前後のストーリー
予告
地底をうごめく怪しい影。
幻視怪獣モグージョンの魔の手が忍び寄るとき、押し込められていた心の蓋が開く。
次回、ウルトラマンブレーザー『恐怖は地底より』
深淵を覗くのは神か、己か。
主な出来事
藤垣市御茶ノ崎地区開発予定地のボーリング作業中に陥没が発生。穴を見た作業員4人がパニックに陥る事件が起こる。
モグラの巣と生命反応を検出するも、強い電磁波のせいで調査用のドローンが操作不能になる中、聞き取りをしてきたエミとアンリによると、目撃した4人の証言がバラバラで、それらを元にして出来上がったモンタージュ予想図もキメラのような姿だった。
いつ出てくるかもわからない状況下、SKaRDはここを見張ることになる。
その夜、SKaRDMOP…もといモッピーの中で待機していたヤスノブとテルアキは、もうすぐ完成するアースガロンのAI対話システム「EGOISS」について語る。音声認識チェック等はしたがお喋りはお預け、とヤスノブはアースガロンとの対話に期待をふくらませた。
その後、テルアキは「作業員の証言は地下から出る有毒ガスの中毒症状により意識が混濁して幻覚を見たせいではないか」と考え、ガスマスクとガス検知器を持って穴を見に行くが、ガスは検出されず。
思い切って穴の中を覗くと、発光とともにテルアキは突如発狂。ヤスノブが慌てて駆け付けるが、テルアキはあまりの恐怖に「赤黒くておぞましい…!あれは…あれはまるで…おはぎ…!!」と言い残して気絶するのだった。
ヤスノブ「嘘やろ…!副隊長!!…副隊ちょぉぉぉぉぉーっ!!!」
翌朝、テルアキは病院に運ばれたものの、特徴が増えて困るゲントとヤスノブ。するとアンリは、テルアキが幼い頃からおはぎが大の苦手だったことと、作業員の証言に「自分の嫌うもの、怖いものによく似ている」という共通点があることを思い出す。
そこへ地響きが鳴り出し、モッピーを出る3人。穴から飛び出した何かを見た。だが、虫嫌いのアンリはタガヌラーを、苦い記憶を持つヤスノブはカナン星人ハービーを、そして作戦失敗を恐れるゲントは大破したアースガロンと、各々で目視したものは異なっていた。
しかし、ゲントだけは目視したものが幻覚であることをすぐに悟り、目を瞑りそれを振り払うと…そこに現れていたのは、未知の怪獣だった。舌を伸ばし捕食されそうになり、慌てて2人もろとも身を投げ出すゲント。パニック障害で2人が動けない中、ゲントはテルアキの通信を受ける。
テルアキによると、怪獣は手のひらから光(電磁波)を放って目視させること目撃者の扁桃体(脳の内側にある恐怖や嫌悪感などの事象を司る部位のこと)を刺激し、目撃者にとっての嫌いなもの、怖いものを自身の姿に投影することができるらしい。
ゲントはこれを使い威嚇、上陸後は捕食が目的だと推測。エミからの追加情報で怪獣はGGF司令部により幻視怪獣モグージョンと名づけられた。
…が、テルアキは絶対安静を破ってこっそり通信&脳の検査画像を盗み撮りしていたことが(やたらと強気な)看護師に見つかり強制連行されてしまった。ついでにそれを目撃するアンリと、何が起こっているのかわかってないヤスノブも同じ病院に運ばれていた。
…気を取り直し、エミはこの2ヶ月間、藤垣市周辺の家畜が一斉に消え、直前に地面の陥没が起きていたことも伝えるが、そうこうしているうちにモグージョンは市街地に侵攻。GGFのミサイル攻撃を頭ポリポリ程度で済ませ前進する。
アースガロンを出そうとするが、機長がいないため出れないと嘆くエミ。しかし、ゲントは彼女に出撃命令を出す。
エミ「いやいやいやいや操縦士だけじゃ戦えないっしょ!」
ゲント「できる。AI対話システム、EGOISSを使えば」
エミ「EGOISS…?」
困惑しながらもアースガロンに乗るエミ。
すると、突如としてコクピットに青い明滅と声が響いた。
『落ち着いてくださいエミさん』
エミ「…うそ……今のが……?」
『いつもお世話になってます。23式特殊戦術機甲獣アースガロンです。お話しするのは初めてですが、皆さんのことはよく知ってます。よかったら、「アーくん」って呼んでください』
エミ「アーくん……??」
『はい。ヤスノブさんは二人きりの時いつもそう呼んでくれます』
流暢に話し会話してみせるEGOISS改め、アーくん(CV:石田彰)。
操縦ダメダメなことを憂うエミを『僕がついてます』と励まし、出撃コールを告げて、基地を飛び立った。
エミは飛行中、ゲントから対策を聞かされ、モグージョンの手の光を見ないようにすれば良いと言われるが、難易度の高さを指摘。ゲント本人は幻視を特殊部隊での訓練での経験で切り抜けたと話し、同じく特殊部隊経験を持つエミにもできるだろう、と返す。
市内に着いたエミとアーくんは、ビル内の逃げ遅れた人間を捕食しようとするモグージョンを発見。アーくんは『(エミの操縦技術がまだまだな事もあり)飛行状態での攻撃は安定せず巻き込み被害を出す恐れがある』と忠告するが、エミはスピード優先で急降下体当たりを敢行しビルからモグージョンを引き剥がした。
が、一足早く起き上がったモグージョンが、カメラへ向けて幻視の光を照射。
急降下の反動で避けるのが遅れ、それを目視してしまったエミは……
モグージョンがエミ自身に視える状態となり、アーくんの呼びかけも虚しく錯乱状態に陥ってしまう。
行動できなくなり一方的にボコられるアースガロン。
モッピーで駆けつけたゲントはブレーザーへ変身、レインボー光輪を展開し投擲するが、モグージョンは器用にキャッチし投げ返す。ビルが切り飛ばされ慌てる間もなく、モグージョンはブレーザーへ光を放つ。
まぶたが無いので咄嗟に目を塞いで対抗するが、その隙を突いてモグージョンはブレーザーを攻めたてる。ブレーザーも奮戦するが、伸びる腕、回転する頭部カッターと逆に圧倒されピンチに。
エミは、自分がブレーザーを蹂躙しているような光景に心が折れそうになるが、そこへ突如モニターの右上に見慣れた顔が映る。
テルアキ「アースガロンが非常事態を伝えてくれたんだ!」
アンリ「幻なんかに負けるエミさんじゃないですよね!?」
ヤスノブ「そうっすよ!怖がることはありません!」
アーくん自身の意志で集まり、自身を励ます仲間の姿が、そこにあった。
エミは必死に幻覚を振り切り、アーくんの声で完全に覚醒。
『エミさん…!エミさん!』
エミ「ありがとう……みんなっ…!」
アースガンでモグージョンを攻撃し、その拘束からブレーザーが抜け出すと、ブレーザーは目の光を落として視界をシャットアウト、幻覚を無効化する。
対抗して音もなく忍び寄ろうとするモグージョンだが、エミは左から伸びる腕を咄嗟に伝え、ブレーザーは即座に反応し腕を捕まえ頭部に肘鉄、ダメージを浴びせて形勢逆転。
そのままブレーザーは召喚したチルソナイトソードで頭部カッターを防ぎ、ライデンズフィニッシュを発動。3段斬りからの雷撃光線でついにモグージョンを打ち倒した。
エミ「ありがとね、アーくん…」
『こちらこそ。急降下は適切な判断でした』
エミとアーくんもお互いをねぎらうのだった。
戦いのあと、エミはゲントに一番怖いものを尋ねると、ゲントは作戦の失敗を挙げる。だが、聞き返されたエミは自分自身と答えるのがイヤなのか、はぐらかすのだった。
そこへアースガロンとの初会話を楽しみにしていたヤスノブが現れ、羨ましがりながらもエミに色々尋ねる。アンリとテルアキも到着し、エミは自慢しようとするがヤスノブが慌てて阻止する。
そんな隊員たちの様子を見て、ゲントも微笑むのであった……。
登場怪獣
幻視怪獣モグージョン
余談
ラストの隊員たちが微笑む様子の撮影の際、辻本貴則監督からは「自由にやっていいよ!」と言われてたが、後ろのゲントが隠れてしまい撮影を何度か撮り直したらしく、その度ゲント役の蕨野友也氏が映るよう位置を微調整していたことから、スタッフから礼を言われている。
また、モグージョンの幻覚でテルアキが発狂するシーンは撮影日が風が強い日で、ナイター撮影でスタッフ含め演者が風邪ひく前に早めに撤収しなければならないのもあり少しピリピリしていたが、ヤスノブ役の梶原颯氏が副隊長ォォォォオォォォォ!!!と来たことで現場の空気が少し柔らかくなったようである。
このシーンについては、最終回後の田口清隆監督とメインキャストの座談会動画にて辻本監督との段取りの段階では最初普通で悲惨なくらいで来るとテルアキ役の伊藤氏は思ってたがいざ本番になると上述のように至近距離でオーバーリアクションで死んだように心配するリアクションで来たため、カットがかかると死んでないよ。という裏話を暴露している。