曖昧さ回避
- ラテン語で「声音」の意。ウォクス。英語で発音するとヴォックス。
- イギリスの楽器メーカーVOX社とそのブランド。ラテン語の「声音」に由来する。1957年、トーマス・ウォルター・ジェニングスにより設立された。ギター・アンプの「AC30」はビートルズ、ローリング・ストーンズ、キンクス、ヤードバーズ、クイーン、ダイアー・ストレイツ、U2、レディオヘッド等の使用で知られ、ワウ・ペダルはジミ・ヘンドリックスが愛用した。1992年よりVOXブランドはKORG社が所有している。
- ヤマハ発動機がかつて販売していたスクーター。→VOX(ヤマハ)
- 戦闘バーチャロイドの一系統。
バーチャロイドの「VOX」
製作は第3プラント・ムーニー・バレー。
初代バーチャロンにおける「ベルグドル」その発展形である「グリス・ボック」「シュタイン・ボック」の流れを汲んだ機体である。
また、同社が作成した「ドルカス」及び、そのパクリ……他社が製作した発展機体「ドルドレイ」の流れも汲んでいる。
ようするに、見た目人気が乏しい重戦型バーチャロイドを、VOXという1機のVRに統合し、両腕の武装変更だけでバリエーションにしてしまったのがVOXシリーズである。
開発の背景
FR-08(第8プラント・フレッシュ・リフォー)の独善に不満を抱いていたMV-03(第3プラント・ムーニー・バレー)は、限定戦争のマネジメントを行っていた国際戦争公司とともに、新企業「アダックス」を立ち上げ(事実上の改名)、新たな市場を模索していた。
その末に火星にたどり着いたが(VCa4年の話である)、ここにはマーズ・クリスタルが存在し、それらが発する攻性浸蝕波がVコンバータの機能を阻害する危険区域だった。
そこで、火星の原住民『マージナル』(かつての火星開発事業の失敗で火星に取り残されていた集団)と、彼らに現地仕様のマイザーを提供したSM-06(第6プラント・サッチェル・マウス)のアイザーマン博士と交渉し、火星適応技術を入手、必要な素材も含めた提携により、第3世代VRの製作が始まった。
マーズ・クリスタルの攻性浸蝕波に対するフィルタリング、定位リバースコンバートなど、第3世代型VRの仕様を決する技術は、このVOXシリーズによって完成したといってもよく、同じく火星に市場を見出したTV-02(第2プラント・トランスヴァール)が製作したアファームドT系列とともに、FR-08が差し向けたテムジン707の部隊を完膚なきまでに撃破したことで、「地球圏最強のVRを撃破した最新鋭VR」として注目を集めた。
Vokシリーズから引き継いだUSS(ユニットスケルトンシステム)により、火星戦線では最もバリエーションに富む機体群となっている。
なお、コアユニットはUSSによる脚部ユニットとは別に脚部を有し、箱状の背面装甲内に天地逆に収納されている(デスアーミーに近いシステム)。これはVokシリーズのコアユニットの問題点(脚部を破壊されるとUSSを排除しても戦線離脱が出来ない/USSの装備限界がコアユニット脚部の耐荷重限界に左右される)を解消する狙いがある。
ちなみに、指揮官用(アーケード版バーチャロンフォースでは「特務曹長」以上から支給資格がある)機体「/C」は頭部ユニットが探査/通信機能の強化の関係か「ツインスリット型のドルドレイ」と呼ぶべき見た目になっている(後述のリー、ルー、ボブ2号は「/C」が存在しない。・・・ボブ2号には有っても良さそうなのだが)。
バリエーション
- リー(VOX L-48)
最初期に登場した機体。USSに何も搭載せず(コアユニット後部上側面に追加パーツは有る)、武装はロングバレルのマシンガン一挺のみ(この荷重に耐える為、コアユニットの前腕が大型の物に換装されている)。対VR戦闘での運用には心もとないものの、軽装から得られる恩恵、特に良好な機動性能は強行偵察等の運用に適していたので、主に哨戒、索敵任務に用いられて活躍した。
※戦術ニッチェ的には先代の「ディク・ディク」のそれを継承している。
また、「マスターピース」公式サイトの折鶴蘭の解説から「比較的“バーチャロン・ポジティブ”値が低い者でも運用できる」事が判明している。
- ルー(VOX L-43)
両肩に武装を装着するハードポイントの検証等を主目的にしており、どちらかというと試作機の趣が強い機体。
武装は手持ちのガンと両肩のミサイル・ランチャー2門のみである。
ダン等のシリーズ後続機種のような前腕攻撃ユニットを装備していない分、戦闘能力は中途半端だが、その分軽量かつ安価で扱いやすく、錬度の低いパイロットでも容易に乗りこなすことができることから、各戦線で広汎に使用された。
リー、ルー共に軽量級の脚部ユニットに増加装甲が追加されている(防御力には余り貢献していない)が、これもディク・ディクから継承した特徴の一つである。
- ダン(VOX D-101)
火星戦線の定番機体で、SAV-326の系譜に連なる大火力支援型モデル。主要兵装は右腕を構成するABL-M32ミサイル・ランチャー、左腕を構成するABL-B27ナパーム・ランチャー、両肩部のSBL-M18大型ミサイル・ランチャーとなっている。
強化型としてVOXダニー(D-102)が存在する。
- ダニー(VOX D-102)
ダンの両脚にミサイルランチャーを追加した派生型。強化型として鳴り物入りで戦線に投入されたが、不可解な事に能力面でさして優れた物が在る訳では無い。
主に地球圏への輸出用に大量生産され、運用されていたが後に火星圏に逆輸入されダン共々定番機体として定着した。※脚部ミサイルの入力の兼ね合いで遮蔽物越しの攻撃等がダンの様には出来ない為、全く同じ感覚で扱える訳では無い事が先述の評価に繋がっているのだろう。
- ダンSF(VOX D-101 SpecialForce)
バーチャロンマーズ(VOM)の登場機体。入手条件は『ドラマティックモード(難易度問わず):階級「一査」以上での当該機撃破』
ダンに比べ装甲が固く、TCW(ターボセンターウェポン)での大型ミサイルが2×3の6連射攻撃になっている(これに伴いCW全般のゲージ消費が少なくなっているが、回復速度はむしろ遅くなっている)。
本機の配色はスペシャルカラーの「嵐の勲」(「黒い三連星」カラーと言った方が伝わり易いか?)があてがわれており、この為VOMにおけるカラーバリエーションで他の機種だと「嵐の勲」になっている所がVOX系では金色(「勝利を我が手に」なるレアカラー)になっている。
- エイジ(VOX A-300)
DNA式のVR運用体系には存在しない軽戦闘型の機体。主要兵装は右手のガンシステムLG-08、左手の近接戦闘兵装ハイパー・クラブHA-73、胴体に装備されたSBL-C29カッター・ランチャー。
兵装の傾向から、J系とB系の中間に位置するような前衛モデルとなっている。安価で信頼性の高い優秀な軽量前衛機で、全戦線で幅広く利用されている。
- ジョー(VOX J-500)
ドルカスのコンセプトを復活させた攻撃型。
傑作であるドルカスの後継機なだけあってすべての能力がハイレベルでまとまっており、各戦線で重宝された。
武装が左右反転し、ハンマーをチェーンソーに変更したVOXジェーン(VOX J-504)がある。
- ジョーSF(VOX J-500 SpecialForce)
VOM登場機体。入手条件はやはり『ドラマティックモード(難易度問わず):階級「正査」以上での当該機撃破』
一見「雪の勲(後述の『ピース・キーパーズ』隊所属機の配色に由来するスペシャルカラー)」に似たカラーリングだが、差し色がオレンジイエローから紫色に変更されており、心なしか寒色系に見える。
当ゲームのVOX系では性能が最も高い。
特筆すべき点としてTRW(ターボライトウェポン)での「クロー飛ばしによる敵拘束」が連射可能になっている(ジョー系では通常「クロー飛ばし」中はファイヤーボールが撃てないが本機はクローが戻って来ていなくても撃つ事が可能である)点が上げられる。※「クロー分身」は「パーシャルコンバート」の応用と見られるが量産型VRで「パーツを丸ごと複製/再消去」出来る事がむしろ驚異。
- ボブ(VOX B-240)
ドルドレイを模倣したと思われる拠点攻略(もしくは防衛)型。
地球圏仕様(後に火星圏にも供給)としてボブ2号(VOX B-242)がある。
ボブ2号は脚部ユニットをジョー系の物に換装した物で移動速度は低下したが防御力と突進速度、旋回性能が向上している。
先述の「/C」の仕様も有って、アーケード版フォースの時点では「アダックスとトランスヴァールの裏取引」を疑う向きも有った。
コアユニット側の腕部が廃され、代わりに装甲ユニット(右側は標準装備の「ミーロフ・ガン・システム(メイン画像の小型マシンガン)」を直接埋め込んでいる)を装備している為、VOXで在りながら「二本腕」と言う特徴を持つ(リーやルーとは腕の構成が逆になるが)。
- ユウタ(VOX U-303)
※図版は指揮官機「/C」
DNAとRNAが共同で設立した特殊部隊「ピース・キーパーズ」用に開発された機体であり、兵装は右腕の特殊火器WGS-32/ut、左腕のナイフ形武器ASS-601、小型ミサイルランチャーSCL-23(ランチャーの筐体はジョー系の物の中身を交換した物。なので装甲強度はそれなりに有るハズだが…)というラインナップ。
また特殊機構としてステルス機能を持っている。VRのセンサーに移りにくくなる探査妨害システムで、後ろ暗い任務が多いピースキーパーズ機には搭載している機体が多い。
※第3世代型アファームドの「typeX」もそうだが、この機能が影響しているのか、他の系列機に比べ防御力が低い。
ちなみに、アーケード版フォースの時点では「ユータ」表記だった。
- マリコ(VOX M-400)
U-303同様、ピース・キーパーズ用に開発された機体。
傾向としてはD系に近い支援型モデルだが、下半身がVRとしては非常に珍しいホバークラフトになっているほか、右腕がガトリング砲AGS-L24に、肩のランチャーがバリエーションモデルのSBL-M16になるなど、武装面もかなり変化している。
- テツオ(VOX T-400)
※図版は指揮官機「/C」
拠点強襲用として開発された打撃力特化モデル。
VOXのUSS構造をフルに活かしたつくりであり、打撃力に完全特化したかつて類を見ない独特な機体に仕上がっている。
武装は大口径砲/ランチャーでまとめられており、BGS-A/128を2門、BGS-S/125を1対搭載している。
通常のVRが主兵装として持ち歩くようなものを4本も持ち歩いているも同然であり、その超重量に耐えるため下半身が戦車的な無限軌道ブロックに挿げ替えられたことで機動性は絶望的になったが、引き換えに得た火力は凄まじい。
余談
ロケテスト版のVOXはダンのコアユニットをエイジの物に替えた様なデザインだった(上部USSが設定されていなかったらしい)。このタイプは一部で(非公式に)「D-100」と呼ばれている。
アーケード版の開発段階では機体支給の代わりに武装等を入手しプレイヤー好みの機体に仕上げる仕様にするつもりだったらしいが、ゲームシステムが煩雑になり過ぎる事から現行の仕様になったらしい。
この為、武装や組み合わせのバリエーションで死蔵品になっている物が大量に存在するそうだ(公開されているだけでも「ビームシールド」や手持ち武器系のデザインがかなり在る)。
また、亙重郎氏が「スピングル・ボック」の件で行ったツイートの内容から、今後の公式発表如何ではVokシリーズ共々、その歴史認識がかなり覆される可能性が在る事に留意する必要が在る。
※どうもアダックス内では火星に乗り出す前からVokシリーズと別系統で「既に存在していた」らしい。