概要
てんとう虫コミックス23巻及び、藤子・F・不二雄大全集8巻に収録「ムシャクシャカーッとしたら」に登場。
砂時計型のアイテムで、ストレスが溜まってムシャクシャした時に使う。この道具をセットして物を壊し、これの上下を逆転させると、壊れた物がタイマーをセットした時点の状態に戻る。ただし上限は4回までなので、使用の際にはそのことを覚えておかなくてはならない。
また1993年版のみ使用できる回数は5回までで、デザインも原作とは多少異なる見た目になっている。
ちなみに2013年放送の「パパママおうちで大バトル」にも登場している。
ストーリー
なぜかムシャクシャしているのび太は押し入れから枕を持ち出し、これを勢いよく床に投げつけた。疑問に思ったドラえもんが訳を聞くと、ものすごく腹の立つことがあってムシャクシャしていたので、何かをぶつけてスッキリしようと思ったが、本は破けるし、椅子は重いしということで枕を投げることにしたという。
しかしのび太があまりスッキリしなかったと言うので、ドラえもんはいきなり椅子を思いっきり投げ、窓ガラスを大破させた。これにのび太は慌て出すが、再度見返すと窓ガラスは元に戻っていて、ドラえもんからムシャクシャタイマーの効果であることを説明される。
これを聞いたのび太は早くムシャクシャしようと、わざとママに叱られることを思いつき、テストで0点を取ったことや、冷蔵庫のメロンを全部食べてしまったことを告白するが、ママは全く怒らず笑顔でアイロンがけを続ける。のび太がなぜ怒らないのか尋ねると、今年はボーナスが大量に出たためだと言われたので、のび太はこれを次々に破り始めた。案の定のび太はママに大目玉を食らったが、ドラえもんがムシャクシャタイマーを戻したことでボーナスも元に戻り、のび太はお詫びにと、これの一部をお小遣いとしてもらうことができた。
それからのび太は頭にたんこぶができたジャイアンとスネ夫に出会い、スパーカーに触ったところ持ち主の男性に殴られたと聞かされる。そこでのび太はこの車のボンネットにコンクリートブロックを勢いよく投げ大破させた後、ムシャクシャタイマーで元に戻し2人を驚かせた。
しかし種明かしをした際、男性にこれを取られてしまい、帰ってドラえもんに相談するが、使えるのは4回までそれを過ぎると元には戻らないことを聞かされる。だがそんなことは知らない男性は一度こんなことをやってみたかったと、巨大なハンマーで自分のスーパーカーを壊し始めるのだった。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1980年3月20日及び、1993年3月12日に、水田版は2015年4月10日にそれぞれ放送している。ただし1993年版はサブタイトルが「ムシャクシャタイマー」に変更され、内容もアニメオリジナルなため単にストーリー解説を行う
1980年版
- 冒頭のび太は急いで帰宅し、階段を駆け上がったことで、踏み外して転げ落ち膝を擦りむいてしまった。
- また、のび太が体験した悪いことは水の入ったバケツを持ちながら廊下に立たされたことや、犬に追いかけられたこと、自転車でそばを配達していた男性とぶつかったことなどが追加されていた。
- ママはのび太からテストで0点を取ったとこと、冷蔵庫のメロンを食べたこと、大切にしていた香水の瓶を割ったとをのび太から告白された際「次からは頑張りなさい」、「お腹壊さないといいわね」、「誰にでも間違いはあるわ」と返して気にしなかった。ちなみにママがお詫びとして渡したお小遣いはポケットから出した小銭だった。
- ジャイアンとスネ夫を殴った男性はサングラスをかけておらず、太い繋がり眉毛だった。
- ラストにはムシャクシャタイマーを使っても、ぺっしゃんこになった車が元に戻らず男性が元に戻ってくれと泣いて叫ぶ描写が追加されている。
- 本編終了後のショートアニメはハンマーを持ったモのび太がムシャクシャタイマーを使用して、バラバラになったドラえもんを元に戻そうとしたが、上手くいかず手と足が逆に、尻尾が頭に付いてしまう姿でドラえもんが完成するというものだった。
1993年版
ジャイアンとスネ夫は算数のテストで0点を取ったため居残り勉強をすることになったが、のび太は25点だったためこれを免れた。2人からカンニングを疑われるも、いいきになって大口をたたいてしまったため掴みかかられてしまい、しずかが止めに入ったことで未然に防がれたが、自身も言い過ぎたことについては注意されてしまった。
帰宅後ドラえもんとママに褒めてもらおうとしたが、ママは大して褒めてくれずお駄賃ももらえなかった。イライラしながら部屋に帰るのび太だったが、そこに同じくドラえもんがイライラしながら22世紀から帰って来て、ムシャクシャタイマーを取り出すといきなりバットで街頭を破壊し出した。この音を聞いてママがやって来たがすでにタイマーにより修復された後だったためお咎めはなく、ドラえもんはのび太にイライラしていた理由を話し出す。
それは22世紀にどこでもドアを修理に出しに行ったところ、そこの店員に他の最新型を勧められ、おまけに散々嫌みも言われたことだった。これを聞いたのび太はドラえもんにタイマーを貸してもらい、ふすまに椅子をぶつけてストレスを発散し、しずかの家にも向かったが彼女は特にストレスを抱えていなかったため、今度はスネ夫の家に行ってみることにした。
すると居残り勉強した件で母親に怒られてたため、タイマーを使って蹴っ飛ばした灯篭を元通りにしてあげ、テレビゲームなどと交換で昼間で交換することにした。上機嫌で帰ってきたのび太にドラえもんはタイマーの使用回数の上限を教えるが、そんなことは知らないスネ夫は生け花をする母親の前で彼女のお気に入りの花瓶を叩き割ってすぐ元通りにしたり、硝子を割った罰として神成さんにボールを取られてしまった安雄とはる夫に、もう一度ガラスを割らせてあげたりしていた。
だがその後ジャイアンと遭遇し、母ちゃんに怒られてイライラしてるから殴らせろと言われたので、タイマーを使って店を破壊することを提案する。だが実行した時にはもう使用回数の上限を過ぎてしまったので、2人は母ちゃんに追いかけられる始末となった。
2015年版
- サブタイトルが1996年版と同じものに変更。
- のび太がムシャクシャしていたのは、スネ夫に大型のラジコンのロボットを自慢された上、触らせてもらえず嫌みも言われたから。
- のび太がママにわざと叱られようと思ったのは、さっきのドラえもんの行動にびっくりし、イライラが消えてしまったから。ちなみにママがパパからもらったものは10万円分の商品券に変更されている。
- ドラえもんとのび太が外出して最初に出木杉と出会い、ムシャクシャすることがないか聞いたが、特にないと言われ、ムシャクシャした場合はスポーツに打ち込むし、困難を自分で乗り越えてこそ成長できると思うと言われしまった。
- 次に2人はピアノがうまく弾けず落ち込んでいるしずかと出会った。2人は、公園で花を踏みつけたり窓ガラスを割ったりしてストレスを発散するよう勧めた。そのため、しずかは小石を蹴り飛ばした。しかし、この小石が思わぬ連鎖反応を引き起こし、ビル群を崩壊させる事態となった。このことに慌てた2人が、しずかが気づく前に元の状態に戻した。結局、しずかは小石を蹴り飛ばした程度ではスッキリしなかったものの、2人と話せたことで再びピアノの練習を頑張ることにした。
- ジャイアンとスネ夫は空地でラジコンの巨大ロボで遊んでいたが、サングラスの男性が更に巨大なラジコンのロボットでミサイルパンチを仕掛けてきたので、2人はこれに一目惚れし触ったところ殴られてしまった。そしてこの場にやって来たドラえもんとのび太は事情を聞き、のび太は大岩を、ドラえもんは土管を巨大ロボット目掛けて投げ、装甲を凹ませたり、転倒させたりした。
- ムシャクシャタイマーを男性に取られた際には、ドラえもんが「いいから、いいから」と、これを取り返そうとするのび太をなだめている。そして男性が壊しにかかったのも、この巨大ロボになっている。