『電気自動車になった日産の軽』
概要
日産自動車が販売する電気軽乗用車。
2022年5月20日に発表、2022年6月16日に発売。
リーフ、アリアに続く電気自動車であり、日産として初の量産型「軽」電気乗用車である。
生産は三菱自動車に委託している。ゆえに三菱eKクロスEVとは兄弟車である。
2019年10月23日の「第46回東京モーターショー2019」で発表された『NISSAN IMK Concept』の市販車モデルであり、ベースモデルは2代目デイズ。・・・というより元々2代目デイズのプラットフォームはEV化にする前提で製作されていた。つまり、ガソリン車のデイズのプラットフォームにモータとバッテリーを載せたわけではなく、EVのサクラのプラットフォームにエンジンを載せたのがデイズということになる。
採用されているモーターは3代目ノート・ノートオーラ・3代目アウトランダーなどのリアモーターに使用されているものと同様。それにより最大トルクはターボ付き軽自動車の約2倍の195Nmとなっている。
軽自動車として自動駐車機能のプロパイロットパーキング、プロパイロット走行中にドライバーの異常を検知すると緊急停止する機能のプロパイロット緊急停止支援システムを初採用。その他ProPILOTなどの先進装備も採用。
ヘッドランプも軽自動車として初のプロジェクター式の薄型3眼LEDを採用、リアも3代目ノート・ノートオーラ・アリアと同様の『NISSAN』のバラ文字が配置されている。
国のEV補助金を利用すれば約180万円より購入ができる。
航続距離はWLTCモードで最大180kmであり、物足りない気もするが日常の足として考えると十分であり、自宅で充電が可能な家庭では問題がない。また、昨今ガソリンスタンドが減少している郊外で暮らしている家庭のかたには魅力的だと言える。
また、日産として初めてメタバースにて発表イベントも行われている。
グレードはS・X・Gから選択できるが、Sグレードはいわゆる法人向けとなっており、カタログもX・Gとは別となっている。さらにWEBサイトも『Biz Nissan』からではないとSグレードにはたどり着けないという徹底ぶりである。法人向けとなっているだけにプロパイロットパーキング、ProPILOTなどの装備はメーカーオプションで設定がなく、他にもいくつかの装備が省力されている。個人でも買えないわけではないが、SとXの価格差がさほどないため基本的にはXグレード以上がおすすめである。
発表から約3週間経った6月16日には、受注台数が11,429台(6月13日時点)を突破したことが明かされた。これは電気自動車としては好調な滑り出しとなった。
主要諸元表
グレードによるバッテリー総電量に変わりはなく、バッテリーが搭載されているためデイズよりは重くなっている。
駆動方式 | 2WD |
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バッテリータイプ | リチウムイオンバッテリー |
バッテリー総電量 | 20kWh |
最高出力 | 47kkW |
最大トルク | 195Nm |
最高速度 | 130km/h |
充電時間(普通) | 8時間 |
充電時間(急速) | 約40分 |
全長 | 3395mm |
全幅 | 1475mm |
全高 | 1665mm |
ホイールベース | 2495mm |
車両重量 | 1070kg~1080kg |
荷物寸法 | 107L |
乗車定員 | 4名 |
賞の受賞
2022年のカーオブザイヤーでは、兄弟車のeKクロスEVと共に第43回日本カー・オブ・ザ・イヤー(JCOTY)、第32回RJCカーオブザイヤー(RJC)、2022-2023日本自動車殿堂カーオブザイヤー(JAHFA)のトリプル受賞を果たす。特にJCOTYでは史上初の軽自動車での大賞受賞で、これとは別に「K CAR・オブ・ザ・イヤー」も同時に受賞している。更に日産車としては前年のノートに続く2年連続で、2011年のリーフ、2021年のノートに次ぐ3例目のカーオブザイヤー大賞トリプル受賞となる。
なお、RJC・JAHFAでの軽自動車の初めての大賞受賞車はそれぞれ第3回(1993-1994年次)のスズキ・ワゴンRと2012-2013年度のホンダ・N-BOX+(ともに初代)の2車である。
関連動画
余談
1980年代にメキシコ市場で3代目シルビア(S110型)がDATSUNブランドとして、本車両と同名の「SAKURA」の名で販売されていた。
関連項目
日産チェリー:サクラと同じ「桜」が由来の乗用車
外部リンク
公式サイト【Sグレード】
公式サイト【X・Gグレード】