概要
福永令三著の児童文学『クレヨン王国シリーズ』を原作としたアニメ。
「死神編」と「天使編」の二つのストーリーに分けられ、1997年9月7日から1999年1月31日まで放送された。全70話。
尚、ニチアサの8時30分アニメ枠としては本作まで秋スタートであったが、本作の人気により2クール放送延長され、次番組となった『おジャ魔女どれみ』からは2月(春)スタートとなっている。そのため、本作は結果的にニチアサキッズタイム第4枠において秋スタート最終作品となった。
さらに、原作が存在するのも放送期間が1年以上なのも本作が同枠最後となっている。また、本作からは全編デジタル制作になった。
メルヘン・ファンタジーな世界観ではあるが、詩的表現が特徴的だった原作をコミカルな魔法少女風のアニメとしてアレンジしており、原作由来のキャラクターや設定も大幅な改訂が加えられている。
原作者の福永は稲上晃によるキャラクターデザインや楽曲を高く評価しており、作品の出来上がりやスタッフとのやりとりを好意的に受け止めていたことが自著で語られている。
ストーリー構成は、原作シリーズのうち『クレヨン王国の十二か月』『クレヨン王国 新十二か月の旅』『クレヨン王国 シルバー王妃花の旅』3作品をミックスした内容となっている。延長された50話に始まる「天使編」はアニメオリジナルストーリーになっている。
また、本作は徳光由香の声優デビュー作でもある。
テレビ朝日のキッズ向けアニメ枠としての前シリーズにあたる『花より男子』と同様に、レギュラーに新人・若手の声優や、本業が声優でない俳優、タレントなどが複数起用されており、このキャスティング傾向は次シリーズにあたる『おジャ魔女どれみ』にも引き継がれることになった。
あらすじ
死神編
クレヨン王国の王女であるシルバー王女の12歳の誕生日、かつて王国中にその名を轟かせた英雄、武烈女王によって封印された死神が復活する。さらに、城に現れた謎の少年・クラウドによって、シルバー王女の両親であるゴールデン国王とオパール王妃が石にされてしまった。
2人を元に戻すにはシルバー王女の12の「悪い癖」を直さなければならないという。そして、死神を再度封印するには、死神の弱点が書かれている「詫び証文」を見つけ出す必要がある。
シルバー王女はニワトリのアラエッサ・ブタのストンストンの2人と、12の野菜の精をお供に、クレヨン王国各地を巡る旅に出ることとなった…。
天使編
無事死神を封印し、「悪い癖」を直して両親を元に戻すことができたシルバー王女。しかし、彼女の世話係として新しくやってきたプーニャが、城の中の古い柱時計に封印されていたイタズラ好きの天使、シャカチックとユックタックをうっかり復活させてしまう。
天使たちは国中でイタズラをして住民たちを困らせるようになった。シルバー王女たちは汽車「シルバー号」に乗り、天使たちと責任を感じて一足早く飛び出したプーニャを追うべく再び旅に出るのだった…。
登場キャラクター
メインキャラクター
本作の主人公。本名はシルバー=マーガレット。
石にされた両親を元に戻すため放浪の旅を続けるクレヨン王国の王女。
桃色がかった銀色の美しい髪が特徴的な美少女で、12の「悪い癖」を持つ(本人は悪い癖の自覚がないらしい)。
普段は自分の非を絶対に認めず周囲を振り回すワガママな性格だが、仲間達のためなら自らの危険も厭わない勇気と優しさを秘めている。
また、父のゴールデン国王曰く「すべての人の心を和ませる、国の宝」と評される愛らしい笑顔が特徴である。
かつて死神を倒した祖先である武烈女王(CV:荘真由美)に憧れており、彼女の伝記を読み本人曰く武道の稽古も毎日欠かさず行っている(実力不明)。
旅の途中で死神が復活した為に危険だから城に戻るようにとカメレオン総理に言われるも「死神を倒せるのは武烈女王の血と勇気を受け継いだ者だけなら私しかいない」と拒否した。
小さい頃から木登りが得意。大食いでクリームパンが大好き。蛇が苦手。
誕生日パーティーのダンスの際現れたクラウドを気に入り一度はダンスの相手をする許可を与えたものの、「12の悪い癖のある評判の悪い王女」とバカにされ両親は石化。
「武烈女王のようにはなれない」と言い切られた為、クラウドにはケンカ腰で突っかかるようになった。
後に事情があると分かり和解するも、シルバーがクラウドの嫌味口調(事実を指摘する事も含め)に逆ギレし嫌味を言ってクラウドを怒らせるなど、結局クラウドとはケンカすることが多い。
しかし、とある天使のイタズラにあった際にその影響を受けたクラウドに笑顔でオシャレを褒められた事にときめく。それが天使の影響であり、嫌味だと分かった時には腹を立てたものの内心気にしていた。
王女の護衛役。照れ屋で理屈っぽい。
ストンストンと共にクレヨン城の門番をやっていたが「王国の花札用に12の季節の花を写真に撮る」という密命を受けて旅に出る。
当初は同じく旅をするストンストンに嫌味を言い「一緒に旅なんてしたくない」と口論になるが、結局シルバー王女のお供として二人一緒に旅することになった。
シルバー王女の悪い癖に手を焼き、悪い癖が出るとホイッスルを吹いて注意する。
トラ猫の「おトラ」に卵の頃から育てられていた。彼女曰く小さい頃は泣き虫だったらしい。
王女の護衛役。
料理も得意な食道楽でいつも食べる事ばかり考えており、給料の大半を食費に使ってしまう。
アラエッサ同様クレヨン城の門番をやっていたが仕事を退屈と思っており、ハンバーガー国のサラド姫とオニギリ国のグット王子との婚約祝いを渡す任務を受けて旅に出る。
アラエッサとはよく口論になるが、シルバーがアラエッサの事を悪く言うと弁解したりシルバーの悪い癖に振り回されつつも世話を焼くなど面倒見がいい。
目印をつける時に自分の鼻にインクを塗り、スタンプ代わりに残す。
シルバー王女の誕生パーティの日に白馬に乗って突如クレヨン城に現れ、ゴールデン国王とオパール王妃を石にした張本人。
当初はシルバー王女に死神と思われ、その行方を追われていた。
後に、かつて武烈女王と共に死神を倒したクラウス公爵の子孫ということが判明し和解する。しかし、一貫してシルバーに対して悪い癖を指摘したり、嫌味な発言ばかりしてはよく口論になる(心の底では彼女に好意を持っており、自身はそれに気が付いていない)。
天使の悪戯で感情と表情があべこべ(怒ると顔は笑う、楽しいと泣くなど)になってしまった際、シルバーとケンカ別れした後笑いがとまらないことに疑問を抱いた。
ピーマンが苦手だったが旅の途中で克服した。天使編ではやたらお見合いをさせられて、たびたび家(別荘?)から脱走している。
シルバー王女が旅に出る原因を作った張本人。
相手の力を吸い取った上で石にしてしまう「死に灸」を得意とし、他人の体に取り憑く事もできる。
かつて武烈女王に倒されて12月の里の墓場に封印されていたが、落雷によって封印が壊れ閉じ込められていた洞穴から抜け出した。
シルバー王女を葬る事で武烈女王の魂をも葬り、クレヨン王国を手中に収めようと目論む。
悪知恵にも長けシルバーを倒すために様々な謀略を巡らし、その一環におにぎり国とハンバーガー国の間に戦争を仕掛けた。しかし、自ら仕掛けた罠にかかったりかつて自分の弱点を記した詫び証文の使い方を暴露するなどどこかマヌケなところもある。
死神は捕まえた者を石にし、捕まえた者の合計年齢が「4290」になったところで「死に灸」を行えば寿命が4290年延びる。その為主に老人を狙っていた。
特に勇ましい名前の持ち主が好き(おタカ、おクマ、おヒョウ、おトラなど)。
普段は黒い影のような姿をしているが、正体はマントヒヒのような姿である。
封印された後、天使達のイタズラで一度だけ不完全ながら復活した。
本名は「スペークル・シャン・プーニャ」。
死神が封印された後、シルバー王女の世話係になるためやってきた18歳のヒゲなしネコ。
天使達に騙されて彼らを時計から出してしまい、責任を感じてシルバー王女達に先駆けて追い始める。
お人好しで面倒見がいいが、おっちょこちょい。語尾は「でございますです」。寒さに弱く地震が大嫌い。
ヒゲが無い理由はクレヨン城に行く前日、父親に「多少失敗してもヒゲがないということでおおめにみてもらえると思う」として切られたから。
イタズラ好きの天使二人組。
シャカチックは短気かつ乱暴。ユックタックは優しく大人しい。
- シルバー号(CV:高村めぐみ)
死神が倒れた後開通したクレヨン鉄道を走るピンク色の汽車。排出するのは煙ではなく花。
名前はシルバー王女に由来し、性格を筆頭にあらゆることが王女に瓜二つ。
怒ると猛スピードで走る。ケーキが大好物。実は将棋が得意(ベル車掌に勝っている)。
カメレオン総理の親友であり自身の製作者であるナルマニマニに弱い。
- ベル車掌(CV:津久井教生)
時計の姿をしたシルバー号の車掌。
時間に細かく、何でもマニュアルに頼るので融通が全く利かない。
最初はあまりの几帳面さによってシルバー王女達とよくケンカしていたが、後に仲良くなり場合によっては出発時間を過ぎても待つなど次第に心を開いていく。
野菜の精たち
シルバー王女が持つ香水箱から呼び出せる12人の野菜の精。
一日一度しか呼び出せず、呼びたい相手や人数も限られている。
呼び出される時以外はそれぞれの生活をしているらしい。
- トーフモン(CV:松尾銀三)
豆腐の精。お風呂好きで3時間もかけている。
メンバー最年長だが、時には若々しくアグレッシブな言動を見せる事もある破天荒爺さん。
- ウメケロ(CV:中澤やよい)
梅干しの精。大きな爪楊枝を杖代わりにしている。
金銭にがめつい強かな偏屈婆さんで「お金の計算なら得意」と自称する。
年の功で知識も豊富なため、時にはネギックを凌ぐ知恵を働かせることもある。
色の青い若い頃は結構モテたらしい。「ケロ」が口癖。
- トマトマト(CV:桜井ちひろ)
トマトの精。豪胆で威勢のいいカンシャク持ち主婦。
ニンジッピを始めとする年少の精霊達の母親代わりを務めるなど面倒見が良い反面、一度怒り出したらクラウドやノビルジャーをも凌ぐ怪力や運動神経を発揮する。
最終回で子供が誕生し、ニンジッピのように優しい子になってほしいということから「トマトッピ」と名付けた。
- キャーベッタ(CV:高村めぐみ)
キャベツの精。オシャレ好きの女優志望。「ですわ」が口癖。
演技力や歌唱力も相応のものであり、旅先などでシルバー王女を差し置いて演劇などの主役や歌姫に抜擢される事も多い。
12人の中では比較的常識人的存在だが、少々自惚れな一面がある。
ニンジンの精。
いつもはシャイで気弱だが、いざという時には勇気を出す。
「っぴ」が口癖。トマトマトを敬愛している。
雪の精「ホワホワちゃん」と恋仲になる。
- レンコポッチ(CV:ゆーり)
レンコンの精。
病弱でネガティブだが、時にはそれを口実に同情を引いたり、一人得しようとするちゃっかり者。「っち」が口癖。七夕馬のディックと仲良し。
- ノビルジャー(CV:赤井田良彦)
タケノコの精。バンカラ風高校生。
力持ちで精霊随一の運動神経と腕っ節の持ち主だが、頭を使う事は苦手で少々単純という良くも悪くも外見通りの脳筋な体育会系で涙もろい。
ストンストンに負けず劣らずの食欲を持つ。「じゃー」が口癖。
ネギの精。クレヨーン大学を目指している高校生。
自称・IQ300の頭脳を持つ精霊一の秀才で物知りだが、それを鼻にかける皮肉屋でもある。
プライドが高く、自分の失態を絶対に認めない。
- ソソソナス(CV:家富ヨウジ)
ナスの精。慌てんぼうで上がり屋なサラリーマン。
プレッシャーに弱く早とちりな行動が裏目に出てしまいやすい。
その性格&職業故に老若男女問わず周囲には常に腰の低い態度で接する。
「レレレナス」という息子がいる。口癖は「でなす」。
- トモロコフスキー(CV:望月祐多)
トウモロコシの精。12人の中で一番大きい。
ホラ吹きかつ女好きのナルシストなナンパ師。
ホウレンソウの精。常に気だるそうな高校生コギャルで「どうでもいいけど」が口癖。
その一方割と惚れっぽく、クラウドや旅先で出会った男子、果ては(惚れキノコを食べた影響で)トーフモンにまで惚れた事がある。
ネギック不在時には彼女が妙案を思いつくこともある。
ゴマの精。「ゴマ」が口癖。
気が強いひねくれ者&極度の方向音痴で分かれ道では必ず間違った方向を選ぶ。
体が小さいことをバカにされるのが嫌い。
クレヨン王国の住人
- カメレオン総理(CV:乃村健次)
クレヨン王国の総理大臣。「であーる」が口癖。
死神編では石になった国王と王妃の代わりに城を守っていた。
シルバー王女の悪い癖にいつも苦労させられており、王女の旅も「危険な賭けではあるが、武烈女王のようになればきっと悪い癖も治るはず」という理由で出発を認めた。
シルバーにクレヨン王国に伝わるアイテムが入ったトランクを渡したり、旅先のシルバー王女と常に連絡を取り死神の復活が判明した時はすぐに旅を中断させようとするなど、王女の事をいつも心配していた。
- キラップ女史(CV:竹内都子)
王国のさまざまな事象について王女や総理に助言するクレヨン王室博物館長。
「ザマス」が口癖。昔国立図書館長を務めていたことがあり、その時に読んだ本に「人間を石にする魔法を使うのは死神」だとカメレオン総理に助言した。
- プーチ夫人(CV:清水よし子)
キラップ女史とコンビでいることが多いクレヨン王室旧秘書官長夫人。
シルバーのわがままや悪い癖に振り回されながらも「彼女の笑顔を見ると敵わない」と笑っていた。
シルバー王女の父親で武烈女王の子孫。
死神編では国王女王共に石にされてしまい、一年以内に魔法を解かないと命が危うくなるという状態にされてしまった(なお、石になる寸前オパール王妃に足を踏まれている)。
笑顔を絶やさない穏やかな性格で、王妃と共に娘を溺愛しており甘やかし気味。
「シルバーの笑顔は全ての人を和ませる国の宝」と評価し、12の悪い癖すら誰にでもあると弁解してワガママもしょうがないなと笑ってすませる(ただし度が過ぎているという認識はあるらしく、カメレオン総理達の前で完全に弁解はできなかった)。
シルバー王女の母親。性格はおっとりしていて優しい。
かなりの甘党らしく、彼女の作る12色ののり巻きはケーキのように甘い。
主題歌
オープニング
「ン・パカマーチ」
作詞 - 森林檎 / 作曲 - 有澤孝紀 / 編曲 - 有澤孝紀、外山和彦 / 歌 - 徳光由香
エンディング
「ありのままに」
作詞 - 福永令三 / 作曲 - 杉山加奈 / 編曲 - 有澤孝紀、佐藤泰将 / 歌 - 杉山加奈
関連イラスト
テレ朝/ABC・日朝8:30枠
花より男子(1996年~1997年)※9月開始終了
↓
夢のクレヨン王国(1997年9月~1999年1月)
↓
【おジャ魔女どれみシリーズ】(1999年2月~2003年1月)
おジャ魔女どれみ(1999年2月~2000年1月)
関連タグ
ニチアサ同期
ボンバーマンビーダマン爆外伝(1時間半前)・電磁戦隊メガレンジャー→星獣戦隊ギンガマン(1時間前)・ビーロボカブタック→テツワン探偵ロボタック(30分前)