シルビア(日産)
にっさんしるびあ
概要
(※左は初代、右は6代目)
初代は1965年から1968年、2代目から6代目までは1975年から2002年まで販売されたクーペ。
当初はダットサン・フェアレディをベースに上品な内外装とした高級スペシャリティカーの要素が強かった。
2代目からは当時の主力車種であったサニーをベースにした若者向けスペシャリティカーとなり、トヨタのセリカをはじめとする競合車種が駆動方式をFFへと変更する中で、販売終了までサニーのプラットフォームであるFRを通したことからスポーツ走行を楽しむ走り屋やライトユーザーからも非常に高い支持を集めた(なお、サニーもモデル途中で前輪駆動に変更された)。
モデルは7代(CSP311、S10、S110、S12、S13、S14、S15型)に渡って生産された。
乗車人数は初代CSP311が2人、2代目S10から4代目S12までが5人、5代目S13から7代目S15までは4人である。
駆動方式は前述の通り全代を通してFRのみで、4WDの設定はない。
またメーターについてもデジタルメーターの設定はあったものの、ファインビジョンメーター(自発光式メーター)の設定はない。
3代目S110をベースにWRCのグループB規格に合わせて限定生産されたのが240RSである。
5代目S13については、歴代シルビアの中で最も販売台数が多く若者を中心に約30万台を販売した。
未来的でスタイリッシュな外装デザインと各塗装カラーが評価され、国内市販車としての名誉にあたる日本カー・オブ・ザ・イヤーだけでなく工業製品や造形物としてもグッドデザイン大賞を受賞した。
そのシルエットから女性からの人気も集める程であった。
また基本的な部品を共通する兄弟車としてリトラクタブルライト型の180SXが販売される。
両者は比較的手頃な価格で手に入り改造もしやすかったことから、購入者らの手によってシルエイティやワンビアといったニコイチの改造車も誕生した。
なお1980年代のグループC規定下では「シルビアターボ」というプロトタイプレーシングカーが存在したが、英国のマーチ・エンジニアリング製のシャシーに日産製V6エンジンを搭載した全くの別物であり、本車とは一切関係がない。
余談ではあるが、3代目のS110型はメキシコ市場でダットサンブランドの「SAKURA」の名で販売されていたが、直接の関係はないものの、2022年に登場した新型の電気軽自動車の名前としてその車名が使われることとなった。