TARO OKAMOTO
芸術家。
「芸術は爆発だ!」のフレーズが示すとおり既存概念に囚われない自由な発想で数多くの作品を残し、大阪万博のシンボルでもある、日本最大級のパブリックアート「太陽の塔」を制作した。沖縄や縄文時代の文化にも注目し、その記録やそこから発想したべらぼうな作品を多数創り上げた。
また独自の芸術観をもち、多数の著作を著した。人間と芸術の疎外を問い、誰もが芸術を行うことの意義を高らかに宣言した『今日の芸術』は、半世紀前の著作ながら現代にも通じる内容。
活動的な人物で、テレビなどのマスメディアへの登場も多く、多くの文化人と親交を結んだ。だが、マスメディアでのパフォーマンスにより、キワモノ的なイメージを持たれたことも否定できない(太郎自身はそれを喜んでいたが)。
生涯
風刺漫画家岡本一平を父に、小説家岡本かの子を母に持つ芸術一家に生まれる。かの子はお嬢様育ちで、母親らしいことが全くできない人だった。不倫を繰り返した生活破綻者で、恋人を夫公認で家に住まわせることまでしている。太郎が多くの女性と恋愛し、常識にとらわれない生き方を尊んだのも、この母の影響が強い。
死後、秘書であり養女である岡本敏子の尽力で多くの遺作が発見・公開された。近年「明日の神話」の発見、修復、恒久設置などが行われた。2011年はTARO生誕100祭。
特撮映画『宇宙人、東京に現る』に登場するパイラ人のデザインもした。
イラスト
「芸術とは、うまくあってはならない、きれいであってはならない、ここちよくあってはならない。」
(岡本太郎 『今日の芸術』 1954 光文社)