが、このような状況からそれに対する批判もさほど盛り上がらず、むしろ一層素材として拡散される始末であった。
- 伏線回収
進次郎の一部の言動が伏線回収と言われている。
- 「子供の声は騒音ではない」
衆院厚労委にて。ドイツでは法律によって騒音の定義から子供の声を除外していることに関して言及した際の発言。これ自体は構文には当てはまらないが、小泉構文の(というより発言の)特徴が適用されて、今まで当たり前の事を言ってきたのはこれを当たり前だと思わせるためではと言うことで伏線回収と言われている
- 福島の海にてサーフィン
福島の原発処理水の海洋放出問題で、進次郎自らが福島の海にてサーフィンをして安全性をアピールした。小泉進次郎はサーフィン議連の議長を務めている。
この出来事に関して上記の発言である「楽しく、クールに、セクシーに」の伏線回収であると言われた。
また、パリオリンピックにてセーヌ川の水質が問題視された際に「セーヌ川で泳ぐという公約を放棄して逃げたマクロン大統領と、自らサーフィンして安全性を示した進次郎」という形で比較され、「またサーフィンした小泉進次郎の株が勝手に上がっていく」「波に乗っている」などとも言われ再注目された。
- 「年金受給は80歳でもいいのでは」
年金問題に関して過去にこのような発言をしたと日刊ゲンダイが報じてから騒動になった内容。実は進次郎は「現在は75歳までしか受給が引き下げられないが、これを80歳まで引き下げられるようにできればいい」という意味合いであったことが一部週刊誌で明らかになっているが、日刊ゲンダイが「80歳まで年金を貰えない」と解釈して報じ、小沢一郎がマリー・アントワネットと同じだと批判した所謂ミスリードである。
一方で進次郎の師ともいえる竹中平蔵が年金を廃止しベーシックインカムを導入することを主張していることや、そもそも「人生100年と言われるこのご時世だから」という根拠のない前提(なお、2020年時点の日本の平均寿命は84歳)であることから、「進次郎なら言いかねない」ということで拡散されている。
- 「(今のままだと)一度雇用をしたら、ずっと雇わなければならない」
自身の企業の解雇規制緩和政策について。企業が自由に従業員のクビを切れる、労働者よりも大企業優遇の主義。
正規労働者が解雇されないことが非正規労働者の増加を促しているという理屈だが、そもそも雇用の規制緩和を進め就職氷河期をもたらし大量の非正規労働者を生み出したのは他ならぬ彼の父小泉純一郎氏と竹中平蔵氏である。
また進次郎氏は大学を出てからすぐ父親の議員秘書として就職しており、就職氷河期世代だが、進学・就職・失業に関する苦労や不安を自分や親族が味わったことは一度もない。