日本の政党
にっぽんのせいとう
日本国に存在する、あるいは存在した政党についてこの項目では説明する。
日本の法律における政党
政党を定義する公職選挙法、政治資金規正法、政党助成法、政党法人格付与法によりそれぞれ定義は異なるが、「政党助成法(政党交付金の根拠法律)上の政党たる要件」(いわゆる「政党要件」)の「議員数5議席」や「国政選挙での得票率が2%」を満たすものと満たさないものが存在する。法律上は届け出られた団体をすべて政治団体と呼び、そのうちさらに政党要件を満たすものが「政党」と呼ばれる。
なお、最後の「国政選挙での得票率が2%」が各法によってもっとも大きくその意味合いが異なる条件である。その時点での前回の衆院選・参院選の何れか一つが2%を上回っていれば何れの法律も政党と見做すが、政党助成法などはこれに加えて前々回の参院選(参院選は半数改選を繰り返すため、前回と前々回で改選される面々が異なる)で条件を達成している場合でも政党と見做す。
一般用語としての政党
法律上の名称としての「政党」は上記の要件が存在するが、諸外国同様に語義としての"政党(Political party)"の定義が左右されるわけではない。
政党要件を満たさない政党(政治団体)の中には、国会議員が所属していたあるいはしているもの、地方議員が所属しているもの、あるいはそれらが所属した実績のないものがある。本項目ではこれらを一括して扱うが、基本的に衆議院および参議院に自党所属の政治家を立候補させたもののみを扱う。そのため一部の地域政党やアメリカ合衆国施政権下の沖縄に存在した政党は含まない。
ところで、上記法律上の定義の他に政党の分類として国政政党、地域政党、全国政党といったものが存在する。国政政党は国会議員を輩出し国政の課題解決を政治活動の中心に据える政党を指す。地域政党とは特定の地域課題の解決を自党の優先的政治課題と位置付ける政党で基本的には地方議員や首長で構成される。しかし国会に議席を有したとしても地域課題の解決を党の中核に置き続ける限り地域政党と呼んでも問題はないだろう。全国政党は特定地域でなく日本全国に政党組織を有する政党を指す。
日本の政党は基本的に与党と野党に大別される。帝国議会初期において、吏党と民党とがあり、古くは吏党=与党、民党=野党と認識されてきたが、実際には吏党とは、民党の推進する自由民権運動に批判的な守旧政党を指すものであって、藩閥政府と価値観が近いという以上の意味はない。
いくつかに分けられる。
- 藩閥政治期…制限選挙時代。国会の存在感は薄い。
- 戦前二大政党期…大正デモクラシーにより男子普通選挙開始。
- 軍部台頭、大政翼賛会期…二大政党制が失敗し軍部に支持が集まり、そのまま政党政治終焉。
- 戦後の小政党乱立期…公職追放されなかった戦前の政治家を中心に政党が乱立する。
- 55年体制期…保守合同、左右社会党統一を経て自民党と社会党の一と二分の一政党制が成立。
- 政治改革、新党ブーム期…自民党が分裂し社会党が衰退して55年体制が崩壊、戦国状態に。最終的に自公が連立しひとまず安定する。
- 二大政党制期…自由党と民主党の合併で新・民主党誕生、自民党対民主党の時期。その後、政権交代。
- 一強多弱期…民主党が下野し、55年体制以上の自民党優位状況に。
1980年代から1990年代に推し進められた法人税減税や消費税導入など、大企業を利する政策が「経団連などからの献金の影響によるもの( 賄賂ととられかねないもの )ではないか」として批判が強まったため、1994年より政党交付金が、政党交付金政党助成法に基づいて国会に議席を持つ政党に交付されるようになった。
デメリット
ただし政党交付金が導入されたにもかかわらず企業や団体による献金は廃止されないままで「政治とカネ」をめぐる問題は絶えなかったことが問題となっている。
さらにその後の政界は政党交付金を目当てに政党の結党・分裂・合併・離党が繰り返される有り様となった( それ以外にも理由があり、この人の存在も一因 )。
なお、受給資格を持つ日本共産党は「思想良心の自由に反し、違憲である」として政党交付金の受け取りを拒否し、共産党が受け取るはずだった交付金は国庫に返還されず、他党で山分けされている。
「政党交付金」を受け取る「政治団体」
公職選挙法上は前々回の参院選は条件に入らないため、前回の衆院選・参院選で何れも2%を下回っていた場合、その政治団体を政党とは扱わない。そのため例えば、衆議院の小選挙区と比例代表の重複立候補が不可能になるなど、選挙において様々な制約が加わる。
ところが政党助成法等では前々回の参院選でも2%を上回ってさえいれば(かつ所属する国会議員が1人以上いれば)政党交付金を受け取れるため、公職選挙法上の政治団体でも、しばしばこれに該当し政党交付金を受け取ることがある。
更にこの状態は、政党が休眠状態でも条件が続く。例えば、前々回の参院選で2%を上回った政党Aが、後に他の政党Bと「統合」して表向きは消失したとする。ところが、その統合の中身を「A党の党員全てがB党に移籍し、A党は休眠した」という内容にしておけば、このような温存が可能になる。
そして、いざという時に適当な議員一人を適当なタイミングでA党員として迎え入れれば、翌年は政党交付金を手に入れることが出来るのである(実際このような事例は存在する。直近例では2014年の「太陽の党」一時復活に纏わる事例。もっとも交付金目当てかどうかは各々の事情で異なることにも留意)。
政党のリストに関しては現在現存する政党(日本)および過去の政党(日本)に存在する。分割の理由は不明である。