ムシャクシャタイマー
むしゃくしゃたいまー
概要
てんとう虫コミックス23巻及び、藤子・F・不二雄大全集8巻に収録「ムシャクシャカーッとしたら」に登場
砂時計型のアイテムで、ストレスが溜まってムシャクシャした時に使う。この道具をセットして物を壊し、これの上下を逆転させると、壊れた物がタイマーをセットした時点の状態に戻る。ただし上限は4回までなので、使用の際にはそのことを覚えておかなくてはならない。
ちなみに1996年版のみ使用できる回数は5回までで、デザインも原作とは多少異なる見た目になっている。
ストーリー
なぜかムシャクシャしているのび太は押し入れから枕を持ち出し、これを勢いよく床に投げつけた。疑問に思ったドラえもんが訳を聞くと、ものすごく腹の立つことがあってムシャクシャしていたので、何かをぶつけてスッキリしようと思ったが、本は破けるし、椅子は重いしということで枕を投げることにしたという。
しかしのび太があまりスッキリしなかったと言うので、ドラえもんはいきなり椅子を思いっきり投げ、窓ガラスを大破させた。これにのび太は慌て出すが、再度見返すと窓ガラスは元に戻っていて、ドラえもんからムシャクシャタイマーの効果であることを説明される。
これを聞いたのび太は早くムシャクシャしようと、わざとママに叱られることを思いつき、テストで0点を取ったことや、冷蔵庫のメロンを全部食べてしまったことを告白するが、ママは全く怒らず笑顔でアイロンがけを続ける。のび太がなぜ怒らないのか尋ねると、今年はボーナスが大量に出たためだと言われたので、のび太はこれを次々に破り始めた。案の定のび太はママに大目玉を食らったが、ドラえもんがムシャクシャタイマーを戻したことでボーナスも元に戻り、のび太はお詫びにと、これの一部をお小遣いとしてもらうことができた。
それからのび太は頭にたんこぶができたジャイアンとスネ夫に出会い、スパーカーに触ったところ持ち主の男性に殴られたと聞かされる。そこでのび太はこの車のボンネットにコンクリートブロックを勢いよく投げ大破させた後、ムシャクシャタイマーで元に戻し2人を驚かせた。
しかし種明かしをした際、男性にこれを取られてしまい、帰ってドラえもんに相談するが、使えるのは4回までそれを過ぎると元には戻らないことを聞かされる。だがそんなことは知らない男性は一度こんなことをやってみたかったと、巨大なハンマーで自分のスーパーカーを壊し始めるのだった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1980年3月20日及び、1993年3月12日に放送しており、一方水田版は2015年4月10日に放送している。
1980年版
- 冒頭のび太は急いで帰宅し、階段を駆け上がったことで、踏み外して転げ落ち膝を擦りむいてしまった。
- また、のび太が体験した悪いことは水の入ったバケツを持ちながら廊下に立たされたことや、犬に追いかけられたこと、自転車でそばを配達していた男性とぶつかったことなどが追加されていた。
- ママはのび太からテストで0点を取ったとこと、冷蔵庫のメロンを食べたこと、大切にしていた香水の瓶を割ったとをのび太から告白された際「次からは頑張りなさい」、「お腹壊さないといいわね」、「誰にでも間違いはあるわ」と返して気にしなかった。ちなみにママがお詫びとして渡したお小遣いはポケットから出した小銭だった。
- ジャイアンとスネ夫を殴った男性はサングラスをかけておらず、太い繋がり眉毛だった。
- ラストにはムシャクシャタイマーを使っても、ぺっしゃんこになった車が元に戻らず男性が元に戻ってくれと泣いて叫ぶ描写が追加されている。
- 本編終了後のショートアニメはハンマーを持ったモのび太がムシャクシャタイマーを使用して、バラバラになったドラえもんを元に戻そうとしたが、上手くいかず手と足が逆に、尻尾が頭に付いてしまう姿でドラえもんが完成するというものだった。
1993年版
- サブタイトルが「ムシャクシャタイマー」に変更
- 冒頭で先生が「算数のテストで0点を取った者は居残りをするように」と言ったので、のび太もじゃいから自分たちと居残りをするよう言われたが、のび太は25点だったので、つい偉そうに自慢してしまい、カンニングの疑いをかけられ殴られそうになった。だがしずかが止めに入ってくれたので、殴られずには済んだが、偉そうに言ったことについては注意されてしまい、帰ってママにテストを見せても大して褒めてもらえず、お駄賃ももらうことはできなっかった。
- のび太が部屋に帰って来た時、ドラえもんもイライラして22世紀から帰って来て、ムシャクシャタイマーをセットしてから電灯を割ってストレスを発散した。そしてイライラしていた理由は22世紀でどこでもドアを修理してもらおうとしたところ、定員の男性から散々嫌みを言われたから。ちなみにその店員は『おそ松くん』のイヤミにそっくりな外見と口調だった。
- ドラえもんが椅子を再度窓ガラスに投げつける描写は、のび太が椅子をふすまに投げつけてストレスを発散させるよいうものに変更されている。
- のび太はムシャクシャタイマーを持ち出してまず、しずかの家に行き、何かムシャクシャしてることはないか聞いたが特にないと言われたので、スネ夫の家に行った。すると居残りの件などで母親から怒られムシャクシャしていたので、これを使わせてあげ、スネ夫は灯篭を蹴っ飛ばしてストレスを発散させることができた。
- その後スネ夫はのび太からテレビゲームと交換でムシャクシャタイマーを借り、これを使って生け花をしている母親の前でわざと花瓶を割って再度ストレスを発散したり、はる夫と安雄に神成さんの家の窓ガラスを割らせてあげ彼らのストレス発散にも協力した。
- その後、母ちゃんに怒られたことでムシャクシャしているジャイアンに遭遇し、殴られそうになったが、ムシャクシャタイマーを使うことを勧め、ジャイアンは店の品物を散々メチャメチャにしてストレスを発散したが、ムシャクシャタイマーの上限が切れていたため元に戻らず、ジャイアンとスネ夫は母ちゃんから追いかけられる始末となった。
- 以上のことからのび太がママの前でわざと怒られようとするシーンからの下りは一切描かれていない。
2015年版
- サブタイトルが1996年版と同じものに変更
- のび太がムシャクシャしていたのは、スネ夫に大型のラジコンのロボットを自慢された上、触らせてもらえず嫌みも言われたから。
- のび太がママにわざと叱られようと思ったのは、さっきのドラえもんの行動にびっくりし、イライラが消えてしまったから。ちなみにママがパパからもらったものは10万円分の商品券に変更されている。
ドラえもんとのび太が外出して最初に出木杉と会っていて、ムシャクシャすることがないか聞いたが、今は特になくムシャクシャした場合はスポーツに打ち込むし、今アンを自分で乗り越えてこそ成長できると思うと言われしまった。
- その直後2人はピアノがうまく弾けず、落ち込んでいるしずかと会い、公園で花を踏んづけたり窓ガラスを割ったりしてストレスを発散させるよう勧められ、決心してやってみることにしたが、うっかり小石を蹴っってしまい、これが回り回ってビル群が崩壊する事態になってしまった。結局、起こったことが壮大過ぎてしずかはあまりスッキリしなかったが、2人と話せたことでしずかは再びピアノの練習を頑張ることにした。
- ジャイアンとスネ夫は空地でラジコンの巨大ロボで遊んでいたが、サングラスの男性が更に巨大なラジコンのロボットでミサイルパンチを仕掛けてきたので、2人はこれに一目惚れし触ったところ殴られてしまった。そしてこの場にやって来たドラえもんとのび太は事情を聞き、のび太は大岩を、ドラえもんは土管を巨大ロボット目掛けて投げ、装甲を凹ませたり、転倒させたりした。
- 先述の通りこの場にはどらえもんみいたため、ムシャクシャタイマーを男性に取られた際には、ドラえもんが「いいから、いいから」と、これを取り返そうとするのび太をなだめている。